かぶオプと同じカバードコールが有効なノックアウトオプション

投稿者名:金森 雅人

あなたはノックアウトオプションと通常のオプション取引の組み合わせで有利な戦略取れる方法を知っていますか?

それがカバードコール戦略です。

カバードコール戦略を組み合わせれば、ノックアウトオプションの損失限定と資金効率の高さを使ってレバレッジを高めつつ、コール売りのプレミアムを受け取ってコツコツと利益を積み上げていくことができます。

今22450円の日経平均株価で取引をすると、最低は約6万円で先物ラージ相当のポジションを建てることができて、89円のC22875を売れば、8.9万円を受け取ることができます。
今週末はSQ日なので、火曜、水曜、木曜とわずか3日間で400円の上昇が起きれば、値上がり益の40万円+コール売りのオプション料8.9万円の合計48.9万円を得ることができます。

もし相場の思惑が外れて下落した場合でも、ノックアウトオプションを使っていれば損失限定なので4.8万円の損失だけ。

このように資金効率を高めつつ値上がり益を増やすことができるのが、ノックアウトオプションを使ったカバードコール戦略です。

このカバードコール戦略はかぶオプで使えるのと同様に、このノックアウトオプションを現物株の代わりに保有しても、同じ戦略で利益を狙えます。

この記事ではカバードコール戦略とノックアウトオプションを合わせた戦略のメリットを解説しますので、あなたもすぐにこの戦略を組んでみたくなりますよ。

ノックアウトオプションでレバレッジを掛ける!

ノックアウトオプションは、日本225の株価からどのくらい話した価格にするかという、ノックアウトレベルを自由に設定できます。

例えば、日本225が22468円の時に、ノックアウトレベルを一番近くて22410円にすることができます。

上記の絵のように、10円刻みでノックアウトレベルを選択することができます。

先物ラージ分の10ロットを購入する場合には、わずか6万円程度で先物ラージ相当のポジションを保有できます。

下の図の赤枠で囲んだ記載が、最大損失額=維持証拠金金額です。

日経平均株価が1000円上昇した場合は、先物ラージを1枚保有していれば100万円の利益なので、わずか6万円で100万円の利益を得られる可能性がある取引です。

今は、普通に先物ラージ1枚を保有するためにはSPAN証拠金金額の75万円を必要とします。

ところが、ノックアウトオプションを使うと6万円だけで良いので、1/10以下の証拠金で先物ラージと同じポジションを持つことができます。

この商品は、ノックアウトレベル最低ポイント値幅が設定されていて、日本225の場合は40ポイントです。

だからわずか4万円(+8000円のノックアウトプレミアム)だけで、先物ラージと同じポジションを作ることができます。

非常にレバレッジが高い取引が可能で、さらに損失限定なので安心感があります。

 

通常、先物ラージを1枚ロングしていると、通常は下落方向のケアが無いために損失は限定されていません。

しかしノックアウトオプションならノックアウトレベルを設定するだけで必ずその価格でロスカットされますので、損失を予測することができるためリスクコントロールも可能です。

ノックアウトオプションだけでも非常に面白い戦略を組むことができますが、さらにオプションと組み合わせると非常に有利な戦略をとることができます。

それががバードコール戦略です。

カバードコールは上昇益の放棄してオプション料を受け取る作戦

無リスクで32万円の利益を得るカバードコールのしくみとは、上昇方向の利益を放棄したからです。

ノックアウトオプションは損失限定を実現しているので、同様に無限の上昇益を狙う戦略です。

ですが、無限の上昇益を狙うのではなく、カバードコールを行いコール売りプレミアムをコツコツと得て長期で値上がり益を狙う戦略をとることができます。

カバードコールでC22875を売ればオプション料を受け取れる

現在のオプションプライスボードを見ると、C22875が89円で売っていました。

そこで、ノックアウトオプションを10ロットもって先物ラージと同じポジションを作り、C22875を89円で売ります。

これでカバードコールの完成です。

コールを売って受け取った89円は、満期を通過すれば全額が利益として確定しますので、それぞれ場面に応じてどのようになるのか確認します。

a.相場が続伸し22875円以上となった場合

もし日経平均株価が22875円を超えて続伸する場合は、ノックアウトオプションで利益が出て、コールで含み損が出ます。

でも、22875円に上昇するまでに400円以上も離れているため、ノックアウトオプションは含み益が充分に出て、コールの含み損以上の利益が出ます。

損益を通算すればプラスです。

カバードコール戦略の説明にもあるように、相場がさらに続伸しても完全にヘッジできているので、利益は限定ですが損失に転じることはありません。

よって上昇方向はリスクがありません。

b.相場がもみ合った場合

万が一相場がもみ合って現在の日経平均株価の22450円あたりをウロウロするような相場であれば、ノックアウトオプションからは損益は発生しません。

その場合はコール売りのオプション料である8.9万円を利益にすることができます。

よって次の限月のコールを再度売ることで、またカバードコール戦略を続けることができます。

この戦略はソニー株のかぶオプを使って利益を2倍にした取引手法で取り上げた戦略と全く一緒で、現物株の代わりにノックアウトオプションを使っているだけです。

このノックアウトオプションは満期が8月までありますので、相場がもみ合っていればカバードコール戦略を繰り返すことで、ずっと利益を得続けることができます。

c.相場が下落した場合

相場が下落した場合は、ノックアウトレベルに達した瞬間にノックアウトオプションが消滅します。

この時にだけノックアウトプレミアムの8ポイント(先物ラージ相当であれば10ロット保有しているので8000円分)をIG証券に手数料として支払うことになります。

でも損失は限定されていて、当初6万円でこのノックアウトオプションを買っていたらそれ以上の損失はありません。

もしノックアウトされたら、コール売りを反対売買して取引は終了です。

相場が下落していればコール売りのオプション料は多少減価していることが予想されますので、6万円の最大損失可能性があるポジションでも、コール売りの反対売買によって多少損失を軽減できるかもしれません。

カバードコールなら下落相場でも損失軽減できる

以上の3パターンを見てみましたが、懸念される相場状況は下落相場でノックアウトレベルに達したときとなります。

ノックアウトレベルを日経平均株価に近く設定していると、証拠金は安いのですがノックアウトされる危険性があります。

このバランスを考えて、最小のノックアウトレベルで取引をするか多少余裕をもって(証拠金を増やして)取引するかを考える必要はありますが、もしノックアウトされたとしてもコール売りオプション料から多少の利益を回収できるので、損失は少し緩和されるでしょう。

このようにカバードコール戦略なら、追加のリスクを取らずにコール売りオプション料を得られるチャンスがありますので、非常にお勧めの戦略です。

「かぶオプ」は初心者向けのオプション戦略と言える理由で解説したように、海外の取引所や証券会社でも取り上げている難易度の低い戦略として取り上げられており、ノックアウトレベルに影響を与えませんので、非常に親和性が高い取引と言えます。

まとめ

ノックアウトオプションを使って、カバードコール戦略を使えば、資金効率を高めたうえで上昇益を放棄した分のオプション料が得られます。

値上がり益+オプション料の受け取りをダブルで狙えるし、相場のもみ合いでも利益をコツコツと得られてかぶオプのようにカバードコールを繰り返し実行し続けることも可能です。

望まれない相場状況は下落したときですが、ノックアウトオプションが消滅するときは相場が下落しているので、コール売りの反対売買をすることで多少利益が出るので損失軽減につながります。

ノックアウトオプションが損失限定であることに加えて、コール売りの反対売買による利益と合算することで損失を軽減できる効果もあります。

このように高いレバレッジ性のあるノックアウトオプションを、通常のオプション取引と組み合わせることで、今までにない戦略の可能性が広がります。

 

 

 

 

※当ブログは筆者の個人的な見解を示すものにすぎません。掲載しているデータの収集とその分析についても、筆者の個人的な視点に基づく分析であり、その有効性を保証するものではありません。解説においては、筆者の独自の視点で学習目的のために事例を簡略化している場合があるため、資料の中で紹介される事例は実際の相場とは異なる場合があります。取引事例についても、完全に再現しているものではなく、かつ、その有効性を担保するものではありません。また、本資料に含まれる記述や情報については十分精査しておりますが、その内容に関して筆者は一切責任を負いません。

※当ブログは過去の市場分析と戦略案を検討するものでありますが、取り上げている投資戦略についてはシミュレーション上のものであり、確実にそのような結果が出ることを示すものではありません。また、相場状況によっては損失が出ていた可能性も十分にあり得ます。当該シミュレーション結果が解説の中で説明した戦略の優位性や利益を保証するものではありません。よって、その内容を将来に当てはめて利益が出ることを保証するものではありません。投資手法の有効性などにつきましては、読者の皆様において十分に内容をご精査いただき、商品の特性、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分にご理解いただいたうえで、ご自身の投資判断と責任でお取引いただくようお願いします。

※株式取引(米国株式)、オプション取引(米国株オプション取引)においては、株式相場、為替相場の変動等によって損失が生じるおそれがあります。お取引に際しては、あらかじめお取引先の金融商品取引業者等より交付される契約締結前交付書面等を十分にお読みいただき、商品の性質、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分に御理解いただいたうえで、御自身の判断と責任でお取引いただきますようお願い申し上げます。
 

関連記事

   オプション取引に関する無料メルマガを購読できます    登録はこちら
TOP
TOP