VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2022年7月12日(火)の米国市場の様子を分析しています。
【目次】
1. 米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
2. VIX指数とVIX先物の位置関係
(先物プレミアムか先物ディスカウントか)
3. VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー
(コンタンゴかバックワーデーションか)
4. VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
(VIXを視覚的に捉えるチャート)
5. VIXと日経225先物
(夜間の日経225先物トレードに生かすヒント)
6. VIX/VIX3M(VXX売りの指標)
7. VVIX/VIX(市場の不穏な気配を感じるチャート)
8. MOVE指数(債券のVIX)
9.SKEW指数(ブラックスワン指数)
10.米国債金利
【まとめ】
VIX27.29↗(△)
VIX指数≦先物(△)先物プレミアム(※第1限月=30D)
VIX指数タームストラクチャー(△)
コンタンゴだが9D上昇
VIX先物タームストラクチャー(△)
フラットなコンタンゴ
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート (△)
不安定
VIX/VIX3Mレシオ=0.95↗(△)
VVIX/VIX=3.30↘(▲)下げ止まりの兆候
MOVE指数 148.11↗(✖)直近最高値更新 コロナショックと同レベル
SKEW/VIX(4.45)↘+SMA20(4.13)↘(△)GCは維持しているが下落基調
米国債金利 短期→ 中期↘ 長期↘ (2年>5年>10年 逆イールド)
1. 米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
2022年7月12日~7月13日朝の概況
米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、インフレ警戒の売りが強まりました。中国の新型コロナウイルスの感染再拡大、欧州のエネルギー高による景気懸念の前日からの流れをうけ、さえない展開でした。
VIXは上昇し、VIX先物第1限月と同水準に。もっともVIX系各指標はそれほど反応はしていませんが、リスクオンのタイミングまではあと一歩といったところです(VIXの25pt割れ、VIX/VIX3Mレシオの0.9割れ、SKEW/VIXレシオとMAのGCシンクロ上昇といったあたりが参考になります)。
NYダウ 30,981.34ドル -192.51(-0.62%)
<TradingView提供のチャート>
S&P500 3,818.79pt -35.65(-0.92%)
<TradingView提供のチャート>
NASDAQ総合指数 11,264.73pt -107.87(-0.95%)
<TradingView提供のチャート>
2. VIX指数とVIX先物の位置関係
VIX指数(30D)=27.29↗(▲) 先物≧指数 (△)第1限月=30D
<vixcentral提供のチャート>
3. VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー(コンタンゴかバックワーデーションか)
VIX指数:コンタンゴ(△) 9D上昇
VIX先物:フラットなコンタンゴ (△)
<vixcentral提供のチャート>
【比較】ちなみに、これがコロナショックのときのVIX先物タームストラクチャーです↓先物までバックワーデーションになると大きなショックの可能性が。
<vixcentral提供のチャート>
4. VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
不安定(△)
<TradingView提供のチャート>
【比較】ちなみに、これがコロナショックのときのVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートです↓
<TradingView提供のチャート>
2020年2月21日から24日のところで一気に形が変わっている部分の拡大
<TradingView提供のチャート>
5. VIXと夜間日経225先物
白黒ロウソクは日経225先物(12月限)、薄い青がS&P500(E-mini)、黄青のロウソク足がVIX30D、赤緑のロウソク足がVIX9Dです。原資産の動きが先でVIXは後から動きます。VIXは先行指標にはなりません。ただ、VIXは市場参加者が原資産の変動に対してどう判断し、どう反応したかがわかります。
<TradingView提供のチャート>
6. VIX/VIX3Mレシオ
VXXショート戦略のリスク指標の一つです。
VIX30D/VIX3M=0.95↗(△)
<TradingView提供のチャート>
7. VVIX/VIXレシオ
VVIX/VIX=3.30↘(▲) 下げ止まりの様相
<TradingView提供のチャート>
VVIX=VIXのインプライドボラティリテイ(IV)
これは先行指標になるのでしょうか?
VVIXもVIXと同じような動きをしているようにみえますが、動き方の比率に微妙にずれが出るため、VVIX/VIXの値が変化します。市場の不穏な雰囲気が、S&P500のプットオプションの買い(VIX)とVIXのコールオプションの買い(VVIX)の微妙な差を生み、その結果じわじわとVVIXとVIXの変動率の違いを生み出していく…。基本的に先に原資産であるS&P500のプットオプションが買われVIXが上がり始めます。そうするとVVIX/VIXレシオが下がり始めます。S&P500のプットオプションの買われ方を単独で見るのではなく、そのプットオプションの買われ方がVIXコールオプションの買われ方に対してどうか、という視点でみることで、相場の不穏な雰囲気を察知できるかもしれないということです。
【一応の基準】
6以上を維持◎(平穏 リスクオン) ※高すぎる値は警戒
5~6○(平穏へ)
~5×(5を割り込むような原資産の下落はちょっと長引く可能性)
【長期チャート】
最低値=2.05(2020年3月12日) 最高値=10.51(2018年1月3日)
<TradingView提供のチャート>
コロナショックの場面(2020年3月12日 最低値=2.05)
<TradingView提供のチャート>
2018年クリスマスショック前後
<TradingView提供のチャート>
2018年VIXショック前後(10ポイントを超えていた 最高値2018年1月3日=10.51)
<TradingView提供のチャート>
8. MOVE指数
MOVE指数=いわゆるVIXの米国債版です(赤)。VIXは青、S&P500先物(ES)が黒のチャートです。米国債市場の不穏な動きを未然に察知するために使えるかもしれません。
148.11↗(✖) 直近高値を超えました。コロナショックとほぼ同水準にあります。
<TradingView提供のチャート>
9. SKEW
121.33
SKEW/VIXレシオ・移動平均クロス(△)GC
SKEW/VIX(4.45)↘
MA20(4.13)↘
<TradingView提供のチャート>
10. 米国債金利
<TradingView提供のチャート>