VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年10月26日(木)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
NYダウ、S&P500、NASDAQとも下落しました。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
指数の値的にはそれほど恐れおののくほどではありませんが、他の指標などを見る必要がありそうです。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
先物が指数の下にある先物ディスカウントで悪い状況にあります。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
第1限月と第2限月の差は無くなりバックワーデーション化しています。
先物のストラクチャーが崩れています。
コンタンゴチャート
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
時系列で眺めるとスクイーズ状態に近づいています。
ショックでスクイーズが起きてあく抜けすることもありますが、現在はずるずると下げています。
VIX/VIX3Mレシオ
VX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.96と高い位置で推移しています。
1ポイントまでは達していませんが予断を許さない状況です。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIX/VIXレシオは完全に下向きとなっています。VVIXもVIXも上向きなので悪い状況にあります。
VVIX/VIXレシオは原資産の動きとシンクロしているため、中身を見て判断材料に使えるというのがこのチャートです。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
SKEW/VIXも下向きにあり、中身はVIXが高くSKEWが低いため悪い状況と言えそうです。
SKEWとVIXのバランスが崩れると底値付近と判断することができます。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローを分析します。
+263万枚の買い圧力がオプション側にありました。
中身はプット売りが大半を占めており、相場が下落したため買い戻しがありました。
短期の銘柄は買っていたプットの返済や0DTEのトレーディングによるプット売りが多かったことを意味します。
これらは満期に消滅するので今後の相場を占うものではありません。
気になるのは10日~30日満期の銘柄が緑のグラフで表示されている点です。これはコール買いかプット売りですが、内容はOTMのプット売りではないかと考えられます。
考えられるのはターゲットバイイングかボラティリティトレードとしてのカバードプット(プット売り+現物売り)か、プット売りのデルタを消すためのデルタニュートラル戦略ではないかと考えます。
ターゲットバイイングは上昇目線でカバードプットは下落目線ですが、そこまで大きな変動とは考えていないようです。
まとめ
VIXの数値だけで判断する手法はなかなか使えなくなっており、期間による差や複合指標によってマーケットの声を聞いていますが、VVIX/VIXやSKEW/VIXが悪い状況となっているので反転までは時間がかかりそうです。