あなたはオプションのリスクパラメータの値をどうやって判断していますか?
今回は同一証券会社の中でも異なるリスクパラメータの値が出ている事例を紹介します。
セータの値が、異なっている事例です。
オプション投資家養成塾の生徒さんから送付された事例をもとに解説します。
正しく数値を判断するのには、オプションの基礎学力(リテラシー)が必要になります。
楽天証券マーケットスピードのセータが異常値を表示
こちらが読者から送付いただいた楽天証券のキャプチャの様子です。
正しい日時は判断できないのですが、現在値が5:30となっていて、気配値は現在値の165円から180円まで上昇しているので、9月25日の寄り付き前の状態でしょうか。
このセータの値を読むと、-0.033と出ています。
このページでは、セータの値が小さすぎて、正しい値になっていないようです。
証券会社によっては、リスクパラメータの参照するプレミアムが終値で固定されていて、夜間はパラメータが動かないことがあります。
あまりに数値がずれている場合は、夜間にちゃんとパラメータが動いているか確認する必要があります。
しかし、-0.033はあまりに小さすぎる値です。
仮に夜間でパラメータが動かないとしても、1日経過して0.03しか減価しないオプションは時間価値が極端に少ないものくらいしかないので、エラー表示と言えるのではないかと考えます。
この数値を「エラー表記だ」と判断できるのがオプションの基礎学力です。
もしかするとこの数値は、ある一瞬を切り出せば正しいのかもしれませんが、今回いただいた情報だけで判断する場合は通常では取るはずのない値です。
原資産価格が22100円にあるとき、コール22000の時間価値がそんなに低いということはあり得ない、というのが私の経験則です。
また、インプライドボラティリティが15.1なのに時間価値の減少が少なすぎるという判断もできます。
同時刻帯の保有ポジションのパラメータ
続いては、同時に送付いただいた保有建玉のパラメータの値です。
自身の持っているポジションなので、おそらくリアルタイムで動いているものと思われます。
こちらも夜間のパラメータが追従しているか、各証券会社の特徴を判断する必要がありますが、比較的正常に見えます。
Prizeの数値
同じオプションをPrizeで確認すると、セータの値は-8.04です。
Prizeはプレミアムがの値が大引けで固定されています。
ですのでリアルタイム表示ではありません。
さらに、25日の寄りつきの状況だと、Prizeでは24日の終値までしか表示されないために、24日の大引け時点のパラメータです。
なので1枚目、2枚目とは大きくタイミングが異なります。
パラメータが取得するタイミングが重要
以上のように、各ツールでそれぞれ、引用する時間軸が異なります。
- 1枚目はエラー表記と思われるのでいつの時点のパラメータか不明、
- 2枚目はリアルタイムで取得できているのなら正しい(ように見える)
- 3枚目は24日終値時点のパラメータ
戴いた情報をもとにするとここまでしか判断できませんが、たった3枚の画像だけでも分析はできます。
この分析できるようになるスキルがオプションのリテラシーです。
まとめ
証券会社が常に正しい値を示しているとは限りません。
特にセータ-0.03は異常値です。
異常値を「異常だ」と判断できるようになれば、この数値をもとに各戦略を組んでいいのか、それとももう少し調べてからポジションを建てればいいかを判断できるようになります。
このようなオプションの知識を身に付けるためのオプショントレード普及協会の教育コンテンツも併せて参考にしてください。