VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2024年7月9日(火)の米国市場の様子を分析しています。(各画像はクリックすると拡大します)
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
昨日はNYダウは下落しましたが、S&P500、NASDAQとも小幅に上昇しました。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
S&P500は小幅上昇でしたが、VIXに与える影響は軽微で昨日とほぼ同じ水準で推移しています。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
横ばい状態です。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
コンタンゴ状態で、かつ先物プレミアムを維持しているので安定と言えます。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
先物第1限月と第2限月の差が1.23と明確な広がりを見せ始めました。
VIX/VIX3Mレシオ
VIX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.87と基準の0.9を下回っていて、低位安定しています。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIX、VIXともに移動平均が下向きで良い兆候ですが、VVIX/VIXレシオが依然として下向きです。あく抜けまであと一歩という感じでしょうか。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
VIXは横ばいながらSKEWが上昇しており、バランスの取れた状態です。
SKEW/VIXレシオは移動平均を超えており、もうそろそろリスクオンのタイミングとなりそうです。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローです。
-197万枚を超える株式の売り圧力がオプション側にありました。
プット売りとコール売りが優勢でした。平常期の形と言えます。
ATMから-5%のデルタロング(緑)はプット売り、ATMから+5%のデルタショート(赤)はコール売りと、典型的な形です。
アウトオブザマネーのJul12’24C556やJul10’24C556などが買われているのはカバードコールの買い戻しだと思われます。
S&P500の上昇でコール売りが出るのは市場参加者が安心感を示していると考えられる良い兆候です。
まとめ
VVIX/VIXレシオの好転によるリスクオンタイミングはあと一歩ではないでしょうか。VIX分析から市場が落ち着いている様子がうかがえます。