VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2024年6月5日(水)の米国市場の様子を分析しています。(各画像はクリックすると拡大します)
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
昨日はNYダウ、S&P500、NASDAQとも上昇しました。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
昨日の株価は上昇し、VIXは全体的に低下しました。
VIX9Dも前日よりは下落はしましたが、今週末の雇用統計に備えたヘッジと考えられ、他の指標よりも高止まりする傾向が見て取れます。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
若干幅が広がりました。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
先物はコンタンゴ状態ですが、VIX9Dは前日に引き続き先物第1限月よりも高い状態にあります。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
先物第1限月と第2限月の差が0.95まで広がってきました。
VIX/VIX3Mレシオ
VIX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.87と基準の0.9を下回っていて、落ち着きを取り戻しつつあるようです。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VIXの移動平均はまだ上向きですが、VVIXの移動平均がフラットになり、このままVVIXが低位で安定すれば移動平均が下向き始めると考えられます。
VVIX/VIXレシオ移動平均は明確にした向きであり、昨日のS&P500は上昇しましたが、市表情は下落トレンドの最中を示しています。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
VIXが下落しSKEWが上昇する、バランスの取れた状態に戻ってきました。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローです。
-175万枚を超える株式の売り圧力がオプション側にありました。
プット売りとコール売りが優勢でした。
S&P500の上昇でコール売りが出るのは、市場参加者の安心感を示していると考えられます。
ATMから-5%の取引は通常デルタロング(緑)でプット売りが多い傾向がありますが、今回はデルタの量は小さいもののデルタショート(赤)であり、要因はインザマネーのコールが売られているからのようです。
まとめ
VIX9Dは依然として高いものの、スクイーズチャートや先物第1限月と第2限月の差、VIX/VIX3Mなどで改善の兆候がありました。
VVIX/VIXレシオのトレンドが転換するのはまだ先と考えれますが、徐々にVIX系指標が回復に向かっているのではないでしょうか。