かぶオプ(株オプション)はFXや先物よりもリスクを抑えた取引が可能

投稿者名:金森 雅人

一概にオプションと言われる商品にも、さまざまな種類があります。

あなたがもしオプション取引は「FXや先物よりも難しい」と思っているのであれば、そのオプションのイメージは「指数オプション」のことしか表していません。

日本でもっとメジャーな日経225オプションは指数オプションであり、「株が儲かるか、FXが儲かるか、先物が儲かるか、それともオプションが儲かるか・・・」というように一つの投資ジャンルとしてオプションを比較すると、非常に奥が深く収益メカニズムが他の投資商品に比べて複雑な指数オプションは、難しく感じてしまうことでしょう。

一方、難易度が極めて易しくて、株式投資に毛が生えた程度で扱える、カンタンなオプション取引も存在します。

それが「株オプション」です。

下図に商品群ごとのリスクとリターンの比較一覧を作成しました。

株式銘柄を対象にする株式オプション(通称かぶオプ)と、株価指数を対象とした指数オプション(日経225オプション)は、全く別物と考えても良いほどリスクの観点や取引手法が異なります。

この比較表の中でどこに株オプションが入るのかを正しく理解すれば、株オプションと指数オプションの違いが明らかになります。

一覧表による株オプションの位置は株式投資のすぐ隣

預貯金が最もリスクが少ないのですがリターンも少ないです。

その次に国債があり、次に投資信託が来るイメージです。捉え方によっては前後するかもしれませんが、その次には株式投資の中でも配当狙い、いわゆるインカムゲイン投資が来ます。

次いで貴金属投資として金や銀への投資、さらにリスクを取ってリターンを狙うには値上がり益重視の株式投資(キャピタルゲイン狙い)、さらに一歩踏み込むとFX投資でレバレッジを掛けて相場の上下を狙うスタイルがあります。

さらに上級になると先物投資が来るようなイメージをお持ちではないでしょうか。

では、上記の一覧表の中で、株オプションはどこに配置される金融商品でしょうか。

私が考える株オプションの難易度とリスクリターンのバランスを下図に示しました。

このように、株(配当狙い)の投資の横にあります。

株式投資と比べて、ほとんど難易度が上がっていません。

それでいて、図を見て分かるように、リスクとリターンの度合いが小さくなっています。

株(配当)にオプションを加えれば、リスクとリターンが下がるからです。

リスクが小さくなって利益が出やすい安全性の高い投資に変わった代わりに、リターンも小さくなっています。

イメージとしては国債よりもリターンは高いけど、投資信託の想定リターンと同等まで抑える代わりに、リスクはまるで国債を保有しているかのようなリスクレベルにまで低下させることが可能です。

これが株オプションの効果です。

株オプションを利用すると、リスクとリターンのブレを抑えることができるので、リターンも小さくなりますが収益は安定することが見込まれます。

これが株オプションを使った投資のメリットです。

株オプションは日本では通称「かぶオプ」と呼ばれて、JPXがこれから力を入れて普及を目指している商品であり、今後日本でも取引高が増えていくでしょう。

一覧表による銀オプションの位置は金投資・銀投資の隣

では次に貴金属投資、金投資や銀投資にオプションを使うとどうなるかを見てみましょう。

結論は、株オプションで見たのと同様に、リスクとリターンのブレを抑えた投資を実現することができます。

この銀オプションは決して難しくなく、銀投資をする前にオプションを使うだけで収益を見込めるし、銀投資をしたいと思えば追加でリスクを取ることも無いので安心感があります。

しかも、この銀オプションは、前述の株(配当)にオプションを加えた取引と同程度のリスクとリターンのバランスになります。

貴金属投資は配当が出ないことで知られていますが、銀オプションを使った投資スタイルなら、まるで配当銘柄の株式投資と同じような収益の出方を実現できます。

ここで注目したいのは、金投資・銀投資のほうが株(配当)投資よりもリスクリターンが大きいのに、オプションを使うと同じようなレベルにまで引き下げられている点です。

オプションを使うと、ブレを抑える効果があります。

その結果、配当狙いの株式投資でも配当が出ない銀投資でも同じようなリスクリターンの度合いに調整することが可能となりました。

株(値上がり)銘柄でもオプションを使ってブレを下げられる

続いて株(値上がり)の投資スタイル、つまりキャピタルゲイン狙いの取引にオプションを使う方法を考えてみましょう。

下図のように、これまでの投資と同様にリスクリターンを下げた投資スタイルを実現できます。

キャピタルゲイン狙いの値上がり株の上昇益を狙って投資するスタイルはリスクも高いですが当たればリターンも大きいです。

そこでオプションを使うと、ブレを抑えることができます。

株(配当)の時に利用したオプションと全く同じ使い方ではありませんが、工夫することで値上がり株の収益を安定化させる手段としても使うことができます。

株(値上がり)だけのリスクリターンのバランスはこれまで見た商品の中では高いのですが、株+オプションにすることで、リスクリターンのバランスが株(配当)だけを取引したときと同程度にまで下げることができます。

つまりリスクを取って値上がり株の投資をするのに、配当狙いの投資のようにリスクを下げることができるのです。

もちろんリスクを下げているからリターンも少なくなっています。

でも、このブレを抑えることで収益を安定化させることができたら、リスクリターンを低くして投下資金を多くすれば収益はより安定することが期待できます。

FXや先物でもオプションでブレを下げるオプション

続いてFXや先物にオプションを使う事例です。

FXや先物取引はレバレッジを掛けて相場の上昇や下落を狙う手法なので、ハイリスクハイリターンと言われます。

そこでオプションを使うと、これまで同様にリスクとリターンを平準化することができます。

FXや先物は単体ではリスクとリターンが高いので、オプションを使うことでブレを抑えられます。

もともとのリスクリターンのブレ幅が大きいので、オプションを使っても株オプションのようなリスクを抑えた取引はできませんが、単体で行うよりもずっとリスクを抑えて取引することが可能です。

以上のように、投資商品にオプションを加えることで投資リターンのブレを抑えることが可能なのがオプションです。

イメージとしては、こちらの画像のように、それぞれの投資商品に対してオプションが存在して見守っているようなイメージです。

指数オプションのリスクリターンの度合いは最高レベル

これまでは株オプションを始めるとする、投資商品のブレを下げるオプション取引のリスクリターンのイメージについてお伝えしてきました。

では、上記の表で、指数オプションはどこに入るでしょうか。

一般の投資家が考える指数オプション単独での投資の場合は、一番難易度が高いと思われています。

私はFXよりも先物よりもリスクは低いと考えていますが、一般的には株よりも、FXよりも、先物よりも、リスクも高く難易度が高いのが指数オプション、というイメージが持たれていることでしょう。

「オプションは難しい」と言われるのは、この指数オプションを指して言われおり、前述した株式オプションが含まれていません。

さらに「オプション取引」と一言で言っても、指数オプションもあれば株オプションもあるので、一言で言い表せないほど投資スタイルやバリエーションが多彩であり、それが難しさを助長させているのかもしれません。

指数オプションにオプションを加えることで指数オプション単体のブレを下げる

これまで見たように、投資商品にオプションを加えることでブレを抑えることができました。

よって、この指数オプションにもオプションを追加することで、リスクとリターンのブレを抑えて有利に投資をすることも可能です。

そのイメージがこちらです。

指数オプションにオプションを加えることで、指数オプションのリスクリターンのレベルを下げることができます。

金投資・銀投資程度のレベルにまで下げたイメージです。

株(値上がり狙い)よりもリスクリターンが下がっています。

このようにオプションを使って自分自身で投資商品のリスクリターンのブレをコントロールできる商品、それがオプションです。

私がイメージしている、指数オプションが使い方によってFXや先物よりもリスクが低いと感じているのは、指数オプションにオプションを追加して取引することでリスクがFXや先物よりも低くできることを体感しているからです。

日経225オプション取引は指数オプション

日本で一番メジャーな日経225オプションは、指数オプションです。

指数オプションにオプションを加えて取引することをスプレッドトレード(組み合わせトレード)と呼びますので、このスプレッドトレードのバリエーションが多彩にあり採用している個人投資家が多いのも日経225オプションの特徴です。

日経225オプションは1000倍で設計されており、株式オプションは100倍で設計されています。

つまりレバレッジが株式オプションの10倍も高いため、非常にリスクとリターンが高い商品です。

リスクとリターンが非常に高いので、安易にオプションを売るのを避けたり、買うタイミングを狙って損失リスクを極力低減させる必要があります。

また、株オプションは満期通過しても全く問題ない戦略を採用しますが、日経225オプションの場合は高いレバレッジで取引するため、期中で反対売買して利食いや損切りをコントロールする必要があります。

だから、初心者には難しく感じて、どこまで学べばオプション取引を始められる自信がつくのか、頂上が見えないと思われがちです。

このようなイメージをされている方が多いのではないでしょうか。

指数オプションでも、一歩ずつ学べば難しいことはなく、体系的理解ができます。

実際にオプション取引の経験がある方は、必要だから指数オプションのギリシャ文字などの高度な知識を身に付けて、オプションのリスクをコントロールしています。

しかし初心者が最初に指数オプションの世界から知ると、通常の投資の世界と専門用語の数も相場に対するスタンスも全く異なるためたじろいでしまうかもしれません。

もし指数オプションはハードルが高いと思えば、株オプションから始めるというのも、正しくオプションを学ぶ近道です。

低リスクで始められる株オプションのセミナー

日本では日経225オプションからオプション取引を始めるのが一般的ですが、リスクを抑えてお試しでオプションを試したい場合は、株オプションがお勧めです。

前述の表にあるように、リスクが非常に小さく、また満期を通過させる取引なので株価に一喜一憂する必要もありません。

この株オプションですが、現在は日本の証券会社では光世証券とインタラクティブブローカー証券で取引することが可能です。

そこで7月27日(土)に光世証券で一般社団法人オプショントレード普及協会が無料のセミナーを行います。

詳細は光世証券Webサイト:https://www.kosei.co.jp/consult/info1907_semi.html

ETF1321のオプションは1枚単位で売買可能

セミナーで扱うETFは証券コード1321(日経225連動型上場投資信託)です。

このETFオプションがすでに上場されて取引できます。ETFオプションは上記で解説した株オプションと同類のリスクリターンのバランスと言えます。

日経平均株価と連動していてサイズが1枚から取引できるので、指数オプションの日経225オプションのような100倍でもなく、前述した株オプションの100倍単位でもなく、なんと1倍単位から始めることができる優れものです。

(※手数料のほうが大きくなる可能性はあります)

小さく練習をしてみるなら、光世証券のセミナーに参加して、ETFオプションから始めてみるのも良いかもしれません。

7月27日のセミナーの後はこのETF(証券コード1321)の流動性が活発になり、比較的狙った価格で約定できるようになるかもしれません。

実際のかぶオプの事例はかぶオプを使ってソニー株の利益を2倍にした取引手法で確認することができます。

 

この記事はいかがだったでしょうか。

もしオプション取引が難しそうに感じられた場合は、オプション取引の学習に役立つ、5つの取引条件を満たすオプション戦略とはをお読みください。

 

 

 

 

※当ブログは筆者の個人的な見解を示すものにすぎません。掲載しているデータの収集とその分析についても、筆者の個人的な視点に基づく分析であり、その有効性を保証するものではありません。解説においては、筆者の独自の視点で学習目的のために事例を簡略化している場合があるため、資料の中で紹介される事例は実際の相場とは異なる場合があります。取引事例についても、完全に再現しているものではなく、かつ、その有効性を担保するものではありません。また、本資料に含まれる記述や情報については十分精査しておりますが、その内容に関して筆者は一切責任を負いません。

※当ブログは過去の市場分析と戦略案を検討するものでありますが、取り上げている投資戦略についてはシミュレーション上のものであり、確実にそのような結果が出ることを示すものではありません。また、相場状況によっては損失が出ていた可能性も十分にあり得ます。当該シミュレーション結果が解説の中で説明した戦略の優位性や利益を保証するものではありません。よって、その内容を将来に当てはめて利益が出ることを保証するものではありません。投資手法の有効性などにつきましては、読者の皆様において十分に内容をご精査いただき、商品の特性、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分にご理解いただいたうえで、ご自身の投資判断と責任でお取引いただくようお願いします。

※株式取引(米国株式)、オプション取引(米国株オプション取引)においては、株式相場、為替相場の変動等によって損失が生じるおそれがあります。お取引に際しては、あらかじめお取引先の金融商品取引業者等より交付される契約締結前交付書面等を十分にお読みいただき、商品の性質、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分に御理解いただいたうえで、御自身の判断と責任でお取引いただきますようお願い申し上げます。
 

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