P&Gのカバーコールで利回り5.4%を得る方法

投稿者名:金守 遼太

カバードコールは配当との親和性が高く、配当+オプション料で計算すると配当のみよりも実入りが多くなることをご存じでしょうか。

カバードコールとは

カバードコールとは、現物株を保有したうえでコールオプションを売る行為です。

生活用品を扱うP&Gの株を2020年5月に117.93ドルの値段がついていたとします。

オプションを使うので100枚分購入して117.93×100=11,793ドルの投資です。

そして2021年6月満期のコールを売って、カバードコールにしました。コールの権利行使価格は140ドルに設定。

株価が140ドル以下なら、コールが満期に権利行使されずに消滅します。
この2021年6月満期のコールは3.15ドルついていたとします。

当時のプレミアム一覧表で、C140はBit2.90とAsk3.40なので、仲値を採用して3.15とします。

利回り計算

P&Gは配当が出るので、上記の約1年間で、0.7907×4回=316.28ドルもらえる見込みです。(米国株は4半期ごとに配当を出す会社が多いです)

ですので、実入りとしてはコールを売って入ってきた金額315ドル+1年間の配当316.28ドル。合計すると、631.28ドルになります。

この取引で用意しておかなければいけない金額は、P&G100株の11,793ドルです。
自分で株を持っていてカバードコールする場合は証拠金は要求されません。なぜなら株を保有していて最大損失額になっても担保があるからです。

利回りを計算すると631.28ドル÷11,793ドル=約5.4%の利回りです。

ですが当初の株価117.93に対してC140を売っているので、キャピタルゲインも狙えることになります。
キャピタルゲイン分は140-117.93=2,207ドル分上振れの余地があります。それを考慮すると約24%のリターンが見込めます。

これがカバードコールです。

現物をもってカバードコールをすると、証拠金がかからないうえに配当を1年で4回もらえます。(たまに毎月型というのも銘柄によってあります)
ちなみに、2021年6月満期のコールオプションを持っているので、実はあと2か月後くらいに決着がつきます。

株価が140ドルを超えたら満額の24%リターン、株価が140ドルまでたどり着かなければ再度カバコ。
この投資がマイナスで終わるのは、11,793ドル-631.28ドル=11,161.72ドルを下回ったとき、カバードコールの受け取りと配当分を加味してもプラスになりません。
今日4/21時点では、P&Gの株価は137.75ドル。
なかなか良い線、というか実に微妙なラインじゃないでしょうか。

 この権利行使価格を選んだ理由は、紹介した動画の18:22秒のところで説明しています。

直観でも良いので決めていて、昨年の上昇率の半分の18%を狙えたらいいなというざっくりな考え方を紹介しました。

過去の株価の推移は昨年の上昇率を調べるために見ているだけで、抵抗線があったりシグナルがあるなどのテクニカル分析はしていないです。
(1年後を予想するのは困難ですよね)

もちろん下がることもあります。

でも、P&Gのような配当を出す銘柄は株価が下がれば配当投資をしている人が積極的に買いに向かうので、下落もある程度しか落ちないんじゃないかという目論見もあります。

値下がりしてもまあいいか、というような銘柄が良いですよね。

今は137ドルかもしれませんが、後残り2か月で〇〇ショックが起きて急落したり、あるいは好材料が出て急騰することもあるかもしれません。

たまたま今日が最高値だった、というオチもあるかもしれません。

それは誰にもわからないので、エントリー時には直観的に予想してC140を選定しました。

もっと上昇していれば利益の取りそこないになりますが、カバードコールをしている以上は引き受けないといけないリスクですね。

この銘柄選びをどうするかについては自身ポートフォリオで現物株を持ってもいい企業を選択すると良いです

約1年の投資で、24%に近づけられたら最高ですよね!
もっとも理想的なのは、満期にP&Gの株価が140ドルをちょっと下回ったとき。
そうすればまた来年めがけてカバードコールに持ち込めます。
もっと短く刻んでももちろんOKです。来月ものとか、3か月物とか。

実はすでにyoutubeで解説済みの内容

「なんか見た覚えある」という方はいらっしゃるでしょうか。この事例は下記動画で紹介した取引です。

この動画の16分22秒あたりからの事例です。
この動画は見たけど事例まで覚えていない方、結構多いんじゃないかと思います。

動画の中で解説していますが、2021年6月ってまだまだ先って思ってたのに、あっという間にあと残り2か月になりました。
結果はどうなることでしょうか。

C140まで行けば御の字というところで、現在137ドルまで進行している。
「これが分かってたら、自分もやったのに!」と思ってしまいますね。

ちなみに、この動画を投稿したのが2020年7月7日です。

1年後にどうなるか、誰もわからないのですが、結構いい予想だったようです。140ドルは。
「もう、これだけ利益が乗ったから決済したい!」
という場合は現在のC140オプション価格で反対売買します。

C140はプレミアムが2.19ドル残っていますのでコール売りの受取金は全額貰えるわけじゃなさそうですね。

値上がり益を取りきって時間価値の減少ももらいたい!と思えば目をつぶって2か月待てば結果が分かりますが、人によってはここで反対売買して決済してしまおう、という方も多いかもしれません。
と言っても、P&Gのex-dateが4/22なので、今すぐ手放しちゃもったいないかもしれませんね。
なのでご自身で今決済してしまっていいのか、配当を受け取らなかったら利回りはどうなるか計算してみてくださいね。

たまに聞かれることがありますが、オプションは満期前で反対売買もできます。

なので利益を確定させる場合は売ってるコールを買い戻せばいいですし、さらにカバーコールを維持するために6月物を決済して遠い限月(半年とかまた1年とか)に設定するというやり方もあります。

もし大きな損失が起きても気にしないで投資できる

もし大きな下落が来た場合は・・・あまり考えていません。

コロナショックの影響から脱して株価が元に戻った2020年5月あたりで仕込んでいたらどうなっただろうかというのが今回の内容です。

カバードコール戦略は値上がり益もありますが基本は配当投資+コールプレミアムの受け取りを目論んでいるので値上がり益はもしうまくいけば、という考えですね。

 

状況を見て今反対売買すれば、ここまでの株価上昇と配当とC140からの利益です。

もし今の状態から下落したら、アウトオブザマネーになってC140の価格が下がりますので、カバードコールのプレミアムは満額近く貰えるでしょう。

C140で当初受け取ったプレミアム3.15ドルが、9か月くらい経った時点で2.19ドルまでしか減価していないのは、現株の価格が上昇してコールの権利行使価格がアットザマネーになっているからです。

この状態で株が下落すれば、2.19ドルがもっと安くなるので反対売買すればコールプレミアムをもらえます。

 

ただ、この戦略は基本的には満期通過させるポジションを想定しているので、今反対売買はしなくていいかなと思っています。

ポジションを建てる時に1年先のオプションを売っていてほったらかしにしているのであと残り2か月経てばコールオプションのプレミアムを満額貰える可能性があります。

あとは、利食いで反対売買するのもいいですが、株価が上昇しきったと考えて、プットを買って保険にするのもいいですよね。

 

今のタイミングだと思えばP120でも買っておけば、もし大暴落が起きてもだいたい120ドルで損失が固定されるので、安心かもしれません。

現物買ってカバードコールして、時間が経ったら安くなっているプットを買うというようなイメージです。

SQまで放置するのがカバードコールの基本の形

P&Gのような成長していく株を選んで買って、株自体は長期で持つことを想定して配当を得ることを主に考える。ついでに今の株価よりも高めの値段のコールを売ってプレミアムをもらい、あとは権利行使価格より株価が明らかに上がれば、その時点で反対売買するというやり方もあります。

しかしながら、権利行使価格より株価が明らかに上がっても、そこで反対売買をするのではなく、満期まで保有し続けたほうがトレーディングにならなくて良いかな、と思います。

満期まで持たないで途中で反対売買してもいいです。満期まで待つルールがあるわけではありません。

そもそも天井がどこかわからないし同じようなカバードコールをしている銘柄が複数あれば、時間分散の意味も込めて反対売買はSQまで持ち越した方が、相場の動きに一喜一憂しなくて済みます。

満期をずらして複数の銘柄を持てば、銘柄分散+時間分散 ができます。

 

P&Gの株価チャートを見てもらいたいのですが、2021年3月初旬には、株価が120ドル近辺まで下落しています。

この時に慌てて反対売買すると利益を取れないし、株価に一喜一憂するトレーディングになってしまいます。

このような余計な不安や焦りが出ないように、株を保有してカバードコールの期間を設定してあとは見物できる(むしろ見物するしかない)のがカバードコールです。

 

 

 

 

■注意事項■

 

※当ブログは筆者の個人的な見解を示すものにすぎません。掲載しているデータの収集とその分析についても、筆者の個人的な視点に基づく分析であり、その有効性を保証するものではありません。解説においては、筆者の独自の視点で学習目的のために事例を簡略化している場合があるため、資料の中で紹介される事例は実際の相場とは異なる場合があります。取引事例についても、完全に再現しているものではなく、かつ、その有効性を担保するものではありません。また、本資料に含まれる記述や情報については十分精査しておりますが、その内容に関して筆者は一切責任を負いません。

 

※当ブログは過去の市場分析と戦略案を検討するものでありますが、取り上げている投資戦略についてはシミュレーション上のものであり、確実にそのような結果が出ることを示すものではありません。また、相場状況によっては損失が出ていた可能性も十分にあり得ます。当該シミュレーション結果が解説の中で説明した戦略の優位性や利益を保証するものではありません。よって、その内容を将来に当てはめて利益が出ることを保証するものではありません。投資手法の有効性などにつきましては、読者の皆様において十分に内容をご精査いただき、商品の特性、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分にご理解いただいたうえで、ご自身の投資判断と責任でお取引いただくようお願いします。

 

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