アメリカに上場している、SPTNというシンボルの会社をご存知でしょうか?
この銘柄は決算発表で荒れるので、決算発表直前にロングストラドルを組んだところ、今回の決算発表でも見事に荒れて株価が-20%超の暴落が起きました。
その結果わずか1日でロングストラドルの利益が出て利益率はなんと59%となりました。
投下資金が1.5倍になった計算です。その取引内容を公開します。
SPTNという会社は何をやっているのか調べていない
SPTNは「SpartanNash Company」という会社で、景気循環非連動型消費関連(消費安定) 食品小売&流通のカテゴリに入る企業です。
ですが、今回のロングストラドル戦略は、企業分析などは全く関係なく、決算発表で市場予想よりも乖離しやすい性質ことを利用した戦略です。
なので、何をやっている会社か調べていなくても取引はできてしまうので気軽に参加できます。
決算発表が終わったらすぐに手仕舞いする計画なので、市場予想との乖離だけを利益の源泉として、企業の本来の実力や市場予想の妥当性などについては考慮しない、まさにイベント狙いの取引手法です。
市場予想はEPS0.38なのに結果は-0.39
2/20の引け後に決算発表がありました。
市場予測はEPS0.38でしたが、結果は-0.39と減益です。見事に予測と真逆の結果となりました。
その結果、株価は22ドルから17.4ドルに-20%下落しました。
この銘柄のチャートはこのように見事な大暴落です。
こんなイベントが毎回起きる銘柄のようで、前回の決算発表の11/9にも大幅下落しています。
では、オプション取引の特徴を活かして、損失限定で上がっても下がっても利益になる戦略を組んだら、面白い取引が実現すると思いませんか?
それがロングストラドル戦略です。
決算イベント利用して、決算発表直前にロングストラドルを組むことでこの変動を利益に変える作戦です。
ロングストラドルとは、コールとプットを両方買う戦略
ロングストラドルとは、今の株価に一番近い権利行使価格のオプションを、コールもプットも両方買ってどちらに動いても利益になるような戦い方です。
ロングストラドルで57万円稼いだ、新しいイベント投資手法として以前にこのブログでも取り上げました。
この戦い方を、SPTN株の株オプションで応用したのが今回の取引事例です。
決算発表前にロングストラドルをセットする
2月20日、決算発表の直前に、3月15日満期のC22.5を1.5ドル、同じく3月15日満期のP22.5を1.7ドルで購入しました。
総額3.2ドルですが、アメリカ株オプションは100倍で計算するので、320ドルを投下したことになります。
決算発表後にロングストラドルは含み益に
2月20日の引けに決算発表があり、2月21日の株価は大きな変動がありました。
前日の2月20日は22ドルあった株価が、引け値17.4ドルまで下落です。
この引け時点オプション価格は、C22.5が0.05ドルで取引されていて、P22.5が4.5ドルで取引されています。
P22.5の価格が正確ではなさそうなので仲値を計算するとおおよそ5.2ドル付近にありそうですが、P22.5の本質的価値は22.5-17.4=5.1ドルなので、ここでは5.1ドルと計算します。
よって0.05ドル+5.1ドル=5.15ドルの含み益が得られていると考えます。
コールオプションのほうは最低価格まで下がっていて買い手がいない状態なので、反対売買できなさそうなので0.05ドルは諦めます。
よって5.1ドルのリターンがあります。
諦めたコールは満期までまだ半月以上あるので、もし株価が奇跡的に回復したら息を吹き返すかもしれないと期待して持ち続けるのも良いですね。
利益率59%を実現したロングストラドルの魅力
この取引では320ドルを投下して、510ドルのリターンがありましたので利益は190ドルです。
利益率を計算すると、190÷320=59%という結果になりました。
特筆すべき点は、イベントが「決算発表」という前もって分かっているイベントに目掛けて取引を行い、わずか1日で見事に変動を利益に変えられたことです。
もし決算発表が良くて株価が上昇しても、ロングストラドルなのでコール側が利益を出してくれます。
ロングストラドルは上昇しても下落してもいいから、とにかく今いる株価よりも大きくブレることを期待する戦略です。
まさにこのような決算発表で大きく動く銘柄には最適な戦略と言えます。
もし動かなくても320ドル満額損失ではないので資金管理できる
ロングストラドルの欠点は、決算発表で株価が全く動かずに終わることです。
その場合は、買ったオプションの価値が目減りした分だけ損が出ます。
しかし、今回のオプションは満期まで半月以上残っているので、投下した資金の320ドルを一気に失うわけではありません。
いくら失うのかというと、
- 1日当たりのタイムディケイの量
- インプライドボラティリティの減価による目減り
によって決まります。
この計算は緻密な計算が必要なのでここでは触れませんが、オプション取引を学ぶと自分がいくら損失になるのかを簡単に予測することもできますので、資金管理が容易になります。
多めに見積もって100ドル程度失うと考えても、実質のリスクにさらす資金量は100ドルで、今回の値上がり益は190ドルを実現できたので、パフォーマンスは非常に高いですよね。
まとめ
ロングストラドルは上昇しても下落しても利益が出る戦略です。
よって決算発表で大きく動きそうな銘柄を探して、決算発表前にロングストラドルを仕掛けることで、利益を狙いに行けます。
もし思惑に反して株価が動かなくても、投下資金を満額失うわけではないのでオプションを学べば資金管理もできて効率の良い投資が可能となります。