初心者向けの戦略ターゲットバイイングの稼ぎ方3ステップ

投稿者名:金森 雅人

以前に当協会のメルマガでアンケートを取った結果、オプション取引の一歩を踏み出せない理由は

「どの戦略から始めていいかわからない(全体の46.7%)」
「利益が出るメカニズムをちゃんと理解していない(全体の36%)」

この二つがダントツで票を集めていました。

オプションは多彩な戦略があり、要求される知識も千差万別です。

利益が出るメカニズムをちゃんと理解していないのは、やろうと思う戦略を絞れていないからです。

戦略を絞れば最低限の知識を得ればいいのに、オールラウンドで100%目指して理解しようとするから、なかなか取引を始められずに困っているのではないでしょうか。

どの戦略が初心者向けで、単純な戦略なのかを知れば、スムーズに取引を開始できます。

その戦略とはターゲットバイイング戦略です。

ターゲットバイイング戦略のポイント3つを抑えることであなたもオプション取引を始めることができます。

これは単に「知っているか、知らないか」だけなので知識を付ければ、利益が出るメカニズムもすっきりと理解できます。

1つずつ悩みを解消していけば、あなたもすぐにオプション取引をできるようになるでしょう。

初心者向けの戦略はターゲットバイイング

じゃあ初心者向けの単純な戦略は何か。それが今回説明しているターゲットバイイングです。

このターゲットバイイングの使い方を知ることができれば、オプションを始められない理由として挙がってる

「どの戦略から始めていいかわからない(全体の46.7%)」
「利益が出るメカニズムをちゃんと理解していない(全体の36%)」

この2つの課題を解決できます。

そこで今回はターゲットバイイングの具体的な稼ぎ方をお伝えします。

ターゲットバイイングの具体的な稼ぎ方3ステップ

ステップ1.オプション取引できる米国株の銘柄を選ぶ

ステップ2.プット銘柄を選ぶ

ステップ3.プットを売る

以上です。

これでターゲットバイイングの完成です。

単純だと思いませんか?

少しだけ補足すると、ここで扱うプット売りの効果は「この価格まで株価が下がったら必ず購入しますよ」という約束を相手と結ぶことです。

約束をすることで相手から契約金(権利金)をもらう行為がプット売りです。

株が下がったら購入する手段としては、指値の買い注文が代表的で「この価格まで下がってきたら買います」と市場に宣言する行為です。

その指値注文を1年くらい先の満期のものを選んで「必ず満期時に購入します」と宣言すれば契約金が入る仕組み。それがオプション売りです。

指値ではお金はもらえませんが、プット売りなら契約金をもらえます。これが利益です。

プット売りの最大損失は株価0円

この契約の最大損失はいくらだと思いますか?

答えは株価が0円のときです。

最も起きたくない現象ですが、株の最大損失がプット売りの最大損失額です。

ここが重要な点です。

プット売りをしても株価は0円以下にはならなければ、最大損失は株式の下落分だけで損失限定です。

これが個別株オプションの特徴です。

よく聞く方もいらっしゃるでしょうが「プット売りは怖い」というのは指数オプション、日経225オプションの話です。

日経225オプションを今プット売りすると、最大損失は3万円×1000倍=3千万円です。

もしあなたが3千万円用意して、最大損失を有限に抑えるのであれば、このようにフルキャッシュ用意していてプットを1枚だけ売っている状態なので問題ありません。

ですがたいていの投資家はプットを1枚売るのに3千万円も用意せずにプット売りをしてしまうので、最大損失以上の資金を確保していないため「プット売りは怖い」といわれるのです。

株オプションでは株価0円が損失限定です。

それが分かれば、安心してプット売りができると思いませんか?

例えば米国株が50ドルのオプションを扱う場合には、50ドル×100倍×為替110円=550,000円用意すれば足ります。

プットオプションが株に変わっても含み損

しかも、プットオプションが株に変わったあとは含み損ですが確定損はまだありません。

そのまま保有し続けて株価上昇を待つことができます。
オプションは満期がありますが、株式には満期がないので、株価上昇をじっくり待つ「塩漬け」です。

「塩漬け」株は実現損じゃなくて含み損なのでまだ負けたわけじゃありません。

であれば、ずっと塩漬けしている期間は負けが確定しないので何年かかるかわかりませんが株価が元の水準に戻れば「勝ち」です。

倒産しない銘柄を選べば勝率ほぼ100%も狙える戦いだと思いませんか?
(やっていることは株式投資家と同じ「塩漬け」です)

最大利益は契約金に限定される

その代わり最大利益はどうなるかというと、貰った契約金が最大利益です。

もし選んだ株が暴騰しても、契約金までしかもらえません。

こんな契約はどうでしょうか。やってみたいと思いませんか?

損失限定で戦えるターゲットバイイング。

それが今、日本にいながらアメリカの株を使ってできます。

サクソバンク証券かIB証券に口座を開けば、米国株オプションを使って株オプションのターゲットバイイングをすることができます。

ルールを覚えて適切なリスクで戦う必要がある

ただ、ルールはきちんと学ぶことが大切です。

あやふやな知識で臨んだら失敗する可能性もあります。

ターゲットバイイングの欠かせないポイントを端的に解説すると冒頭で説明した

ステップ1.オプション取引できる銘柄を選ぶ
ステップ2.プット銘柄を選ぶ
ステップ3.プットを売る

これをしっかりと守ってプット売りを仕掛ければよいのです。

この情報だけで行動するのは不安だという方のために絶対に抑えておかなければいけないポイントは他にもあり、その内容を以前セミナーで講義しました。

例えば、
どんな企業でターゲットバイイングをやるのがよいのか?
この戦略で気を付けることはどのような点か。
考え方と稼ぎ方の具体的方法。
など。

セミナーで扱った銘柄は年利換算すると

AAPL株で年利8.8%

BSX株で年利9%

このように年利計算ができます。

インカムゲイン的な投資でこんな利回りが出るなんて信じられないと思いませんか?

ただ、結果は保証できませんし、タイミングによってはこれほどの利回りは出ないこともあります。

ですが勝てる可能性が高い戦い方がターゲットバイイングです。

あなたがもし下記のようなことを望んでいるなら、このターゲットバイイングは有効な手段の一つとなるでしょう。

「相場で一喜一憂したくない」
「月に数回の取引だけがいい」
「相場を気にしたくない」
「画面に張り付いたトレードはやりたくない」

このような投資を期待されている方には最適な戦略です。

具体的事例:ADM社のターゲットバイイング

ADMという企業はご存じでしょうか。

ADM=アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド
脂肪種子、トウモロコシ、小麦、カカオやその他飼料の加工に加え、植物油、飼料用タンパク質食品、コーンシロップ、小麦粉、バイオディーゼル、エタノール、飼料の製造に従事。
大麦などの農産物の調達、貯蔵、洗浄、輸送用の穀物倉庫と輸送ネットワークを展開するほか、南米では肥料製品を販売する。
yahoofinanceより引用)

私はターゲットバイイング戦略で取引しました。

8月28日にP44を売りました。

ターゲットバイイングはプット売りです。

「満期に44ドル以下になったら、必ず買いますよ」

という契約を結んでプション料を受け取るのがプット売りです。

この時オプション価格は1.35ドルでした。

44ドルを手元に置いておきながら、「44以下なら必ず買います」と約束して、このプットを売って1.35ドル受け取ります。

満期は10月にしました。

結果は、10月の満期には49.2ドルで終わりましたので、オプションはめでたく紙くずとなって何も起きません。

オプション料が丸々利益です。

1ドル100円として日本円に換算すると44万円を用意して1万3500円のオプション料を手にしたことになります。

1.35/44=約3%の利益です。

8月から10月までの約2か月間で利回り3%のリターンとなりました。

 

2か月で3%でコツコツとオプション料をもらっていく作戦です。

今のチャートを見ると、だいぶ株価が上昇しているので、株を持っておけばよかった、と思うのですが、そればかりは後で振り返ってみれば、という「たら、れば」の話なので、そこは諦めましょう。

ポジションを保有した8月28日には、将来どうなるかわからない(=どうなってもいい気持ちで)オプションを売っているので。

これだったら、単純ですよね?

今回は44ドル付近にいたからP44を売りましたが、ヨコヨコで値動きがなくなっても安心できるようにP43やP42を売っていても良かったかもしれません。

まあ、この感想も「たら、れば」にすぎないので、8月28日は出来なかった判断です。

ターゲットバイイングで悩むのはポジションを建てる時だけ

このように、考える(悩む)のは8月28日のポジションを持つときです。

結果が分かるのは2か月先の10月。

2か月先はどうなるかわからないけど、大暴落さえなければ安泰の取引です。

もし大暴落した場合でも株を塩漬けにして戻ってくるのを待つだけなので、考える必要はありません。

考えるのはポジションを持つときだけ。

満期は選べます。2週間先でも、1か月先でも、1年先でも選べます。

よくある質問で

「オプションは満期まで反対売買できないんですか?」

という問い合わせがありますが、オプションは途中で決済もできます。

今回は10月の満期まで保有しましたが、売ったプットの値段が下がって自分にとって含み益が出たところで、反対売買して決済してもOKです。

ただしポジションを建てる1回の取引だけでしたが、反対売買すると2回取引する必要があります。

ポジションを建てる時の1回だけのほうが途中で利食いしようかどうしようか悩まずに済むので、楽です。

取引が2回になっても苦にならないのであれば、利益が出たところで反対売買するでもOKです。

こうやってコツコツと利益を積み重ねていくのがターゲットバイイング戦略です。

また、「自己資金はどのくらい必要ですか?」という質問もいただきますが、今回の取引に関しては50万円あれば組めた戦略です。

株価が高いと必要な資金量も増えますが、私の手掛けた銘柄に関しては最大損失が44万円だけで済みます。

よって50万円あれば組めることができます。

RTXのターゲットバイイングで利益を取った方法

次の事例として、ターゲットバイイングを使って、RTXの株オプションを1枚売り、満期まで価格が下落しなかったので9日後に160ドルを手に入れることができました。

引用:Yahooficance

このような企業です。

私がポジションを建てた時の株価チャートは下記のようになっていました。

赤線で書いてある5月12日の株価は82.3ドルでした。

この時にプットオプションを売るターゲットバイイング戦略として5月21日満期で権利行使価格が84ドルのプットを1.6ドルで売りました。

米国株オプションの場合はすべて100倍にするので160ドルで売ったことになります。

その結果は5月21日の満期には85.81ドルだったので、私が持っていたプットオプションは権利消滅となり、手元に160ドルが残っています。

83ドル×100=8,300ドルの資金を使って160ドルを得られたので1.9%の利益率でした。

失敗してもカバードコールが待っている

もしターゲットバイイングに失敗して株オプションが現物株に変わっても、困りません。

株オプションが現物株になったら、コールを売ればいいからです。

現物株を保有してコールを売ることを「カバードコール」と呼びます。

もし現物株に変わったらカバードコールをすることで、上昇益を取ることは出来ませんが、負けない投資を実現できる可能性が高まります。

世界三大利殖の一つ「プット売り」

このターゲットバイイングは、オプション売りを使います。

あなたは世界三大利殖という言葉を聞いたことがありますでしょうか。

世界三大利殖の中で18%も稼げるオプション売りで説明している通り、

・さやとり
・さやすべりとり
・オプション売り

の3つが世界三大利殖で、今回のターゲットバイイングは、世界三大利殖の1つにである オプション売り をします。

扱うのはプット売りです。

プット売りを損失限定で使う戦略がターゲットバイイングです。

オプションを少しでも知っていれば、オプションの売り(しかもプット売り)は危ないと言われます。

それは上記のように最大損失を把握できていないからです。

当協会で作成しているターゲットバイイングについての無料動画講座もあります。

この動画ではMMM(スリーエム)を年換算14.8%の利益が出た例と、JNJ(ジョンソンアンドジョンソン)で7.8%利益を出した事例を紹介しています。

さらにジョンソンアンドジョンソンについては、一度利食いした後に、さらに2回転目ではどのようなスタンスで臨めば利益が最大化となるのか、あるいはリスクを抑えた運用ができるのかを解説しています。

さらにはスリーエムについてはカバードコールについても触れているので、ぜひご覧ください。

まとめ

未経験者さんの中でオプションを始められない理由は下記2つあります。

「どの戦略から始めていいかわからない(全体の46.7%)」
「利益が出るメカニズムをちゃんと理解していない(全体の36%)」

この2つを解消するのには、米国株オプションを使ったターゲットバイイングが有効です。

ターゲットバイイングのやり方さえ覚えれば、利益が出るメカニズムを理解できて、始める戦略もターゲットバイイング1本に絞れるからです。

ターゲットバイイングの具体的な稼ぎ方3ステップは

ステップ1.オプション取引できる米国株の銘柄を選ぶ
ステップ2.プット銘柄を選ぶ
ステップ3.プットを売る

これだけです。

株オプションなら株の最大損失がプット売りの最大損失額になっているので、破綻するリスクは極めて小さいです。

一方の日経225オプション(指数オプション)は最大損失が3千万円と規模が大きくなるため、安易なプット売りは危険です。

世界三大利殖の中で18%も稼げるオプション売り、ぜひこの個別株のプット売り戦略を覚えておきましょう。

 

 

 

 

 

※当ブログは筆者の個人的な見解を示すものにすぎません。掲載しているデータの収集とその分析についても、筆者の個人的な視点に基づく分析であり、その有効性を保証するものではありません。解説においては、筆者の独自の視点で学習目的のために事例を簡略化している場合があるため、資料の中で紹介される事例は実際の相場とは異なる場合があります。取引事例についても、完全に再現しているものではなく、かつ、その有効性を担保するものではありません。また、本資料に含まれる記述や情報については十分精査しておりますが、その内容に関して筆者は一切責任を負いません。

※当ブログは過去の市場分析と戦略案を検討するものでありますが、取り上げている投資戦略についてはシミュレーション上のものであり、確実にそのような結果が出ることを示すものではありません。また、相場状況によっては損失が出ていた可能性も十分にあり得ます。当該シミュレーション結果が解説の中で説明した戦略の優位性や利益を保証するものではありません。よって、その内容を将来に当てはめて利益が出ることを保証するものではありません。投資手法の有効性などにつきましては、読者の皆様において十分に内容をご精査いただき、商品の特性、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分にご理解いただいたうえで、ご自身の投資判断と責任でお取引いただくようお願いします。

※株式取引(米国株式)、オプション取引(米国株オプション取引)においては、株式相場、為替相場の変動等によって損失が生じるおそれがあります。お取引に際しては、あらかじめお取引先の金融商品取引業者等より交付される契約締結前交付書面等を十分にお読みいただき、商品の性質、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分に御理解いただいたうえで、御自身の判断と責任でお取引いただきますようお願い申し上げます。
 

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