VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2024年4月12日(金)の米国市場の様子を分析しています。(各画像はクリックすると拡大します)
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
昨日はNYダウ、S&P500、NASDAQとも下落しました。
インフレや地政学リスクを巡る懸念が投資家心理の悪化につながったようです。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
昨日の株価の大幅下落によりVIXの数値は大きく上昇しました。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
幅が狭まってスクイーズ状態になりつつあります。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
コンタンゴ状態はかろうじて維持していますが、先物が指数よりも安い先物ディスカウント状態です。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
先物第1限月と第2限月の差は0.88%とほぼ差がありません。
指数は先物第1限月を上回っています。
VIX/VIX3Mレシオ
VIX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.95と基準の0.9を大幅に上回りました。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIXの数値上昇が顕著です。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
VIXが上昇しSKEWも上昇しました。バランスが悪い状態です。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローです。
+132万枚を超える株式の買い圧力がオプション側にありました。
通常より多いコール買いについては、0DTEに伴う短期のコール買いではなく、下落によるポジション調整で保有株数を減らした際に、カバードコールで売っていたコールの買い戻しが多かった可能性があります。あるいはボラティリティトレーディングとしてコールを売って原資産でヘッジしていたネガティブガンマについて、相場変動を嫌気してコールを手仕舞いした可能性があります。
いずれにせよ相場の変動をケアしている可能性があるため、下落方向に注意が必要です。
まとめ
S&P500の下落によりVIX指数が一時20ポイントを超えました。警戒感が強まってきています。