VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年12月7日(木)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
NYダウ、S&P500、NASDAQとも上昇しました。
雇用統計を前にハイテク系に見直し買いが入ったようです。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
雇用統計前に1DAYが買われた様子が見えます。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
安定的な先物プレミアムです。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
第1限月と第2限月の差は若干縮まっていますが、気になるほどではありません。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
9DAYが11月24日を境に開いたチャートが縮まる方向になっています。
S&P500の株価がじわじわと鈍化しているので、このままチャートが縮まるか上抜けることに期待したいです。
VIX/VIX3Mレシオ
VX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.84と低位安定しています。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIX/VIXレシオは下落に転じ、移動平均も下を向きつつあり、上昇に陰りがあるように見えます。
ここで一度リスクを落とすポジション調整も必要かもしれません。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
SKEWが急激な下落を見せています。
SKEWはプットとコールの差を示していますが、単純な差ではないので、今回のような強い動きが出る際には今後の動向を注視する必要があります。
SKEWは安定的な時の方が高い傾向にあります。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローを分析します。
+1000万枚を超えるロングポジションがオプション側にありました。
内容を見るとプット売りが上位にありました。
昨日の株価の変動は高値で推移していたためプット売りが優勢だったことが分かります。
手口を見てもATMより高い赤はコール売り、ATMより低い緑はプット売りを示していると思われます。
大半は5日以内のものでしたが、気になる点は10日~30日の建玉が多い点です。
中身を見ると12/29もののプットオプションを見ると、4%下のP440のフローを見るとBidであり積極的売りポジションが積み上がっているようにみえます。
この建玉はターゲットバイイングの可能性があります。
また、約3%のP445も大きな取引があり2000枚のBidがあり、さらに現物株とセットなので、カバードプットの可能性があります。
よって、全体で緑が優勢だからと言っても相場が上向きと安心できるわけではないので、今後の動向に注視する必要があります。
まとめ
数値自体は問題はありませんが、VVIX/VIXレシオは天井を示し、SKEW/VIXレシオはバランスが崩れてきていますので、少し警戒したほうが良さそうです。