VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年7月10日(月)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
NYダウ、S&P500、NASDAQとも上昇しました。
ハイテク株が利食いに押されたようです。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
VIXは相場上昇しましたが反応している珍しい状況でした。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
先物と指数の関係は先物プレミアムで特に問題はありません。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
第1限月と第2限月の差が6%台と、満期に近づいてきているものの開きが無いように見えます。
コンタンゴチャート
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
スクイーズチャートは昨日は反発しましたが影響はないと言えるでしょう。
VIX/VIX3Mレシオ
VX/VIX3Mレシオのグラフです。
VIX/VIX3Mは0.87と、基準の0.9に近づいてきました。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIX/VIXレシオが下を向いているのでロングポジションを取りにくい状況です。
VVIXが急上昇したため移動平均が上向いていますが、下向きになったときにはちょうど良いタイミングでエントリーできるでしょう。
VVIXが先に反応するので、VVIXが下を向いてVIXも下を向いたときがリスクオン、エントリーチャンスと言えるでしょう。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
SKEW/VIXレシオは移動平均を割り込みました。バランス的にはよくな状況で不安定になってきています。
VIX単体の数字は15pt台と従来からの視点では充分低いと言えますが、何かと比較することでVIXの最近の動向を測るのに有効です。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローを分析します。
500万枚を超えるマイナスでした。
ドルベースのデルタで見てもSPYオプション、SPY構成銘柄のオプションともに売り圧力がかかっていました。
今回の主な要因はコール売りによるものです。
コール売りが非常に多くやく2000万枚相当あるためインパクトが大聞く出ました。
チャートを見ると寄付きに対して若干相場が上昇してコール売りをしていた層が買戻しをさほどせずに大引けで決済したのではないでしょうか。
短期トレードである点と、ITMのコール売りも売られていたのが分かります。
昨日の取引は1DAYものが非常に多く取引されていました。
まとめ
VIXの数値は問題ないように見えますが、
・先物の第1限月が高めに推移している
・SKEWのバランスは劣化してきている
・リスクオンできるかという視点ではVVIXが良い形になっていない
以上のような注意点があります。