VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2024年5月31日(金)の米国市場の様子を分析しています。(各画像はクリックすると拡大します)
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
昨日はNYダウ、S&P500は上昇し、NASDAQは下落しました。
NYダウの一日の上げ幅としては2023年6月上旬以来、およそ1年ぶりの大きさです。
朝発表の4月のPCEがおおむね市場の想定に沿った結果のため、高インフレが続くとの懸念が和らぎ、米長期金利の低下を受けて主力株への買いが膨らみました。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
VIXは各指標とも大幅に下落しました。PCEを通過し安心感が広がったようです。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
スクイーズ状態は解消に向かっているようです。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
コンタンゴ状態で、かつ先物プレミアムを維持しています。指数が下落し先物と乖離してきました。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
先物第1限月と第2限月の差が0.83と広がってきました。
VIX/VIX3Mレシオ
VIX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.88と基準の0.9を下回りました。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VIXが大きく下げ、VVIX/VIXレシオは反発しました。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
VIXが大幅下落したためにSKEW/VIXレシオは反発し移動平均に近づいています。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローです。
+407万枚を超える株式の買い圧力がオプション側にありました。
コール売りが優勢でしたが、コール買いも多く発生したようです。
内容は前日終値より高く寄り付いたことで逆張りのコール売りが出て、その後株価は下落したものの引けにかけて再度上昇したため、コール売りの買い戻しが発生したと思われます。
原資産の上昇でコール売りが出るのは安心感を表していると言えます。
まとめ
PCEの結果を受けて下落は一時的に止まったようですが、VIX系指標は改善しつつありますがVVIXやSKEWに関してはまだ回復までは時間がかかるようです。