VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2024年1月24日(水)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
昨日はNYダウは小幅下落、S&P500、NASDAQは小幅上昇でした。
1月の米国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が50.3と、好不況の分かれ目である50を超え、市場予想(47.2)も上回りました。
堅調な景気を背景にインフレの抑制が遅れるとの見方が広がり、FRBの利下げが遠のくと懸念れたようです。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
昨日の株価は下落し、1DAYと9DAYは反応がありましたが、長期の指数はほぼ変化がありません。
今日のGDP発表のほか、来週のFOMCに備えたヘッジ買いが数値を押し上げたと考えられます。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
昨日の下落で少し幅が縮まりました。9DAYがVIX30DAYを上回っている様子が分かります。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
コンタンゴ状態で、かつ先物プレミアムを維持しているので安定と言えますが、9DAYはVIXよりも高い位置にいます。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
先物第1限月と第2限月の差が少し狭まりました。
VIX/VIX3Mレシオ
VIX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.88と基準の0.9に再度近づいてきましたが、まだ安定した状態です。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIX/VIXレシオの移動平均が下向きから上向きに変わるタイミングが見え始めました。
VVIXが低位安定して移動平均が下向きになり始めたらVVIX/VIXレシオの移動平均が上向くと考えられます。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
VIXが上昇し、SKEWも上昇しました。バランスとしてはあまり良くない反応です。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローです。
-464万枚を超える株式の売り圧力がオプション側にありました。
内容はコール売りとプット売りが上位に来ており平常期の形と言えます。
デルタボリュームランキングを見るとOTMのJan26’24C488の買いがありますが、同じ満期日のJan26’24C487が売られているため、スプレッド売買をしているか、あるいはポジションの決済だと思われる取引なので、何か特別な異変があるわけではないと考えられます。
まとめ
VVIX/VIXレシオの移動平均が上向き始める兆候が見られるのでまもなくリスクオンできる状況が来ると思われます。