VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年10月27日(金)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
NYダウ、S&P500は下落、NASDAQは若干上昇しました。
地政学リスクやFOMC待ち、金融引き締めの長期化懸念から材料が見つからないということでしょうか。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
数日間20ポイントを上回った状態です。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
指数が先物よりも上にあります。先物ディスカウントで悪い状態の形です。
S&P500の下げよりも過敏に悪化しているように見えます。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
第1限月と第2限月の差はフラットになっており、こちらも悪い形です。
コンタンゴチャート
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
スクイーズチャートはまた狭まってきました。
VIX/VIX3Mレシオ
VX/VIX3Mレシオのグラフです。
1.0を超え、今年の3月の水準を上回っています。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIX/VIXレシオは急降下しました。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
SKW/VIXレシオも下向きとなっています。
しっかり下落する姿を形成しています。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローを分析します。
+144枚程度の買い圧力がオプションでありました。
プット売りが上位に来ているのは通常の姿です。
プット売りの買い戻しでプット買いが2番目に来ています。
よくある姿であり、この取引から特別な意図は感じられません。
ただ気を付けないといけないのは10日~30日のオプションに取引があります。
緑のグラフはプット売りかコール買いのどちらかです。
プット売りには3つ解釈があり、
・株を買うくらいならプット売って踏まれれば株に変える作戦
・プットを売って原資産をショートすることでデルタを抑える取引
・カバードプットとして、下落したほうが良いポジション
OTMコールを買ってデルタヘッジをしている場合にはスマイルカーブの特性上下落が望ましい。
ダイレクトにコール買いが入っているとは思えないので、以上のことより、積極的な上昇狙いのポジションのようには見えません。
下落方向狙いでオプションが取引されているのではないかと考えます。
まとめ
典型的な下落の一途をたどっているようです。
VIXの数値自体は20ポイントにとどまっていますが、先物ディスカウント、第1限月と第2限月の差はフラット、VIX3Mは1.0、そしてVIX系の複合的な見方をしても悪い状態です。