アメリカ株が「かぶオプ」に適している2つの理由

投稿者名:金森 雅人

アメリカ株市場は、株オプション(かぶオプ)を取引するのに非常に適した市場です。

日本でも今後かぶオプが普及していくことが考えられますが、まだまだ流動性が低いのが現状です。

2,3年後には流動性が高まる可能性がありそうなので、気長な投資家はそこまで待てば、日本でもかぶオプの取引を行えるでしょう。

気長に待つのもいいですが、もしかぶオプの魅力を感じたら、とっとと流動性が高い市場で取引したくありませんか?

流動性が高い市場がアメリカ株市場です。

この記事では、なぜアメリカ株市場が株オプに適しているのか、2つの特徴を説明します。

(1)かぶオプの取引を今すぐできるほどオプションの流動性が高いから

日経225オプションとアメリカの一企業、iphoneなどでおなじみのApple社のオプション取引枚数を比較してみます。

 

片方は日本を代表する指数オプション、日本で現在流動性が高く個人投資家でも取引できる銘柄です。

もう一方は、4000銘柄以上あるアメリカ株の中の一企業、Apple社です。

 

あなたに質問です。

下の(A)と(B)は、それぞれ日経225オプションとApple社の流動性のどちらを示していると思いますか?

表の見方 (A) (B)

1日当たりの枚数
〇:50万以上
◎:100万以上

※引用:180.co.jpより抜粋

Apple社1企業のほうが日経225オプションより流動性が高い

答えは、(A)=日経225オプション (B)=アップルです。

このように、アメリカの1企業のかぶオプの取引枚数が、日経225オプション全体の取引枚数を上回っています。

アメリカの企業は3000社も4000社もあります。

もちろんAppleだけじゃなく、有名な企業としてジョンソンアンドジョンソンやコカ・コーラ、マイクロソフトなど、たくさんの有名企業があります。

その1企業ごとにかぶオプの取引があり、しかも日経225オプションより流動性が高い銘柄がたくさんあります。

このことから、全体のかぶオプのボリュームが日本の市場の比じゃないことがおわかりでしょうか。

流動性が高いとスプレッド取引もやりやすい

スプレッド取引とは、オプションの買いポジションと売りポジションを組み合わせた戦略です。

デビットスプレッドやクレジットスプレッドが有名です。

このような組み合わせのコンビネーション取引は、日本の市場では1枚ずつ発注していくしかありませんが、アメリカの市場ではスプレッド注文ができます。

2銘柄同時約定を保証してくるのです。

よって片方だけ約定してもう片方が約定しないという、方掛けの心配がありません。

2銘柄同時に約定するか、全く約定しないかの2択ですので、取引するにも安心感があります。

また、アメリカのオプションは流動性が高く権利行使価格の幅が小さいです。

わずか1ドル幅でスプレッド取引ができる銘柄もありますので、デビットスプレッドの場合は勝つ時0.5ドル、負ける時0.5ドルという戦い方もできます。

勝つ時5000円、負ける時5000円です。

日経225オプションの場合はデビットスプレッドで勝つ時6.5万円、負ける時6.5万円のイメージなので、非常に小ロットから取引することが可能です。

日本でもかぶオプの流動性が高まればスプレッド売買もできるようになると思いますが、現状の流動性では勝つ時5000円、負ける時5000円の戦いを実現して、さらに反対売買で決済することは非常に難しいです。

(2)株価が長期的に見て右肩上がりだから

日本の指数、日経平均株価とアメリカの指数NYダウ平均を30年で比べてみます。

同じように質問ですが、(a)と(b)は、それぞれ日経平均とNY平均のどちらでしょうか?

(a)は1989年をピークに一度下落して、2019年にかけてようやく上向きかけているように見えます。

(b)はほとんど右肩上がりで、2008年に下落はあったものの、最高値を更新しているように見えます。

(a) (b)

正解はこちら。

日経平均の30年 NYダウ平均の30年

(a)の日経平均株価は、1980年に比べてピークで5.5倍になっていますが、その後落ち込んで現在は約3倍の成長です。

一方で(b)NYダウ平均は1980年ト比べると28倍上昇して、先日も史上最高値を更新しましたよね。

2008年のリーマンショックは大きな下落だと言われていますが、長期的にみると2013年には下落幅を取り返しています。

 

過去の事例ですが、30年という長期的なスパンで見た場合には、資産運用で株を保有する場合、日本株よりもアメリカ株を持ち続けたほうが上昇する傾向があると言えそうです。

かぶオプは 株が主 オプションが従

かぶオプで受け渡された株が長期目線で上昇してくれたほうが、利益を確定しやすいです。

もっとも株オプに限らず、株は長期的に上昇してくたほうが保有していても安心ですし、利益になりやすいでしょう。

我々日本人としては日本の経済が強くなれば日経平均株価も上昇するので、できれば右肩上がりで推移してほしいと願っている人が多いでしょうが、現実は過去30年間を見るとNYダウに及んでいないのが現実です。

特に2019年10月からは消費税の増税が待ち構えていて、アナリストの予想も今後は株価の上昇よりも停滞を示唆する人が増えてきているようです。

かぶオプは、
かぶ が 主
オプ が 従
です。
主がしっかりとしていれば、従の商品でちょっと失敗しても、挽回しくれる安心感がありますし、主も利益をだして従も利益を出せば、ダブルで利益を出すことも可能です。

・株が長期的に見て右肩上がりだから、かぶオプで株に変わっても安心して保有できる

・そしてかぶオプの流動性が多く取引しやすい

この2つの要素があるから、アメリカ株にかぶオプが向いています。

もし日本市場も、今後株が右肩上がりで、かぶオプの流動性が高まれば、アメリカ市場に行かずとも日本でできます。

でも、日本でできない投資を今すぐにしたい場合には、アメリカが好きとか嫌いとかではなく、日本でできない投資ができる環境が整備されているのがたまたまアメリカ市場だった、ということでアメリカ株市場に参入するのでも面白いのではないでしょうか。

具体的アメリカ株オプションの使い方としてアメリカ株オプションがカバードコールを実践するのに向いている理由とはを書いていますので参考にしてください。

 

 

 

 

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