VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2024年6月12日(水)の米国市場の様子を分析しています。(各画像はクリックすると拡大します)
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
昨日はNYダウは下落し、S&P500、NASDAQは上昇しました。
5月のCPIの上昇率が市場予想を下回り買いが先行したものの、FOMC結果を受けてFRBが利下げ開始を慎重に判断するとの見方が広がり、ダウ平均は下げに転じました。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
CPIとFOMCを通過したことで、高値で推移していたVIX1DとVIX9Dが一気に下落しました。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
VIX9DとVIXの下げが顕著です。イベントを通過しヘッジニーズが収まったようです。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
コンタンゴ状態で、かつ先物プレミアムを維持しているので安定と言えます。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
先物第1限月と第2限月の差が1.40と広がってきました。
VIX/VIX3Mレシオ
VIX/VIX3Mレシオのグラフです。
前日は基準の0.9に近かったVIX/VIX3Mレシオは0.85と基準を下回り低位安定の方向にあるようです。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIX,VIX移動平均が下を向き、VVIX/VIXレシオの移動平均が上を向く、上昇相場を示唆する形となりました。リスクオンと判断しロングポジションに傾けられるタイミングです。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
VIXが下落しSKEWが上昇するバランスの取れた状態です。VVIX/VIXレシオと同様リスクオンできる状態と判断できます。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローです。
-69万枚を超える株式の売り圧力がオプション側にありました。
10:45付近にインザマネーのJun21’24C532が大きく売られており、この取引がオーダーフローが赤に変わった要因と考えられます。
インザマネーのコールを売る理由は、以前建てたコールの利食いか、現物株を持ってC532を売ることで確実にプレミアムを受け取るかのいずれかと考えられます。
詳細は動画で解説しています。
まとめ
VVIX/VIXレシオやSKEW/VIXレシオを見るとリスクオンのタイミングが到来したと言えます。