あなたは、危険だと言われるファーアウトオブザマネーのショートストラングルであっても、損切さえ入れておけば株やFXを変わらないから、強気でチャレンジできると思っていませんか?
特にFXを数年やってきた方には、万が一の強制決済があるので、自動で損切りしてくれるだろうと思っている方がいます。
ショートストラングル売買だけでもかなり出来上がった手法のように感じているようですが、オプションではコンドルのような損失限定のスプレッドを組む方が主流です。
このスプレッド取引のメリットというのはどのようなもので、単純な売りよりも良い点を知りたい(特にコンドルの長所短所を知りたいです)という質問をいただきました。
この記事では、主にコンドルの特徴を解説することで、スプレッド取引の重要性を解説していきます。
損切が完璧にできるならスプレッド取引は不要
損切りが約定ミスなく完璧にできるなら、損失限定ポジションは必要ありません。
なので、スキルさえあって相場を見れるなら、ただショートストラングルを売ってコツコツ利益を上げていっても問題ありません。
どうせ届かない権利行使価格なら・・・
ただ、ショートストラングルは「どうせ届かないでしょ」というバイアスがかかって、ロスカットラインを裁量で変えてしまうことが人間の欲として出てしまいます。
下図がコンドルを組成したときのリスクカーブの姿です。
図のように、最大損失は約30万円と固定されているので安心感があります。
日経225オプションの場合は追証方式でFXのように強制ロスカット方式ではないので、追証判定が出てから損失額を入金するように証券会社に言われます。
なぜ損失が限定されていないと怖いのかというと、場が動いていない土日や明け方やに大暴騰大暴落があると、気配が飛んでしまうこともあり満足に発注できなくなり、損切をコントロールできなくなってしまうからです。
日経225オプションもレバレッジがかかっている
もしかすると、FXに比べてレバレッジが少ないと思っている方もいるかもしれませんが、日経225オプションでもレバレッジがかかっています。
今の相場で考えると、最大損失額の2,800万円を証拠金として保有すればほぼ追証にはかかりません。
しかし大抵は200万円~300万円程度の資金から日経225オプションを始められてしまうので、日経225オプションもレバレッジが効いている商品です。
よく入門書にオプションの売りは損失無限大などと書かれています。
プットの売りは株価がゼロになったところが壁となり損失無限大にならない場合が多いのですが、その場合は証拠金取引ではなく、オプション1枚当たり1000倍なので、日経平均先物価格が3万円だとすれ3万円×1000倍=3千万円ほどを売るというイメージで、通常は証拠金取引でわずか200万円ほどで取引できてしまいますが、リスクを抑えようとしたら3千万円程度の用意が必要となります。
そんな金額を持ち合わせていない方でも、SPAN証拠金のおかげで200万円ほどでレバレッジを掛けて取引できてしまうので、たいていの方はそれほどの額を用意しません。
ショートストラングルよりコンドルの方が安全
このような背景から損失限定のコンドルの方が利益になりやすく、ショートストラドルよりも安全だと言われています。
リスクを自身のロスカットで回避できるならスプレッドを組む必要は無いのですが、だいたいの人はそのリスクを100%回避はできないので、スプレッド取引をします。
参考までに、リスクを引き受けているショートストラングルのリスクカーブを紹介します。
リスクとリターンは比例する
ショートストラドルは原資産の値動きに機敏に反応するため損失のリカバリーもできる可能性はありますが、コンドルは値動きが緩やかで、損失になったら取り戻すことが難しいです。
その代わり勝率は高い。
なお、コンドルについては、長所は損失限定、短所は買いヘッジ分が利益を圧縮するタイプです。
損失限定のポジションは、最大損失まで待たずに損切りしても良いわけだから、最初からスプレッドを組んでおいた方が間違いないでしょう。
コンドルは建てた時の価格は-C29125@38円+C28750@92円+P26750@130円-P26375@86円で合計-98円と最大利益は固定です。
また、その損失額は権利行使価格の幅375円に対して受け取りが98円あるので、損失額は375-98=277円です。
最大損失が固定されているので、証拠金はこの金額をカバーできれば問題ありません。
計算で出ない(無限のリスクがある)ポジションを評価するのにSPAN証拠金で計算しているのがショートストラングルになります。
ショートストラングルの方が、大きな利益を狙えますが、その代わり損失が無限大のリスクカーブとなっているので証拠金を多くしておかなければいけないことに注意が必要です。
この記事を読まれた方は、ロングコンドルを低コストで組めるweeklyオプションの威力を参考にしてください。