あなたは値動きが全くなくても1週間で利益率が40%を超える投資法をご存知でしょうか?
投資で利益を上げるには値動きを予測しなければならないのが通常の投資です。
ところが、今回私は150ドル(約15,000円)を投資して、もし値動きが無かったとしても最大62.14ドル(約6,200円)の利益が見込める投資を行いました。
結果として最大利益の6,200円を得ましたので、41.4%の利益率となりました。
値動きが無くても利益を上げるには、オプション取引のクレジットスプレッドを利用することで実現します。
クレジットスプレッドは投資した時に最大利益と最大損失があらかじめ分かるので投資中に非常に安心感があります。
今回は私の取引事例を解説しますので、これを読めば損失限定、値動きに一喜一憂せずにストレスのかからない投資を実現することが出来るようになります。
【目次】
1.利益率41.4%の取引事例
2.クレジットスプレッドは損失限定による安心感
3.必要資金が少なくて済む理由
4.期限があるオプションで短期売買
5.まとめ
1.利益率41.4%の取引事例
まず最初に私が取引を行った投資の結果を提示します。
当時VIXが14.5ドルにあったので、14.5ドル以下であれば利益になるような戦略を組みました。
実際に発注した時のVIXの株価を見てみましょう。
矢印の場所が9月21日の価格を示しています。
矢印の7つ左側(9月12日の価格)では20ドルまで上昇していましたので、20ドルから低下するトレンドが出始めたのを確認して、9月21日に14.5ドルまで下げたところで投資を開始しました。
銘柄は9月28日に投資結果が決まるVIXオプションを発注をしました。
注文したクレジットスプレッドによって、発注した瞬間に0.65ドルを受け取っています。
アメリカ市場では取引代金の100倍が実際の価格になりますので、0.65ドルの100倍、65ドルの受け取りがあったことを意味します。
1ドル100円で換算すると、6,500円となります。
もし9月28日にVIXが14.5ドル以下になっていれば、受け取った65ドルを丸々利益にすることが出来ます。
9月28日になったときにVIXの株価が14.5ドル以上になっているとその価格によって損失が発生する取引になります。
ですが、注文した時のVIXの株価から全く値段が変わらなかったとしても、満額の65ドルを受け取ることが出来る投資方法です。
9月28日には、下図のようになり、9月21日から比べて、価格が低くなっていることがわかります。
このように株価が14.5ドルよりも低くなったために、思惑通り利益を上げることができました。
下図の最終の損益結果を見ると、「決済された取引」と緑で書かれた欄の158.47ドルから下段の「決済された損益」で赤く表示された-96.33ドルを差し引いた、62.14ドルが実際の利益を得ましたので、1ドル100円換算で6,214円の利益となりました。
今回の取引では最初に用意した資金は、150ドル(約15,000円)だったので、150ドルの投下資金に対して62.14ドルの利益です。
利益率を計算すると62.14/150*100=41.4%となりました。
このようにわずか15,000円の投下資金で41.4%の利益率を上げることが出来るのがクレジットスプレッドの特徴です。
2.クレジットスプレッドは損失限定による安心感
このクレジットスプレッドによって実現する損益のグラフを下記に示します。
右軸にVIXの株価を示して、縦軸に損益の額を示しています。損益は必ずオレンジの線をたどりますので、最大利益は65ドル、最大損失は85ドルとなります。これは投資した時点ですでに決まります。
今回の投資ではVIXが12.9ドルまで下落していたので、65ドルを利益として得ることが出来ました。
もしVIXが12ドル以下に下落していても、上記のグラフのように利益が65ドルで固定になります。
仮に11ドルに下落しても、10ドルに下落しても、利益は65ドルになります。
一方、最大損失になるのは、VIXの価格が高くなった場合です。
グラフの右側が示しているように、いくらVIXが上昇しても、最大損失は85ドルで固定になります。
通常の投資商品の場合
通常の投資商品は、投資銘柄の値動きによって損益が直線的に決まります。
今回のようなVIXが下落する方向で利益になるポジションの場合は、下図のように直線的な損益グラフが描けます。
VIXが13ドル、12ドル、11ドル・・・と下落すればするほど利益になり、利益額は無限大になります。
しかしながら損失額も同じように無限大になりますので、仮に15ドル、16ドル・・・とVIXが上昇していくと損失額が膨らんでいきます。
このように、最大利益と最大損失が限定されていません。
その点、クレジットスプレッドの損益グラフでは、無限大の利益はなりませんが、損失も限定されているが大きな違いです。
値動きがなくても利益が出る損益グラフ
そして注目すべき点は、投資したタイミングであるVIXが14.5ドルにある時には、満額の利益を狙えることが分かります。
これは、値動きが全くなくて最終日を迎えても、利益になることを示しています。
通常の投資では、投資商品に値動きが無いと利益を出すことはできません。
ところがクレジットスプレッドを利用することで、値動きが思惑通りに動いたら利益になるし、値動きが無くて今いる価格でとどまったとしても利益にすることが出来るのです。
値動きが無くても利益になる理由
クレジットスプレッドは値動き が全くなくても利益を得られる戦略であることはご理解いただけたと思います。
ではなぜそうなるのか、オプションの特徴を知ることで理解を深めましょう。
今回のクレジットスプレッドはコール14.5ドルを160ドルで売って、コール16ドルを95ドルで買っている、2つのオプション銘柄から構成されています。
コール14.5ドルを売った時の損益グラフ
もしコール14.5ドルを1枚だけ売っている場合の損益グラフはこのようになります。
14.5ドル以下になれば160ドルの利益が出ます。
実はこのコール14.5ドルを売った時に得られる160ドルが、今回の投資の利益の源泉になります。
しかし14.5ドルを上回ると、上回った分だけ損失がでます。
その損失額は無限大に膨らんでいきます。
コール16ドルを1枚買った時の損益グラフ
コール16ドルを1枚買った時の損益グラフは下記のようになります。
VIXが16ドルを超えていくと、利益が膨らんでいくことが分かります。
しかしながら、VIXが16ドルを超えないと、最初に支払った95ドルを失ってしまいます。
このコール16ドルだけを買って持っておくというのは、相場が上がる方に賭けていることなるのに値動きが無くても利益はならず、メリットが無いように見えます。
両方のオプションを同時に保有するから損失限定になる
ここで、両方のオプションを同時に保有します。
つまりコール14.5ドルの損失を限定的にするために、コール16ドルを1枚買うのです。
これがクレジットスプレッドとなります。
このグラフのとおり、14.5ドルを下回ると受け取り額の65ドルを得られるポジションとなることがわかりました。
中身は単価160ドルのコール14.5ドルを売って受け取った金額に対して、コール16ドルを保険として買ったコストである単価95ドルを差し引いた、残りの65ドルが満額の利益となるということを意味しています。
さらに最大損失額の85ドルと言うのは、コール14.5ドルを売ったことが原因で無限の損失を被るところを、保険として買ったコール16ドルのおかげで損失が限定されてその金額が85ドルで収まっているということを意味しています。
このように最大利益が限定されてる一方で、最大損失も限定させることが出来るようになったので、投資のリターンを予測できるようになりました。
損益分岐点は15.15ドル
上記の損益グラフをもう一度見てみましょう。
現在の価格の14.5ドルにとどまっていて利益が出るということは、損益分岐点(この投資で勝敗を分ける価格)が14.5ドルよりも高くななっています。
損益分岐点は14.5ドル+最大利益額の0.65ドル=15.15ドルになります。
つまり今投資して全く株価の変動が無くても65ドルの利益を得られて、仮にVIXが思惑から外れて15ドルに上昇してしまっても、利益を得られるのです。
15.15ドルになれば勝敗が付かないことになりますので、値動きが無い相場だけではなく、少し思惑から外れてもまだ投資で勝つことが出来ることがこのグラフから分かります。
株価の値動きは3パターンあります。
- 値上がり
- 値下がり
- 値動きが無い
このうちに値下がりでも利益、値動きが無くても利益、さらには0.65ドルの値上がりでもまだ利益で終わることが出来るため、勝率が高い戦略であると言えます。
3.必要資金が少なくて済む理由
ここであなたは、投下資金が非常に少ないことに疑問を持つかもしれません。
通常の株式投資では、もし今回のような14.5ドルの株価で売買単位が100倍の商品に投資する際には、14.5ドル×100倍=1,450ドルの資金が必要となります。
この場合には最大で失う金額は投資した金額の1,450ドルとなり、今回の投資の利益率を計算すると、65ドル÷1450ドル=4%と実にリターンの小さい投資となります。
ですが、クレジットスプレッドを行う場合には、最大損失額が決まっており1.5ドルだけの資金で取引が出来ます。
さらに負けるとすべて失うのではなく、損益グラフに示したように最大損失が85ドルで限定されています。
今回の利回りは65ドルを得るために投下した資金が150ドルになりますので、利益率は41.4%となり高い利益率につながるのです。
また期限もあるのがオプションの特徴です。今回はわずか1週間で決着が付いています。
4.期限があるオプションで短期売買
オプションには株と異なり、期限があります。
今回私が採用した銘柄は1週間で期限を迎えるオプション銘柄を選定しました。
オプションの期限が来ることで上記のような損益グラフが実現します。
今回は9月21日に注文をして、1週間後の9月28日に期限を迎えるオプションの銘柄を組み合わせて取引をしました。
オプションにはたくさんの銘柄があり、1週間後の他にも1ヵ月や2ヵ月、さらには1年後のオプションもあります。
どの組み合わせを選ぶかは投資家が自由に選択することが出来ますので、今回は一番期限の短いオプションを選定しました。
実際に銘柄を選定すると、1週間後と2週間後の損益予測がほとんど変わらないことが多く、クレジットスプレッドを選定すると最大利益額と最大損失額がイーブンとなる組み合わせが多いです。
その場合は短期間で利益を確定しようと考えた場合には一番短い銘柄を選択するのが良いでしょう。
5.まとめ
クレジットスプレッドを活用することで、わずか1週間で利益率41.4%の投資を実現することができました。
投資期間の1週間は、最大利益と最大損失があらかじめ分かっている投資なので、1週間株価に翻弄されずに気長に結果を待てる投資スタイルとなります。
さらに値動きが無い相場の時にでも利益に変わる可能性があるので、もし相場観が当たらずに株価がその今の価格から変わらなかった場合にも、利益になることができます。
ぜひあなたもこのクレジットスプレッドに挑戦してみてください。
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