メルマガ読者さんから質問をいただきました。
質問ですが北浜投資塾特別対面セミナーユーチューブ③-8-1と⑤-3-2のアイデアのタイミングはともにびっくりする前ですね。勝率、利益が高いのはどちらでしょうか?
機械的にぶん回すアイデアが好みで、「月末月初日経VIが20以下のプット買い」もいいですね。
相場が荒れてボラティリティが急騰する場面を、よく「市場がびっくりする」とたとえます。
VIX指数はびっくり指数だなんてダジャレもあるくらい。
今回のご質問は、市場がびっくりする前に組んでいたらどっちが勝率が高いか?というものです。
③-8-1と⑤-3-2のアイデアのタイミング、というのは下記内容です。
上記8-1について収録している動画です。
上記3-2について収録している動画です。
結論は、どちらか一方の優位性が存在するわけではないため、勝率や利益額について単純に比較することは出来ない、というのが答えです。
IVで算出される期待値は同一
オプションの世界では、ポジションを取ったとき、その瞬間は逆のポジションを取った人との間で、IVで算出される株価変動の確率分布により求められる期待値は同じです(計算上どちらが有利不利がない状態)。
結局は自分の予想する確率分布が現状のIVから算出される期待値トントンの確率分布より広いと思えば買い系、狭いと思えば売り系のポジションをとる、というだけのことです。
言い方を変えれば目の前のIVが高くて下がるだろうと思えば売ればいいですし、低くて上がるだろうと思えば買うだけのことです。
当たる確率や利益率ではなく、利用法の紹介
セミナーでは、上記のような判断をしたあとで、すなわち例えばプットの支払額(IVの見立て)よりも大きく下落するだろうという判断をしたときに、ではオプションにはどんな方法があるかを解説するにすぎず、判断の当たる確率や利益率などを語るものではありません。
同様に、動くか動かないかにおいてカレンダーとリバースカレンダーのどちらが有利かということではなく(IVで計算すると期待値はどちらも0のはず)、IVの見立てよりも動かないだろう、というときに、ショートストラドル・ストラングル、バタフライ、コンドル、そしてカレンダーという方法がありますよ、で、カレンダーはこのように使えますといった感じでオプションの利用方法を紹介しているにすぎません。
おっしゃる通り機械的にぶん回す戦略であれば、一喜一憂することもありませんが、結局は期待値は同じということになります(もちろん、期待値に収束するには相当な回数が必要です)。
パターンとしては何の工夫もせずぶん回すとすれば
①コツコツ勝って大きく負ける
②大きく負けてコツコツ勝って回収する
③コツコツ負けて大きく勝って回収する
④大きく勝ってコツコツ負ける
この4つになることが多いですね。
②は最初になえてしまいもはやその大きく負けてしまったやり方を続けてコツコツ回収するのは難しいでしょう。
①これはオプションの本質であり、勝率が高いものと低いものが同じ期待値になるならば、リターンが全く違うということを意味しますので、売り系であればコツコツドカンがそもそもの本質だということです。
④はまだいいですが③は続かないでしょう。やらない時にかぎってドカンといくものです。
この意味で③に分類される月末月初のプット買いははっきり言ってなかなか勝てませんが、勝ったときには大きな利益が出る可能性があります。しかし続けられるかが問題です。
その意味で、ぶん回すのであれば、⑤コツコツ勝ってコツコツ負けるパターンで行くほかないわけで、その意味で、ストラドルやストラングルならばデルタヘッジをコツコツやる、カレンダーやコンドルやバタはポジションを調整する、といった形で相場に合わせていくという方法をとるわけです。
カレンダーは⑤型でコツコツコツコツ型でぶん回すには適しているかもしれませんが、たとえぶん回しても期待値はトントンになることになります。結局は投資判断次第ということです。
なお、現在は、期先の流動性の問題もありなかなか手掛けにくいですね。
まとめ
オプションの世界では、ポジションを取ったとき、その瞬間は逆のポジションを取った人との間で、IVで算出される株価変動の確率分布により求められる期待値は同じです。
同様に、動くか動かないかにおいてカレンダーとリバースカレンダーのどちらが有利かということではなく、カレンダーはこのように使えますといった感じでオプションの利用方法を紹介しているのが動画教材です。
この記事を読まれた方は、オプション取引の学習に役立つ、5つの取引条件を満たすオプション戦略も併せてお読みください。