【米国市況概況】11月17日VIX系指標を見る限り相場の転換になるサインは感じられません

  • VIX
投稿者名:守屋 史章  金森 雅人

VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年11月17日(金)の米国市場の様子を分析しています。

 

米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)

NYダウ、S&P500、NASDAQとも小幅に上昇しました。
高値圏に来て利益確定の売りに押されているようです。

NYダウ

<TradingView提供のチャート>

S&P500

<TradingView提供のチャート>

NASDAQ総合指数

<TradingView提供のチャート>

VIX指数とVIX先物の関係

独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ

青が最新日を示しています。

VIXは全体的に沈んでいます。特に1DAYと9DAYが顕著に下落しています。

指数と先物の位置関係を示すグラフ

指数と先物の関係は先物プレミアムで安定した状態です。

<vixcentral提供のチャート>

VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅

先物第1限月と第2件月の差は順調に開いています。

<vixcentral提供のチャート>

VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート

独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。

 

<TradingView提供のチャート>

VIX/VIX3Mレシオ

VX/VIX3Mレシオのグラフです。

0.87と基準の0.9を割り込んでいますが、気になるのが0.87付近で留まっている点が気になります。

<TradingView提供のチャート>

VVIX/VIXレシオ

VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。

VVIX/VIXレシオは上向きで良い形ですが、VVIXもVIXも底値圏にいて下がりにくい形となっています。

<TradingView提供のチャート>

SKEW指数

SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。

行き過ぎたSKEWが戻れば安心できるという話をしましたが、今回はSKEWが落ち着いてきているようです。

<TradingView提供のチャート>

債券のボラティリティを示すMOVE指数

 

<TradingView提供のチャート>

独自に作成した米国債イールドカーブ

時系列に整理しました。青が最新日です。

SPYのオーダーフロー

SPYのオーダーフローを分析します。

+170万枚を超える買い圧力がオプション側にありました。

内容はプット売りとコールの買い戻しで緑が勝ったわけですが、最も多いのはコール売りでした。
C451,C450が多く売られています。
昨日のフローは上値が重いということでコール売りが大量に入ってきたようです。

全体として緑になっていますが、特筆すべきは蓋をしているコール売りでしょうか。

プット売りの買い戻しはそれほど入ってこなかったようです。

ATMから上が赤、下が緑で取引も5日以内がほとんどなので、0DTEや買い戻しが中心であり、オプションのフローからは異変は感じられません。

 

<Marchet Cameleon提供>

まとめ

VIX自体の数値では分析しにくいところですが、複合的に見ていくと悪くない形となっているようです。

 

 

 

 

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守屋 史章(もりや ふみあき)株式会社M&F ASSET ARCHITECT 代表取締役
【著者情報】
守屋 史章(もりや ふみあき)
株式会社M&F Asset Architect 代表取締役
オプショントレード普及協会 主宰
宮崎県出身。
慶應義塾大学法学部法律学科卒、同法学研究科修士課程修了

個人投資家として企業数社に投資し、ビジネスオーナーを務める傍ら、証券などへの投資をも手掛ける。投資におけるオプション取引を普及させることを目的に、金森雅人氏と共同でオプショントレード普及協会を設立。短期トレーディングから長期運用まで幅広い投資ニーズをかなえる資産運用を研究している。
「オプションについて話せる仲間が見つからない」という孤独になりがちな投資の研究と意見交換を行える会員制のメンバーシップを中心に、個人投資家目線だからこその目からウロコの独創的アイデアと分かりやすい解説で、「わかる」「できる」をサポート。
資産運用を始めたい方へのバックアップや資産運用教育セミナー等を定期的に開催し、手厚いサポートと実直さで幅広い層から支持を得ている。
JPX(日本取引所グループ)主催のセミナー講師として登壇多数。日本におけるオプション取引の草分け的存在。
 

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