VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年10月9日(月)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
NYダウ、S&P500、NASDAQとも上昇しました。
地政学的リスクの高まりがあり下落して始まりましたが、金融引き締めの緩和が必要とみられるため株価は上昇したものと思われます。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
先週末より上昇しています。
9DAYがVIX30日よりも高まっています。
9DAYが上昇している理由として考えられるのは、今週発表される経済指標が複数ありヘッジのために買われているのかと思われます。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
タームストラクチャーも複雑な形をしています。
ただし先物は少し落ち着きました。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
第1限月と第2限月の差は3%程度と安定化している方向に推移してきました。
本来ならもっと離れていてもおかしくないところですが、少し第1限月の緊迫度は和らいできたと思えます。
コンタンゴチャート
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
スクイーズ状態から広がりつつありましたが、地政学リスクで情報したものと考えられます。
VIX/VIX3Mレシオ
VX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.9まで下がってきましたが、基準ラインの0.9と差が無くまだ落ち着いたとは言えません。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
チャートの表記が更新されていないため、4時間足で9本の移動平均で表示しています。
VVIXは緩んではいますが、VVIX/VIXはまだ上向きにはなっていないようで底を打ったとは言えない状況です。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
SKEW/VIXレシオの7.55は低いですが、少しずつ改善しているように見えます。
VIXが上昇してSKEWも上がる正の相関が見れるので、安定的に変わるのも間近のように見えます。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローを分析します。
+466万枚のロングポジション相当がオプションでありました。
最近の流れとしてはプット売りが上位にくるのですが、昨日は珍しくコール買いが上位に来ていました。
ただし昨日の相場を分析すると、相場の転換点ではないと考えられます。
デルタの大きい取引を分析すると、C428,429,430の買いが大きいのは、寄付き当初はコール売りしていたものの買戻しであり、C433とC432に逃がしている、いわゆるロールアップを行っていたのだと思われます。
オプション側の買い戻しが大きいのですがコールの更なる売りよりも買い戻しが多かったのだと考えられます。
プット売りもありますが、OTM売りであり満期で消滅したため買い戻しがそれほど起きていないと感じます。
昨日のフローから見るに当日の相場変動をトレースしているだけのように見えます。
まとめ
短期のVIXが反応しているのは経済指標の発表待ちだと思われます。SKEW/VIXの分析により、下落相場が対し少しずつ改善しつつあるように見えます。