【米国市況概況】11月16日VVIXやSKEWが天井を示唆し始めたように思われます

  • VIX
投稿者名:守屋 史章  金森 雅人

VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年11月16日(木)の米国市場の様子を分析しています。

 

米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)

NYダウは小幅に下落、S&P500、NASDAQは上昇しました。
最近の株高により利益確定の売りではないでしょうか。

NYダウ

<TradingView提供のチャート>

S&P500

<TradingView提供のチャート>

NASDAQ総合指数

<TradingView提供のチャート>

VIX指数とVIX先物の関係

独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ

青が最新日を示しています。

VIXは昨日とほぼ変わらずの状態です。

指数と先物の位置関係を示すグラフ

先物と指数は先物プレミアム状態が続いています。

<vixcentral提供のチャート>

VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅

第1限月と第2限月の差は10%台となっていて安定的な状態を示しています。

<vixcentral提供のチャート>

VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート

独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。

スクイーズ状態は9DAYがさらに下げて今年の最も低い状態に近づいています。

<TradingView提供のチャート>

VIX/VIX3Mレシオ

VX/VIX3Mレシオのグラフです。

0.89と基準の0.9を割り込んでいますがまだくすぶっているようです。

<TradingView提供のチャート>

VVIX/VIXレシオ

VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。

VVIX/VIXレシオの移動平均はまだ上向きですが、生のデータでは頭打ちになってきているようです。

<TradingView提供のチャート>

SKEW指数

SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。

SKEWの上げが大きいようです。
ただしSKEWが高くなったから暴落に備えているというわけではなく、バランスは良い状態を保っています。

<TradingView提供のチャート>

債券のボラティリティを示すMOVE指数

 

<TradingView提供のチャート>

独自に作成した米国債イールドカーブ

時系列に整理しました。青が最新日です。

SPYのオーダーフロー

SPYのオーダーフローを分析します。

+249万枚をこえるデルタロングのポジションがオプション側でありました。

中身はプット売りが上位に来てその次にコール売りが登場する、典型的な安定した相場のようです。

取引は短期が中心で、ATMから5%下はプット売り、5%上はコール売りとなっています。

気になる点は来年24年の9月満期の10%外のプットが買われている点です。
これは下落を積極的に狙うというよりは上昇目線のクラッシュ向けのプット買い保険のように見えます。
下落を狙っている場合はもっと短期のオプションを使うはずなので、基本目線は上ではないかと考えます。

 

<Marchet Cameleon提供>

まとめ

VIXの数値は安定しているものの、VIX系指標を見るとだんだん上昇が頭打ちになってきている姿が見られます。

 

 

 

 

※当ブログは筆者の個人的な見解を示すものにすぎません。掲載しているデータの収集とその分析についても、筆者の個人的な視点に基づく分析であり、その有効性を保証するものではありません。解説においては、筆者の独自の視点で学習目的のために事例を簡略化している場合があるため、資料の中で紹介される事例は実際の相場とは異なる場合があります。取引事例についても、完全に再現しているものではなく、かつ、その有効性を担保するものではありません。また、本資料に含まれる記述や情報については十分精査しておりますが、その内容に関して筆者は一切責任を負いません。

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守屋 史章(もりや ふみあき)株式会社M&F ASSET ARCHITECT 代表取締役
【著者情報】
守屋 史章(もりや ふみあき)
株式会社M&F Asset Architect 代表取締役
オプショントレード普及協会 主宰
宮崎県出身。
慶應義塾大学法学部法律学科卒、同法学研究科修士課程修了

個人投資家として企業数社に投資し、ビジネスオーナーを務める傍ら、証券などへの投資をも手掛ける。投資におけるオプション取引を普及させることを目的に、金森雅人氏と共同でオプショントレード普及協会を設立。短期トレーディングから長期運用まで幅広い投資ニーズをかなえる資産運用を研究している。
「オプションについて話せる仲間が見つからない」という孤独になりがちな投資の研究と意見交換を行える会員制のメンバーシップを中心に、個人投資家目線だからこその目からウロコの独創的アイデアと分かりやすい解説で、「わかる」「できる」をサポート。
資産運用を始めたい方へのバックアップや資産運用教育セミナー等を定期的に開催し、手厚いサポートと実直さで幅広い層から支持を得ている。
JPX(日本取引所グループ)主催のセミナー講師として登壇多数。日本におけるオプション取引の草分け的存在。
 

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