投資はリスクを引き受けてリターンを得るのが鉄則です。
リスクが無いところにリターンはありません。
では、あなたのご自身の投資のリスクを正確に把握していますか?
引き受けても良いリスクを引き受けて、引き受けてはいけないリスクをきちんと避けていますか?
そしてあなたが引き受けているリスクがどの程度のものか、資産に対して適切なバランスになっているか正しく把握できていますか?
もしこの問いに明確に答えられないなら、今すぐ投資のリスクコントロールができるオプションを学びましょう。
オプションはリスクコントロール手段であり、リスクコントロールを目的に生まれた金融商品です。
投資でリスクコントロールできていないのに、もしオプションを使ったことがないのであれば、早かれ遅かれ相場から退場してしまうことでしょう。
オプションでリスクコントロールを行うは簡単です。
もしあなたが株を持っていた場合に、急落した際に損失を軽減させたいと思っていたら、オプションを買うだけです。
例えば、2016年のトランプ大統領選で330万円株式投資していた場合に、一瞬のドローダウンで35万円の含み損が出ても、プットオプションから37万円の利益でカバーするために支払った保険料はわずか8万円だけです。
わずかな保険料で下落の際の資産の目減りをカバーしつつその後の上昇相場をゆっくりと待って92万円の利益を出せるのも、リスクコントロール出来ているからです。
この記事ではオプションを使ったリスクコントロール手法を学ぶことができますので、明日からのあなたの投資にオプション取引が加わるでしょう。
オプションを使ってリスクコントロールできれば、損失を軽減しながら利益を狙えるので長期に相場に居続けることができます。
投資で負けないためには長期に相場に携わることです。
リスクにさらせばそれだけリターンを得られるのが相場の世界なので、リスクを取ればリターンを得られます。
そのリターンを得るチャンスを逃さないように、一時的な下落相場でも確実にリスクコントロールして損失を軽減し、来るべき日に備えましょう!
リスクコントロールができていないから投資で負ける
これまでに大きな下落相場はたびたびありました。
皆さんもご記憶にある中でも、サブプライムショック、リーマンショック、東日本大震災、ギリシャショック、チャイナショック、米国金利上昇による世界同時株安、Brexit、トランプ大統領選挙、VIXショック・・・・
数え上げればきりがないくらい、多数の相場急変タイミングがありました。
このような混乱時に、市場参加者が自身の資産の目減りに嫌気がさして投資を諦め、相場から退場してしまうと言われています。
何が起きるかわからない世の中なので、取引をしている投資家の一定数が退場してしまうのはやむを得ないかもしれませんが、退場するのはことごとくリスクを取りすぎている人です。
リスクを抑えた人は退場せずにその後の回復相場で利益を上げることができています。
ではこのような下落時に、どうすればリスクを抑えることができ、退場も防げるのでしょうか?
その答えがリスクコントロールです。
投下資金をコントロールするだけでは資産が増えない
株式投資で、最も分かりやすいリスクは投下資金を失うことです。
だから投下資金をコントロールすることでリスクをコントロールする考えが一般的です。
株の価格が万が一0円になっても、投下資金を失うだけで済むので、資金が潤沢にあれば株価が0円になっても投下資金以上は失わない。
損失をコントロールできているので安全性は高いと言えるかもしれません。
でも、総資産に対してリスクにさらす量が小さければ、資産は増えませんよね。
資産の1%を個別株に投資して、利回り20%を達成しても、全体の資産に対する利回りは1%×20%=0.2%だけです。
これが一般の投資家のリスクコントロール手法です。
株価が0円になることを見越して投下資金をコントロールするのは一見有効な手段に思えるかもしれませんが、コントロールできているのは投下資金のみであり実質利回りは非常に小さいものとなります。
また、投下資金の量以外は全くコントロールできません。
従って、たいていはリスク量を勘案して投下資金を減らして、失っても良い金額で投資をスタートすることでしょう。
全体の資産の2%程度にしようとか、5%程度にしようとあらかじめ投下資金を決めて、その金額でコントロールします。
投下資金を倍にするとリスクも倍に純増する
そして利益が乗ってくると、徐々に投下資金を増やしていきます。
このような発想で投資を続けていくと、経験則から投下資金は0円になることはない(だろう)と考えて、含み益が出るごとに徐々に投下資金を増やしていき、いつの間にかポートフォリオに占める割合が多くなります。
そして資産の10%を個別株に投資して利回り20%を達成すれば、全体の資産に対する利回りは2%になるので資産が増えているのを実感できるようになります。
しかし、当初考えていた「株価が0円になっても良いリスクの取り方」だったはずが、いつの間にか株価が0円にならないことを基準に考えて投下資金を増やしている点に注目しなければいけません。
万が一の不慮の出来事や不祥事などが起きて株価が0円になったら、ポートフォリオの10%を一気に失います。
リスクコントロールしたつもりで、当初は最大損失額はポートフォリオの1%に抑えていたのに、いつの間にか追加で投資をしてポートフォリオの10%を投下して無くなる。
いつの間にかリスクを取りすぎてしまい、損失を被ってから初めて過ちに気が付いては遅すぎます。
では、もしこのようなポートフォリオになってしまって、リスクが増えていることに気が付いたらどうすればいいのか。
その時がオプションの出番です。
投下資金が増えてリスクが高まったのなら、そのリスクを自分で取れる水準まで抑えればいいのです。
リスクコントロールに最適な金融商品がオプション
オプションは、リスクコントロールのために生まれた金融商品です。
オプションでなければリスクコントロールは不可能です。
その理由は、オプションの損益の仕組みにあります。
一般の投資商品、株やFXなどといった商品は上昇すれば上昇分だけ利益が出て、下落すれば下落した分だけ損失が出る比例関係にあります。
しかしオプションでは損失と利益の比例関係が当てはまりません。
オプションを買うと、損失は限定されているのに利益は無限大です。
構造上損失限定が約束されている商品は、オプション取引だけです。
この非対称性を使って効率よくリスクコントロールできるのがオプションです。
リスクコントロールできればレバレッジも掛けられる
オプションは、損失額をコントロールできます。
損失を少なくしたければ、多めの保険料を支払うことで、手厚い保険を掛けることができて、万が一の大暴落だけ何とかしたい場合には、安い保険料で保険を掛けることができます。
オプションは損失限定なので、まるで掛け捨て保険のように一定期間の保険の役目を果たしてくれます。
株式投資では株価が0円になると損失限定(=投下した資金をすべて失ってそれ以上は失わない)とも言えますが、オプションの場合は資産を全額失う前に、資産が何割減ったところに保険を掛けたい、というようなコントロールをできます。
このリスクコントロールができるようになれば、枕を高くして眠ることができ、安心して相場を見ていることができます。
だから投下資金が当初はポートフォリオの1%に抑えていたのにいつの間にか10%分まで株を買い進めていくと通常はリスクも10%分引き受けることになりますが、オプションを使えば損失額を1%に限定して、値上がり益は10%分狙うことも可能です。
投下資金を10倍にしても、リスクを維持するといった柔軟なリスクコントロールが可能です。
このようなリスクコントロールができれば、レバレッジを掛けた投資商品をリスクを抑えながら取引することもできます。
株式投資は基本的に自己資金の範囲内で行いますが、先物やFXなどの証拠金取引は差し出した証拠金を元手にレバレッジを掛けえて積極的に値上がり益を取れる商品です。
使い方次第では自己資金以上のリスクを引き受けて利益を狙うこともできますが、リターンが高ければそれだけリスクも潜んでいます。
自己資金以上のリスクを引き受けて投資をすると、最悪の場合には自己資金を上回る損失を被るので市場から退場してしまいます。
では、レバレッジを掛ける商品を選ぶことが危険なのでしょうか?
実はそうではありません。
レバレッジを掛けられる商品を選ぶことが危険なのではなく、リスクコントロールできない投資スタイルこそが一番の問題です。
あなた自身のリスク許容度を知り、身の丈に合った投資手段を用いれば、レバレッジを掛けることに危険性はありません。
リスクコントロールできずに身の丈を超えたレバレッジを掛けて取引する、引き受けるリスクと狙うリターンのバランスが崩れていることに気が付かずに、安易にレバレッジを掛けて取引することこそが危険な行為です。
このリスクとリターンのバランスさえ取れていれば、たとえレバレッジを掛けた商品であっても最適なバランスで取引することができます。
では、どうやってリスクとリターンのバランスを取り、適切なバランスを保って収益を最大化すればいいのか。
その解決策が、オプションです。
レバレッジを掛けた取引の場合は、万が一が起きると、預けていた資金を超えて損失が起きる可能性がありますが、そんな時にも、オプションならリスクコントロールできます。
オプションを使って損失を限定させれば、レバレッジを掛けて積極的に利益を追求しながら、一方で損失を決めた額に限定して安全に取引を行うことができます。
このように、レバレッジを掛ける商品で利益を狙うならオプションは欠かせません。
オプションがあるからこそリスクが抑えられて、適正なリターンを狙いに行くことができます。
トランプショックで株式資産のドローダウンを防いだ事例
では、オプションの活用事例を紹介します。
今回は株式投資で自身の株に保険を掛けた事例です。
株式資産に対してオプションを買えば、相場が一時的に下落した際にも慌ててロスカットすることなく投資を続けられます。
下落したときにロスカットしてしまっていたら、その後の上昇益は見込めないのですが、リスクをコントロールすれば、一時的なドローダウンをやり過ごしてその後の上昇益を確実に得ることができます。
支払ったのは保険料としてのオプションのコストだけ。
それ以上の利益を確保できればリスクコントロールした成果があったと言えます。
オプションを使って損失限定で切り抜けられた投資の全貌
プットオプションを、自身の投下資金の目減りが嫌な分だけ買っておきます。
例えば投下資金330万円のA社株に対して、10%のドローダウンは耐えられるけど、それ以上は嫌だという心境から、アメリカ大統領選の直前にオプションを8万円で購入しました。
時価総額のわずか2%分のコストで、保険を掛けています。
その後相場が下落して、A社株は含み損が出ましたが、オプションは37万円の含み益が出ました。
結局そのあとは相場が上昇して、92万円の利益を株から上げられました。
株からは100万円の利益で、保険料としてオプションに支払った8万円を差し引いて92万円です。
一発のドローダウンを耐えることさえできていれば、約100万円の利益を上げられた場面で、いかにドローダウンを耐えるか。
今回は掛け捨て保険としてオプションを使いリスクコントロール出来たので、8万円の支出であっても元手を回収して余りある利益を手にすることができ、充分保険の役目は果たせました。
もしこの時オプションで保険を掛けていなければ、10%のドローダウン基準を超えて、ロスカットしていたかもしれません。
途中でロスカットするかしないか、それがリスクコントロール
このアメリカ大統領選の波乱で一時的なドローダウンによって資産が目減りしたときに、安心して保有し続けられるから耐えられなくなってロスカットしてしまうかは精神論で片づけてはいけることはできません。
結果論で後から振り返ることはいくらでもできますが、その時にロスカットをオプションを使って回避した行動こそがリスクコントロールです。
この事例ではアメリカ大統領選の波乱でロスカットしたら、損失を確定して投資終了です。
投資は長く続けて資産を増やしていくのが目的ですから、ロスカットは極力避けたいものですが、もし何かあったらいやだなと思ってロスカット注文を出していたら、急落時にロスカット注文が執行されて投資を続けられなかったことでしょう。
この2016年の11月は、朝の寄りつきからトランプ大統領優勢のうわさが出ていて徐々に不安がこみあげていましたが、大半の予想はヒラリーさんだろうと思われていました。
最終結果が決まった時には、驚きと今後の経済の不安から、一気に日経平均株価が下落しましたが、その後は急回復して、選挙のショックがなかったかのように相場が上昇していきます。
この時にロスカット注文を出していなければ、相場の上昇で順調に利益を出して行けたと思えるかもしれませんが、一瞬のドローダウンで耐え切れずに一度損切りしておいたほうが良いと判断してしまったら、安値でロスカットして高値で再度エントリーしたらその幅を利益として取り損ねてしまいます。
あの開票結果が出たタイミングで相場が下落して、翌日に下げた分を回復するなんて確信を持てていた人はほとんどいないでしょう。
だからこそ一時的な下落が起きたと言えます。
では、その一時的な下落に耐えてその後の相場上昇で利益を上げた人と、一瞬のドローダウンでロスカットが入って投資終了した人の差は何だったのでしょうか?
運や胆力の違いで片づけてしまっては投資とは呼べません。
その差こそ、リスクコントロールです。
まとめ
リスクコントロールをしたいなら、オプションが最適です。
株式投資の場合は、損失限定にするにはロスカットをしなければ実現しませんが、逆に相場の急変でロスカット水準に達してやむを得ず投資終了してしまう場合があります。
一方でオプションを使えば、自由にリスクコントロールできるために、投下資金のドローダウン割合を計算して最適な保険を掛けることができます。
損失限定に出来れば、リスクの範囲内でレバレッジを掛けて利益を狙っても損失をコントロールできるため投資を続けることが可能です。
なぜこのようなリスクコントロールができるのかというと、オプションは損失と利益の出方が比例関係になく、損失限定で利益を無限大にすることができる唯一の金融商品だからです。
オプションは難しいと思われていて、確かに学ぶべき項目は多岐にわたりますが、実はリスクコントロールを確実に行うことが難しいから、そのリスクコントロールの手段であるオプションも難しく感じます。
オプションを制する者がリスクコントロールを身に付けて、投資も制します。
投資をするなら、オプションです。
その差こそが、長期的に勝敗を分けるでしょう。
このように、リスクリスクコントロールするには学習が必要です。
オプショントレード普及協会の教育コンテンツではなぜ学習が必要かを解説していますので併せてご覧ください。