あなたは、なぜ日経225オプションなら月利10%を実現できると思いますか?
それは、投資家がリスクを取っているからです。
投資はリスクを取らないとリターンは得られませんので、月利10%以上のリターンを得るためには、それ相当のリスクを取らなければ実現しません。
実は、市場参加者が意識せずに引き受けてしまっている、日経225オプション取引のリスクがあります。
このリスクを知っておかなければ、コツコツ勝っていてもいつかはドカンと負けてしまいます。
逆に、このリスクを知っておけば、自分が取っているリスクはどの程度のものなのかを認識できて、資金管理にも役立てることができます。
この記事では日経225オプション取引の市場参加者が引き受けているリスクと、そのリスクを避けたい場合について解説しますので、これを読めばあなたも日経225オプションのリスクについて理解することができてどんなオプション取引を始めたらよいかが明確になるでしょう。
オプションで取りたいリスクの量はいくらか
オプションは、長期運用の手段として使えるし、短期的なトレーディングでリスクコントロールすることもできる、万能選手なのですが、万能選手であるがゆえに投資初心者の方にはどのように使ったらいいか理解されていない面があります。
メルマガ読者さんからメールをいただきました。
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はじめまして、メルマガを読ませていただいています。今年の2月より株式の投資を開始し、個別の日本株で運用を始めております。
まだまだ投資初心者ですが、これから運用はずっと続けていきたいと考えており先物・オプションにも興味があります。
オプションを学びはじめるとするとどの講座をとりあえずとってみればよいでしょうか?
個人的には、資産運用の授業【インカムゲイン狙い】の銀オプション投資セミナー動画なのか、あるいはトレーディングの授業【キャピタルゲイン狙い】のオプション投資家養成塾なのかと考えております。
アドバイスいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
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どれから始めるのが良いかという質問について、日経225オプション、米国株オプション、銀オプションなどあらゆるオプション取引を経験した私の目線で、今一度考えてみました。
まず、日経225オプションと銀オプション投資ですが、両者を単純に比較するのは難しいです。
なぜ難しいかというと、取引する際の前提条件が合っていないからです。
取引の際の前提条件とは自己資金とリスクにさらす量です。
質問にもありましたように銀オプションと日経225オプションで比較してみましょう。
銀投資(銀オプション投資)でリスクにさらす自己資金量
銀オプションは15ドル×100オンス=1,500ドルの投資です。15万円くらいです。
1,500ドルのリスクを取った投資に対して、その範囲内でのリスク分散のためにオプションを使います。
どんなに負けても、15万円程度で収まるので、損失限定です。
その代わり、リターンも年利10%~20%と日経225オプションに比べると1/10程度のリターン度合いとなります。
年利なので、月利に換算すると1%程度です。
株を買うのと同じように銀を買うつもりで、オプション取引をするのが銀オプションです。
あなたも株を買おうと思ったときの最大のリスクは、企業が破たんして価値が0になるとき、つまり最大損失額は買った株の時価総額だけではないでしょうか。
銀オプションも同じように最大損失額が見えていてその範囲内でオプション取引をすればいいので、リスクは少ないです。
日経225オプションでリスクにさらず自己資金量
一方の日経225オプションで、銀オプションと同じようなリスクの度合いを実現しようと思ったら、本来はフルキャッシュの自己資金は2,000万円必要です。
2,000万円の自己資金を使って、オプションを1枚売れば銀オプションと同等のリスクです。
昔は1000万円を口座に入れていないとオプション売りを始められなかったようですが、現在はそれほど自己資金を積まずに始められてしまいますし、証券会社に断られることもありません。
証券口座を開くことは無料でできますし、初回の入金額にも制限がありません。
さらに、日経225オプションは証拠金制度を採用しているので、300万円くらいあれば一通りの戦略を比較的不自由なく組むことができます。
100万円程度の自己資金でも、買いオプション中心ならポジションを組むことが来ますし、売りを混ぜたスプレッド取引も発注の手順を工夫することで実現することも可能です。
つまり、証拠金制度のために、日経225オプションを始める人は、この証拠金をボーダーラインと捉えてリスクコントロールを考えてしまうことが多いのです。
このボーダーラインは、最大損失額の上限じゃなくて、ただの追証判定の値です。
このボーダーラインの考え方の違いが、銀オプションとの大きな違いであり、参加者が仕組み上意識せずに引き受けてしまっているリスクです。
少ない自己資金で利益を上げるためのリスクコントロール
これまで書いてきたように、日経225オプションを取引している人の引き受けているリスクのほうが、銀オプション投資をしている人のリスク量よりも高いことが多いです。
でも、リスクが高いというのは、商品が持つリスクではありません。
投下する自己資金の量と最大損失額が異なっているために、日経225オプションのほうが最大損失リスクに対して少ない自己資金で始められてしまう点です。
だからこそ、日経225オプションではリスクをコントロールして追証にならないように調整します。
逆に言えば、リスクをコントロールできなければすぐに退場してしまうので、始めからリスクコントロールが必須、大前提の取引になっています。
もちろん、何億の自己資金を保有してオプション売りを1枚行っている人なら問題ないかもしれません。
リスクコントロールをそれほど厳密にやらなくても、万が一に2,000万円うしなうだけで済むので痛手は少ないです。(痛くないとは言いませんが)
普通は、そんなに自己資金を用意できないから、300万円程の自己資金を用意して一生懸命リスクコントロールします。
私も最初は300万円の自己資金から初めて、150万円まで資金を減らして、そこから一生懸命リスクコントロールの方法を学びました。
当時は原資産価格が低くてSPAN証拠金も低かったので、証拠金所要額が40万円以下で済むこともあったと記憶しています。
証拠金所要額が低くても、自己資金が少なければ一生懸命コントロールするしかありません。
また、レバレッジを掛けて効率よく投資をしようとしたら、低資金で最大利益を狙う戦略を考えてリスクをコントロールしないといけません。
そのようにしてリスクコントロールして、月利10%を狙いに行ける!というのが日経225オプションのメリットです。
銀オプション投資は頑張っても年利10%程度なので、日経225オプションを使ったほうが稼げる額は多いです。
日経225オプションなら、うまくいけば年利100%以上も夢じゃありません。
でも、それだけリターンが多いということはリスクもあることの裏返しであり、日経225オプションの場合は最大損失額まで自己資金を用意せずに始められる点にありますので、リスクコントロールすることは絶対に欠かすことができないわけです。
そして、日経225オプションは満期通過させずにその前で決済することが多いです。
満期を通過させることは、リスクを引き受けなければいけないので、余計なリスクを増やしたくなければ満期前に決済することになります。
満期前に手仕舞いをするオプションのリスクをコントロールするために、ギリシャ文字のパラメータを使って管理する必要があります。
デルタ、ガンマ、セータ、ベガ・・・やインプライドボラティリティ(IV)といった用語が出てきて知識も要求されます。
難しいと感じても、必要なリスクコントロール手段なので、証拠金で効率よく利益を出す取引をするためには、覚えて使いこなせるようにならないといけません。
リスクをコントロールするのは、それだけ難しいのです。
オプションを売れば10.5万円を得られる際に取るリスク
実例を紹介します。
カンタンな取引として、今日C22500を売ったとします。
下記は松井証券で表示したプライスボードです。
現在の日経平均株価は21,150円付近なので、SQ日の12月14日までに、日経平均株価が現在値よりも1000円も高い22500円に届かなければ、105円が利益として確定します。
日経225オプションは1000倍しますので、実質10.5万円の利益を得られます。
この際に利用する証拠金は52万円ほど要求されています。
(SBI証券の証拠金シミュレーションツール)
実質は41.4万円の自己資金があれば、オプション料の10.5万円と合計して52万円の維持証拠金が掛かっています。
つまり41万円で、10.5万円の利益が得られます。
率にして25%の利回りです。
非常に高い利回りと言えるでしょう。
25%の利回りに見合ったリスクかどうかを検討する
しかしながら、日経平均株価がこのままもみ合ってくれればいいですが、もし上昇相場となった場合には、コールの価値が膨らみ、損失が非常に大きくなります。
もし日経平均株価が上昇すると含み損を抱えます。
その際には要求される証拠金も増えますので、用意していた自己資金以上の証拠金を要求されるかもしれません。
今は41.4万円の自己資金でしたが、相場状況によっては倍額近くの証拠金を要求されることもあり得ます。
その場合は利回りは半分の12.5%となります。
さらに、この取引の場合は日経平均株価が22500円以下になることを期待してオプションを売っていますが、もし22500円以上になった場合のリスクについて何もコントロールしていないため、相場が上昇しないことに賭ける取引にすぎません。
果たしてこのようなリスクを抱えたポジションで利回り25%を安心して狙えるかを考えないといけません。
リスクコントロールできるようになるオプション投資家養成塾
このようなオプション売り単独ではなく、オプション売りのヘッジとしてオプション買いを組み合わせて戦う戦略や、相場が上昇しないことに賭けるのではなく相場がどちらに動いても利益になる戦略など、オプションを駆使して自身の相場観にあった戦略を組み立てていけるのがオプションのリスクコントロール法です。
オプションを学ぶと様々なリスクコントロール法を身に付けることができ、それを学べるのがオプション投資家養成塾です。
きちんとルールを覚えれば、このような自己資金が少なくてレバレッジを掛けた日経225オプションでも、ちゃんと戦い方があることが分かります。
銀投資よりも、日経225オプションのほうが、自己資金以上のレバレッジを掛けられてしまうので、スリルがあります。
自己資金の何倍もの取引ができてしまうので、うまくいけば資金効率の良い戦い方ができる余地があります。
日中の動きをリアルタイムで見れて、相場の反応を見ながら建玉操作してくのは、ハマれば利益も大きいですし「稼いでいる!」感じがします。
銀オプション投資は利益の見込み額が最初から決まっていて、年利で考えているので、取引回数も少なく「トレードしている」感じが全くしません。
どっちが良いか悪いか人それぞれですが、横並びで比較するなら、自己資金量を合わせるために2,000万円保有してオプションを1枚売り年利10%程度の取引がいいのか、300万円の自己資金でトレーディングしてリスクコントロールをきっちりとこなしていって月利10%を目指すのではどちらが好みでしょうか?という選択です。
どちらが良いかは投資家自身が決めることです。
なお、銀投資のように、15万円程度を理論上の最大損失額として始められる日経225オプションはありません。
なぜなら原資産が日経平均株価で、金額の倍率が1000倍だからです。
日経平均株価が2万円を超して、倍率が1000倍なので2,000万円分のリスクを取るのが日経225オプションです。
もし少額で取引を始めてみたければ、今は銀オプションとか米国株オプションしか選択肢が無いのが現状です。
日経225オプションの難しさについては、オプション取引が難しい理由とボラティリティトレードも併せてお読みください。
リスクを避けて銀投資から始めるのも悪くない
まずは身近な日経225オプションでリスクコントロールを極めてから、銀オプションや米国株オプションに挑戦しよう!という気持ちはわかりますが、実はリスクを低く始めるなら、さっさと銀オプションや米国株オプションを始めてしまってもいい、というのが私が最近感じていることです。
このリスクが嫌だと思えば、銀オプション投資のような、最大損失が自己資金の範囲で収まるような取引を行う選択肢もあります。
銀オプション投資は満期通過が前提なので、途中で決済することはありません。
ギリシャ文字も気にしません。
満期まで保有するオプションは、ギリシャ文字の複雑な管理は不要です。
満期の価格と権利行使価格だけで損益が決まるので。あとは保険が効いてる安心感ですね。
両者は同じオプションというくくりですが、特性が全く異なり、まるで別の商品のようなジャンルと言ってもいいかもしれません。
これだけオプションができることが多岐にわたるという証明ですね。
まとめ
日経225オプションは、理論的な最大損失額の約2000万円を自己資金として取引しない限り、リスクコントロールが不可欠です。
リスクがあってコントロールするから、月利10%を狙いに行けるのが日経225オプションです。
実際には証拠金制度のおかげで自己資金が少なくてもレバレッジを掛けて取引ができるので、一層リスクコントロールの必要性があります。
これを認識して取引をしましょう。
リスクコントロールをしたければ日経225オプションが最適ですが、リスクコントロールを避けたいと思えば、リスクは現株だけと少額のリスクで始められて満期決済タイプの銀オプション投資を選択することも可能です。
日経225オプションも銀オプション投資も同じオプションですが、使い方やリスクの考え方が異なるためにまるで別の商品のように取引することが可能です。
このような金融リテラシーの向上策については、オプショントレード普及協会の教育コンテンツはゴルフのレッスンプロで紹介しています。