VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2024年5月24日(金)の米国市場の様子を分析しています。(各画像はクリックすると拡大します)
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
昨日はNYダウ、S&P500、NASDAQとも上昇しました。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
VIX1DとVIX9Dが急落しています。特にVIX9Dの落ち込みが顕著です。
5月27日は米国市場が休場ですが、週末3連休の変動に備えた短期ヘッジニーズは少ないようです。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
幅が広がって安定期を示しています。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
コンタンゴ状態で、かつ先物プレミアムを維持しているので安定と言えます。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
先物第1限月と第2限月の差が0.92と広がってきました。
VIX指数は11ポイント台まで低下しています。
VIX/VIX3Mレシオ
VIX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.84と基準の0.9を大きく下回り低位安定しています。
0.85を下回ったのは24年1月以来です。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIX移動平均が上向きであり株価下落に注意が必要な状況は変わっていませんが、VVIXが下落してきたため、このままVVIXが低下して移動平均を割れば、再度上昇トレンドに入るかもしれません。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
VIXは下落、SKEWは上昇とバランスがとれた形です。VIX/SKEWレシオは右肩上がりが継続しています。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローです。
+475万枚を超える株式の買い圧力がオプション側にありました。
特にプット売りが多く出たようです。
ATMから-5%はデルタロング(緑)、ATMから+5%はデルタショート(赤)が通常の形ですが、この日は逆転しロングストラドルのようなデルタバランスとなりました。
ただしATMから-5%のデルタショート(赤)の理由はJun21’24P529買いによるものであり、ATMから+5%のデルタロングは最も取引が多いMay24’24P530売りがインザマネーで終わったためだと思われます。
まとめ
VIX1DとVIX9Dの急落、VIX/VIX3Mの大幅低下、VVIXの下落から、市場が落ち着きを取り戻しつつあると考えられます。