VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年5月10日(水)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
日本時間2023年5月9日~5月10日朝の概況
CPIの結果が市場予想より低くてインフレ鈍化による利上げ停止観測がありましたが、すでに織り込んでしまっていると考えられます。
ハイテク株には追い風となったようでS&PやNASDAQは上昇しました。
NASDAQは上値を4回チャレンジして跳ね返されていましたが、ようやくレンジをブレイクしたように見えます。
<TradingView提供のチャート>
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の位置関係
コンタンゴチャートです。
VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー
コンタンゴで先物プレミアムということで形を見る限りでは異変は感じられません。
コンタンゴ率も10%を超えています。
きれいなコンタンゴに戻り、身構える段階から脱したと思われます。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
再び幅が広がり始めました。
スパイクしているところは逆張りにエントリーするチャンスと言えますが、スパイクせずにもみ合いしている状況ではなかなか手が出せないところです。
VIX/VIX3Mレシオ
0.82と、依然として基準ラインの0.9より低く推移しています。
VVIX/VIXレシオ
S&P500と正の相関があるVVIX/VIXレシオに置きかえることで上昇や下落の原因はどこにあるのかという分析をしています。
VVIX/VIXレシオが上昇に転じましたが、VVIXが上昇してVIXが下落しており、良い形の上昇とは言えません。
この点が若干気になります。
SKEW指数
VIXが下げるとSKEWが上がるという性質が今回は如実に表れています。
SKEW/VIXレシオは上昇に転じました。
この指標は相場追随型の指標であり、今は上向いていて安心感はありますが今後の動向を予測するものではありません。
バランスとしては悪くない形であるといえます。
MOVE指数
SPYのオーダーフロー
オプションのフローは200万枚相当のロングポジションでした。
コール売りが1番上に来ました。
上値が限定的だと考えられている証拠かもしれません。
まとめ
VVIX/VIXが上向いていますがVVIXの上昇が懸念事項といえます。