カバードコールで2週間で2%を出せるオプション取引とは

投稿者名:金森 雅人

オプションとは、株の売買に使うツールにすぎません。

どんな使い方をするか、どこまで機能性を追求するかで、オプションの学び方が変わります。

多くの初心者さんが最初に抱く悩みは、

「オプションのどの戦略から始めていいかわからない」
「利益が出るメカニズムをちゃんと理解していない」

この2つです。

初心者こそ「カバードコール」

実はこの2つの悩みは、過去にメルマガでオプション取引についてアンケートを取った際に最も多かった意見です。

では、初心者はどの戦略から始めたらいいのか。それは米国株+「カバードコール」です。

これがもっとも初心者に向いています。

なぜ初心者に向いているかというと、カバードコールをしてもリスクが増えないからです。

現物株を買うだけよりも「米国株+カバードコール」のほうが低リスクだからです。

 

カバードコールとは、「コールオプションを売る」行為のことです。

米国現物株をもってコールオプションを売っても、リスクが増えない戦略。

 

実際に取引を再現してみて、どんな使い方ができるのかを体験してみればすぐにわかる戦略なので、実際の体験をすれば、腑に落ちた理解を得られます。

まずは「現物株持ったらカバードコール」これだけは覚えてください。

「カバードコール」とは、米国株を保有してその株のコールオプションを売る戦略のことです。

ただし日本の証券会社ではほとんど株オプションの流動性がないため、扱うのは米国株オプションです。

オプション売りというと結構難易度が高く危険な戦略だと思われがちですが、全くそのようなことはありません。

アメリカの証券会社ではカバードコールが最もリスクの低い、低難易度のオプション戦略として紹介されています。

単なるオプション買いよりも、レベルが低く位置づけられています。

普通はリスクを高めてリターンを狙うところ、このカバードコールの場合はコールを売っても現物株以上のリスクが増えません。

逆にリスクが低くなります。

 

カバードコールは何をやっているかというと、株の値上がり益を放棄するだけ。

それ以外に悪いことが一つもないからです。

 

株式投資のリスクとは、下落リスクや上昇リスクなどをひっくるめて「将来の価格変動のブレ」を指します。

そこでカバードコールは、上昇サイドへの「ブレ」を抑えるためにコールを売ります。

そして売ったコールのオプション料を受け取ります。

株を普通に買っている人は上値は無制限に上昇する可能性があると考えるのが普通ですが、カバードコールを使うと上値が青天井ではなく、売ったコールの位置までしか上がりません。

それ以上の上昇益を放棄したから、そのリスク低減と引き換えにコールのオプション料がやってきます。

これがカバードコールの骨子です。

コカ・コーラ株の事例

事例を紹介します。

例えばコカ・コーラ社の株を50ドルで買っていたとします。

アメリカのオプションの単位は100倍なので、50ドル×100×為替≒50万円の投資です。

ここでコールオプションを「50ドル以上になったら手放します」と宣言するコール売りをして、その時に手にできオプション料を受けとります。

これでカバードコールの完成です。

 

A.<株が50ドルを超えたら>

もし株が50ドルよりも上昇したら、あなたは持っている株を50ドルで売らないといけません。

これがオプションの機能です。

あなたは上昇益を取れないことになりますが、カバードコールで実行したコール売りのオプション料は手元に入ってきていますので、50ドルで株価売却+オプション料です。

株は50ドルで売るつもりだったから、カバードコールをしてオプション料をもらえてちょっとお得になります。

 

B.<株が50ドル以下になったら>

50ドル以下になったら、米国株を持ったままでコールの権利が消滅します。

株価が50ドル以下になると株の含み損です。

でもカバードコールの売ったコールオプションが消滅するので、オプション料は利益として確定します。

 

このように、上値は限定的になるのでコール売りで株価上昇の変動リスクが下がります。

もし株価が下落しても、コール売りのオプション料はもらっているので、裸で株を保有していた時よりもコールのオプション料の分だけプラスになります。

だからリスクが下がります。

米国株が上がっても下がっても、リスクが小さくなります。

だから、証券会社のオプションレベルの評価はカバードコールがLv1やLv0と最も低いのです。

カバードコールはなぜリスクが増えないのか

なので初心者さんはカバードコールを学ぶと良いと思います。

「そんな都合のいいことがあるの?」に対してちょっとだけ解説します。

なぜカバードコールはリスクが増えないのか?

まず、株のリスクは引き受けていることが前提です。

株式投資のリスクは

・持っている株が値上がりすれば上昇益をもらえます。

・逆に持っている株が値下がりすれば、含み損です。

極論すればこの2つが株式投資のリスクです。

 

では、カバードコールをするとどうなるのか?カバードコールで現物株を持ったまま株オプションを売ると

1)持っている株が思ったより値上がりしたら、株の上昇益は無くオプション料をゲット

2)持っている株がそこそこ値上がりしたら、株の利益+オプション料をゲット

3)持っている株がほとんど値動きが無ければ、オプション料をゲット。

4)持っている株が値下がりしたら、含み損だけどオプション料はゲット。

 

このように、どの選択肢になってもカバードコールで売ったオプションの金額が自分のポケットに入ってきます。

悔しいのは「株が思ったより値上がりしたら」の1点です。

これは予想よりも株価が上昇し、大勝ちし損ねた、というだけです。

もしそこまでの上昇益を狙っていなければ、そこそこの上昇益をもらってコールオプションの売りで入る利益をもらえばいいかと思えるのではないでしょうか。

 

こうやって自分のリスク許容度に対して調整できるのがオプションの特徴です。

上昇益を諦めるということは、いつ起きるかわからない急騰をじっくり待つのをやめるということです。

リスクが下がるということです。

夢を見るんじゃなくて、現実を見てコツコツ稼ぐ。こんな心境じゃないでしょうか。

 

だから、コールを売ってお金をもらえば、株式投資の株保有者よりもリスクは低くてこっちをやったほうがブレが少なくできるようになります。

 

個別株が値上がりするかどうかわかれば苦労しません。

でも、もし値上がりしなくてもちょっとだけは資金回収できる仕組み。それがカバードコールです。

 

なかなか、言葉では伝えるのが難しいし、読む側もイメージが湧かないかもしれません。

文字だけではなく、動画でも学んでもらおうと模索する中で、最近は「対面でワークして学んでもらう」企画も開催しています。

オプション入門者に最適な有料コンテンツである「米国株オプション入門講座」でも、コインや株券を使って実際に手に取って体験できる教材もあります。

このワークセミナーはとても好評で、理解度UPにかなり貢献しています。

知識の入り口で腑に落ちて理解できれば、オプションは難しいものじゃないってことが理解できる教材です。

2週間で2%見込めるコカ・コーラ株のカバードコールの実際

昨日はカバードコールの概要についてお伝えしましたが、今日は具体的な銘柄でお伝えしようと思います。

95%以上の人は、

・値上がりして売却する値上がり益
・配当金

この2つしか利益を出す方法を知りませんが、カバードコールなら、値上がり益でも配当でもない、インカムゲインの出し方を作ることができます。

もはや知っているか知らないかの世界で、知っていたら投資の利回りが増えるという単純な内容です。

例えばコカ・コーラ株を買ったことをイメージしてください。

50ドルとして、100株で5,000ドル投資しました。約50万円です。

値上がりしたら利益が出ます。逆に値下がりしたら含み損です。

また、配当は、決められた日に株を持っていたら株主に支払われる仕組みなので、期日まで持っていないといけません。

そこで、株価が50ドルから変動が無く、しかも配当が支払われる日までがずっと先だとしたら、利益を出せる手段は他にあるのでしょうか?

それが、あります。持っているコカ・コーラ株を50ドルで売ればいいんです。

 

「ちょっと待って下さい。50ドルで買った株を50ドルで売ったら、値上がり益も配当も何ももらえないじゃないですか」

そうです。普通に今すぐ売ったら、利益は全く出ません。

そこで、こんな注文を出します。

「【2週間後に50ドルで必ず売ります】という契約を、誰か私と結びませんか?」

今すぐ売るんじゃなくて、2週間後に売る契約を販売するのです。

あなたが契約を売る人なので、買う人はあなたにお金を支払います。

これがオプション料で、契約をしたらもらえる金額です。

これ、契約を結びたい人はいるのでしょうか?

実は、非常に人気があるんです。この契約。

市況にもよりますが、以前に調べた時には99ドルでこの契約を結べます。

契約金はあなたがもらえて、返す必要はありません。

 

そうすると、あなたは2週間後にどんな利益が手に入るでしょうか?

(1)株が値上がりした

もし50ドル以上に値上がりしても、あなたは50ドルで売りますので、値上がり益はありません。

でも最初に99ドルは契約金でもらっているので、99ドルは利益確定です。

(2)株価が動かない

株価が動かなくても、99ドルの契約金はもらっているので、99ドルは利益確定。

(3)株価が下がる

株価が下がると契約は消滅します。

50ドルで売る契約なので、50ドル以下なら株を売る必要ありません。

そうすると、含み損の株+契約金99ドルが手元に残ります。

 

投資の利回りを計算すると、5,000ドルを元手に、2週間で99ドルが手に入ったので、利回りは2週間で99/5,000=2%

よって2%の利回りです。

たらればですが、全く同じことを2週間ごとに1年間続けたとすると、年間の投資リターンは2%×26(1年は52週あるので、26回できる)=52%

年間想定利回りはなんと52%にもなります。

さすがに26回も連続で成功するものではありませんが、2%と聞くと少なく感じても、年間に換算するととんでもないリターンになります。

こんな投資方法が、世の中にはあります。

コカ・コーラという誰でも知っている銘柄で、このようなことができるんです。

 

値上がり益でもない、配当でもない、インカムゲインの作り方はご理解いただけましたか?

株の値上がりを予想しなくていいし、配当を狙うわけでもないのに2週間で2%の利益が出るなんて、面白いと思いませんか?

カバードコールで現物株が含み損になったら再度カバードコール

ただし、このお話の中で、気になることがあると思います。

(1)と(2)は2%の利益が確定していますが、(3)は含み損の株を持っていますので、含み損が99ドル以上出ていたら損ですよね。

ここはどう考えればいいのでしょうか?

答えはカンタン。同じことをすればいいんです。

あなたは値上がり益なんて期待してないので、2週間後に50ドルを割ってたら、前回と同じように「【2週間後に50ドルで必ず売ります】という契約」を結べばいいだけです。

これをひたすら繰り返せば、まるで配当のようにコツコツ利益を積み上げられます。

そのうちに株価が回復して、50ドルを超えたら契約が成立しますので、株を売って、投資終了です。

 

このようなことを延々と続ければ、コツコツですが利益は増えていくと思えるのではないでしょうか。

このようなカバードコールをやりやすい銘柄を選べば、実現しやすいですよね。

値下がりするかどうかは誰にもわからないけど、値下がり幅が少ない商品、そして値下がりしても長期目線で元に戻りそうな銘柄をしっかりと選べばいいだけです。

 

今までの流れを整理して、どんな銘柄を選べばいいかおさらいしましょう。

・コカ・コーラ株は50ドルなので、そのあたりの価格の株
・あまり値崩れしにくい特徴があると良い
・「【2週間後に〇〇ドルで必ず売ります】という契約」がある
・その契約が活発に取引されている

さらに、今回の利益は値上がり益じゃないです。上昇しなくてもいいので、

・値段があまり変わらず、鳴かず飛ばずな銘柄

を選んだらいいですね。普通の投資とは全く違う視点です。

こんな株を見つけて同じような取引をすれば、あなたもカンタンに利回り10%近いリターンを狙えます。

 

やることはカンタンです。

1.株を買う

2.買った値段で2週間後に売る「契約」をする

3.契約成立でオプション料を受け取る

4-1.買った値段より値上がりしたら投資終了、オプション料は利益

4-2.買った値段より下がったらまた「契約」を繰り返し

これだけです。

この取引で使う「契約」が、オプションです。

まとめ

「オプションって難しい」

と思われがちですが、きちんと使い方を絞れば難しくないということがご理解いただけましたでしょうか?

オプションは、資産形成、資産運用にとって欠かせないツールです。

それは私が2005年から15年以上にわたってオプション取引に携わってきた経験から言える真実です。

世間一般では難しいと思われていて、とっても敷居が高い世界だと考えられていますが、そうじゃないんですね。

いろいろやれる選択肢が多くて、全部学ぼうとすると大学の講義並みに難しくなりますが、ポイントを絞れば、カンタンに始められるしリスクは増えない取引もできます。

今回の取引事例も、株取引以上のリスクは増えてないです。

実はオプションじゃなきゃできないことをうまく活用すれば、勝率が高い投資もできるし、長期投資も実現できるんです。

だから資産形成や資産運用にもってこいの商品なんですね。

カバードコールについては、アメリカ株オプションがカバードコールを実践するのに向いている理由とはも併せてぜひお読みください。

 

 

 

 

※当ブログは筆者の個人的な見解を示すものにすぎません。掲載しているデータの収集とその分析についても、筆者の個人的な視点に基づく分析であり、その有効性を保証するものではありません。解説においては、筆者の独自の視点で学習目的のために事例を簡略化している場合があるため、資料の中で紹介される事例は実際の相場とは異なる場合があります。取引事例についても、完全に再現しているものではなく、かつ、その有効性を担保するものではありません。また、本資料に含まれる記述や情報については十分精査しておりますが、その内容に関して筆者は一切責任を負いません。

※当ブログは過去の市場分析と戦略案を検討するものでありますが、取り上げている投資戦略についてはシミュレーション上のものであり、確実にそのような結果が出ることを示すものではありません。また、相場状況によっては損失が出ていた可能性も十分にあり得ます。当該シミュレーション結果が解説の中で説明した戦略の優位性や利益を保証するものではありません。よって、その内容を将来に当てはめて利益が出ることを保証するものではありません。投資手法の有効性などにつきましては、読者の皆様において十分に内容をご精査いただき、商品の特性、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分にご理解いただいたうえで、ご自身の投資判断と責任でお取引いただくようお願いします。

※株式取引(米国株式)、オプション取引(米国株オプション取引)においては、株式相場、為替相場の変動等によって損失が生じるおそれがあります。お取引に際しては、あらかじめお取引先の金融商品取引業者等より交付される契約締結前交付書面等を十分にお読みいただき、商品の性質、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分に御理解いただいたうえで、御自身の判断と責任でお取引いただきますようお願い申し上げます。
 

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