【米国市況概況】1月26日リスクオンのタイミング待ちの状況

  • VIX
投稿者名:守屋 史章  金森 雅人

VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2024年1月26日(金)の米国市場の様子を分析しています。

米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)

NYダウは上昇しましたが、S&P500、NASDAQは下落しました。

23年12月の米個人消費支出(PCE)では物価指数が前年同月比2.6%上昇し、市場予想(3.0%上昇)を下回ったことにより好感されたようです。

NYダウ

<TradingView提供のチャート>

S&P500

<TradingView提供のチャート>

NASDAQ総合指数

<TradingView提供のチャート>

VIX指数とVIX先物の関係

独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ

青が最新日を示しています。

株価がほぼ横ばいであり、VIXは反応がありませんでした。

VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート

独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。

前日とほぼ変わらずで推移しています。

<TradingView提供のチャート>

指数と先物の位置関係を示すグラフ

コンタンゴ状態で、かつ先物プレミアムを維持しているので安定と言えます。

<vixcentral提供のチャート>

VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅

先物第1限月と第2限月の差は7%台を維持しています。

<vixcentral提供のチャート>

VIX/VIX3Mレシオ

VIX/VIX3Mレシオのグラフです。

0.88と基準の0.9をを下回りました。

<TradingView提供のチャート>

VVIX/VIXレシオ

VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。

VVIXもVIXも移動平均が依然として上を向いています。

VVIX/VIXレシオの移動平均は横ばいになっており、リスクオンのタイミングまではまだ時間がかかりそうです。

<TradingView提供のチャート>

SKEW指数

SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。

SKEW/VIXレシオの数値はほぼ横ばいで推移しています。

<TradingView提供のチャート>

債券のボラティリティを示すMOVE指数

 

<TradingView提供のチャート>

独自に作成した米国債イールドカーブ

時系列に整理しました。青が最新日です。

SPYのオーダーフロー

SPYのオーダーフローです。

-221万枚を超える株式の売り圧力がオプション側にありました。

内容はプット売りとコール売りが上位に来ており平常期の形と言えます。

ATMから-5%のデルタロングが強いのはプット売り、ATMから+5%のデルタショートが強いのはコール売りと、典型的な形になっています。

満期が10日~30日の銘柄で170万デルタを超えた赤(コール売りまたはプット買い)の取引は、ランキングには出ていませんがATMから+5%までのデルタショートと考えるとカバードコールに使わていると考えられます。

デルタはマイナスではありますが決して悪い形ではありません。

<Marchet Cameleon提供>

まとめ

全体的に通常時の形をしており特筆すべき点は見当たりませんが、VVIX/VIXレシオがなかなか上向かずにリスクオンのタイミングはまだ訪れていないようです。

 

 

 

 

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守屋 史章(もりや ふみあき)株式会社M&F ASSET ARCHITECT 代表取締役
【著者情報】
守屋 史章(もりや ふみあき)
株式会社M&F Asset Architect 代表取締役
オプショントレード普及協会 主宰
宮崎県出身。
慶應義塾大学法学部法律学科卒、同法学研究科修士課程修了

個人投資家として企業数社に投資し、ビジネスオーナーを務める傍ら、証券などへの投資をも手掛ける。投資におけるオプション取引を普及させることを目的に、金森雅人氏と共同でオプショントレード普及協会を設立。短期トレーディングから長期運用まで幅広い投資ニーズをかなえる資産運用を研究している。
「オプションについて話せる仲間が見つからない」という孤独になりがちな投資の研究と意見交換を行える会員制のメンバーシップを中心に、個人投資家目線だからこその目からウロコの独創的アイデアと分かりやすい解説で、「わかる」「できる」をサポート。
資産運用を始めたい方へのバックアップや資産運用教育セミナー等を定期的に開催し、手厚いサポートと実直さで幅広い層から支持を得ている。
JPX(日本取引所グループ)主催のセミナー講師として登壇多数。日本におけるオプション取引の草分け的存在。
 

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