VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2024年6月3日(月)の米国市場の様子を分析しています。(各画像はクリックすると拡大します)
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
昨日はNYダウは下落しましたが、S&P500、NASDAQは上昇しました。
ISMの数値が予想を下回ったことで米景気の減速を示し、景気敏感株や消費関連株に売りが出ました。
週内に相次ぐ雇用関連指標の発表を見極めたいと買いを手控える雰囲気も強く、ダウ平均は400ドルあまり下げる場面があったが、次第に下げ渋りました。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
VIX9Dが反応しています。来週の雇用統計を含めた経済指標の波乱に対するヘッジと思われます。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
VIX9Dの上昇が顕著で、その他のVIX指数も軒並み上昇しました。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
VIX9DがVIX先物第1限月を上回っています。少し身構える必要があるかもしれません。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
先物第1限月と第2限月の差が0.81とまた狭まりました。
VIX/VIX3Mレシオ
VIX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.89と基準の0.9を下回っているため、まだ危険水位ではないと判断できます。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIX、VIX共に移動平均線も上向きはじめ、下落トレンドがどこで止まるか探っている状態ではないでしょうか。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
VIXは上昇しSKEWが下がる、順調な下落相場であるというサインです。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローです。
-591万枚を超える株式の売り圧力がオプション側にありました。
コール売りとプット売りが優勢でした。平常期の形と言えます。
ATMから+5%のデルタショート(赤)はコール売りですが、ATMから-5%もデルタショート(赤)でした。
理由はITMのコールの売りJun03’24C525,C526,C527が売られたためです。
まとめ
VVIX/VIXレシオ、SKEW/VIXレシオを見ると下落トレンドに入ったことを想起させるチャートの形となりました。
VIX/VIX3Mはまだ0.9未満ですが、今後の下落に備える必要があるかもしれません。