あなたはweeklyオプションは流動性が乏しくて全然約定できない、と思っていませんか?
今日のザラ場中の板がこちら。
日経平均株価が22169円で引けた直後のP21750の板の様子です。32円売り気配、30円買い気配です。
昔を知っているオプショントレーダーからすれば、非常に流動性が高まっていると感じませんか?
去年大阪で行った北浜投資塾特別対面セミナーでは、プット買い戦略でweeklyオプションを使うメリットは買い玉の単価が安くなる点を挙げました。
安く仕込めることについてはJPXでも公式に取り上げています。
今回の記事では、安く仕込める以外のメリットについてお伝えします。
weeklyオプションよりもmonthlyオプションのほうがチャンスが多い?
今回の記事では、読者さんからいただいたweeklyオプションのメリットに関する質問についてお答えします。
プットの買い戦略についてなんですが、weeklyオプションを使うことの意味はコストが安くつくこと以外に何か利点があるのでしょうか?
いつ日経平均が暴落するか分からないという意味では、monthlyの方がチャンスがあるように思えるのですが・・・
確かに、長い期間プット買い戦略を取り続けられるという点においては、monthlyオプションを長期間保有していたほうが、チャンスの期間が長いとも言えます。
しかし、monthlyオプションで何も動かない期間がずっと続くと、取得単価が大きいため失う額も大きくなる可能性があります。
weeklyオプションのメリットは「日経平均株価に動きに反応しやすい」
オプションは満期直前のほうが、日経平均株価の値動きに対してダイレクトに損益が出やすいです。先物に近い値動きになってくると言われます。
オプションの性質で、満期を迎えると先物と同じ損益曲線を描きます。
よって、満期に出来るだけ近いオプションのほうが、日経平均株価の変動に敏感に反応します。
だからweeklyオプションを使うといつの時点で購入しても満期が近く、相場変動による影響を受けやすいので、
・安いオプションで
・相場変動を受けやすい
の2点がweeklyオプションにメリットがあると言われています。
P21750以外の銘柄でも流動性は高まってきている
冒頭ではP21750の板を掲載しましたので、同時間帯の他の銘柄も紹介します。
こちらはP21875の板の様子です。
アットザマネーに近いP22000の板です。
100円以下のプレミアムなので1円刻みで値段が付くのですが、売り気配80円に対して買い気配75円ですので、こちらは若干板が飛んでいるようです。
monthlyオプションも最後の1週間はweeklyオプション
weeklyオプションだから反応が大きいというよりも、満期まで残存日数が短いオプションが反応が大きいだけです。
よって、monthlyオプションでも、雇用統計から1週間後はweeklyオプションと同じです。
一方でweeklyオプションは満期まで日数が少ないオプションが毎週あるので、monthlyオプションよりもチャンスが多い、というわけです。
いつ吹くかわからないので長期間買っておきたい場合はmonthlyのほうが長期間をカバーするからいいと思えるかもしれません。
でも、例えばmonthlyオプションの前の月のSQ直後に相場が吹いても、このオプションは満期まで時間があるので変動が緩やかになってしまうため、思ったように利益が伸びないことがあります。
さらに満期まで時間があるオプションは購入単価が高いため、割高感があります。
割高なものを買って、相場変動にダイレクトに影響を受けない銘柄を買わないといけないのがmonthlyオプションです。
monthlyオプションは残存日数が多く満期まで時間が残っている時は反応が鈍く、残存日数が少なく満期まで時間が残っていない時には反応が敏感になりますので、エントリーするタイミングによって反応が鈍かったり反応が敏感だったりと一定ではありません。
だから
「今は千載一遇のチャンスだ!しかし先週末に満期の第2金曜日を超えたばっかりだから反応しにくいオプションしか買えない」
という事態が起こります。
このジレンマを解消するのが、weeklyオプションです。
weeklyオプションでも長期保有は可能
weeklyオプションと言っても、ただ満期が毎週金曜日に設定されているオプションで、monthlyオプションと性質が変わるわけではありません。
また、満期の1か月前から取引可能なので、weeklyオプションであってもmonthlyオプションと同様に1か月前から取引して保有し続けることもできます。
ただ、weeklyオプションの特徴は満期が1週間ごとに訪れるため、大半が期近のオプションに集中して満期まで1週間を切ったものがより取引される傾向にあります。
日経平均株価の変動に反応すかどうか=ガンマの影響
この「満期まで期間があると日経平均株価の変動に反応しにくい」現象は、オプション特有の性質である、ギリシャ文字のガンマの影響です。
満期まで時間があるとガンマが小さく、相場変動に対してデルタが変わりにくいので、weeklyオプションより反応しにくい、というのが本質です。
デルタ自体はアットザマネーなら満期直前でも1か月までも0.5と決まっていますので、原資産による一時反応は両社とも一緒ですが、そのまま続伸した際にデルタがより変化しやすいのが、満期直前のオプションです。
この性質はオプション投資家養成塾の第3章以降で学べます。
このオプションのギリシャ文字の性質を理解できると、ガンマの影響と対になるセータによる減価の影響を把握することができます。
相場変動を極力ダイレクトにオプション価値の増加へつなげたいなら、weeklyオプションのほうが吹く可能性は高いです。
レバレッジが掛かっているというか、満期まで長いオプションは時間が経ってもあまり減価しないけど相場があれた時にも利益が少ない。
満期直前のオプションはSQ過ぎたら無価値になる可能性があるので減価量は非常に大きいけど絶対額が小さければ安く見える。
そして相場が荒れたら利益が大きく見込める。
このどちらを取るか、という選択であることがわかります。
まとめ
weeklyオプションは流動性が以前よりもだいぶ改善してきました。
今では少し待てば約定することも難なくできます。
weeklyオプションの特徴は満期が毎週あることですが、1か月前からでも取引ができるので、monthlyオプションの毎週満期ものが登場したと考えられます。
weeklyオプションのメリットは、満期まで日数が短いことで取得単価が安いことと、日経平均の値動きに合わせてダイレクトに損益が反映されやすい点にあります。
このダイレクトに損益が反映されやすい点が、オプション取引で学ぶギリシャ文字のガンマの影響です。
このギリシャ文字の影響を理解することができれば、今のタイミングはmonthlyオプションを使えばいいのかweeklyオプションを使えばいいのか見分けることもできるようようになるかもしれません。
また、流動性が高まればロングコンドルを低コストで組めるweeklyオプションの威力を発揮できるかもしれませんね。