【米国市況概況】5月31日VIXは反応していないのにSKEW指数が上昇しました

  • VIX
投稿者名:守屋 史章  金森 雅人

VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年5月31日(水)の米国市場の様子を分析しています。

 

米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)

NYダウ、S&P500、NASDAQとも下落しました。

ただしNYダウは天井を付けたように見えますが、S&P500とNASDAQは押し目のようにも見えます。

債務上限問題が落ち着いてはいませんが、それよりも金融引き締めに注目が当たっているようです。

NYダウ

<TradingView提供のチャート>

S&P500

<TradingView提供のチャート>

NASDAQ総合指数

<TradingView提供のチャート>

VIX指数とVIX先物の関係

独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフです。青が最新日を示しています。

前日とほぼ変わりがありません。

VIXタームストラクチャー

指数と先物の位置関係を示すグラフです。

指数よりも先物が上にあるので先物プレミアムでかつコンタンゴ状態は前日と変わりません。

<vixcentral提供のチャート>

第1限月と第2限月の差が8%を超えてきています。VIXを直接見ても問題ないようです。

<vixcentral提供のチャート>

コンタンゴチャート

<TradingView提供のチャート>

VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート

独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。

また広がってきていますので問題ないように見えます。

<TradingView提供のチャート>

VIX/VIX3Mレシオ

VX/VIX3Mレシオのグラフです。

0.89と少し反応していますが節目となる0.9を割り込んでます。

<TradingView提供のチャート>

VVIX/VIXレシオ

VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。

VVIX/VIXレシオが右肩下がりになっているので状況は良くない形です。
このようなときは相場が強くないことを示しています。

VVIXとVIXがともに下がってVVIX/VIXレシオが上がったときがエントリータイミングだと思われます。

<TradingView提供のチャート>

SKEW指数

SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。

VIXの反応の割にはSKEWの数値が上がっています。

SKEWによりオプションのバランスが傾いていることは分かりますが先回りする指標ではないのでこれを見ても暴落が分かるとは限りません。

SKEW/VIXレシオは上向いていて、VIXの反応の割にはSKEWが大幅に上昇しているのは気になる点です。

高かったタイミングは過去2021年にありましたが、その時はSKEWが上がってもS&P500は下落しませんでした。

引き続き注意して観察していきましょう。

<TradingView提供のチャート>

MOVE指数

債券のボラティリティを示すMOVE指数です。

<TradingView提供のチャート>

独自に作成した米国債イールドカーブを時系列に整理しました。青が最新日です。

SPYのオーダーフロー

SPYのオーダーフローを分析します。

-451万枚のショートポジション相当の取引がありました。

プット売りとコール売りが上位に来ているので平常時の姿であり、特に異変は感じられません。

-451万枚のショートポジションは過去3回相場の転換点になっているので、今回もそのようなシグナルになっている可能性がありますので注意して観察しましょう。

 

<Marchet Cameleon提供>

まとめ

VIXの姿や位置関係を見る限りは問題ないように見えますが、VVIXやSKEWでは動きがありました。
VVIX/VIXレシオは下向きを維持している状態は前日から変わりませんが、SKEWがVIXの動きに連動せずに上昇しているので、オプションで何か動きがあったのかもしれません。

ただし過去を見ると下落の指標になるわけではありませんので引き続き観察が必要です。

 

 

 

 

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守屋 史章(もりや ふみあき)株式会社M&F ASSET ARCHITECT 代表取締役
【著者情報】
守屋 史章(もりや ふみあき)
株式会社M&F Asset Architect 代表取締役
オプショントレード普及協会 主宰
宮崎県出身。
慶應義塾大学法学部法律学科卒、同法学研究科修士課程修了

個人投資家として企業数社に投資し、ビジネスオーナーを務める傍ら、証券などへの投資をも手掛ける。投資におけるオプション取引を普及させることを目的に、金森雅人氏と共同でオプショントレード普及協会を設立。短期トレーディングから長期運用まで幅広い投資ニーズをかなえる資産運用を研究している。
「オプションについて話せる仲間が見つからない」という孤独になりがちな投資の研究と意見交換を行える会員制のメンバーシップを中心に、個人投資家目線だからこその目からウロコの独創的アイデアと分かりやすい解説で、「わかる」「できる」をサポート。
資産運用を始めたい方へのバックアップや資産運用教育セミナー等を定期的に開催し、手厚いサポートと実直さで幅広い層から支持を得ている。
JPX(日本取引所グループ)主催のセミナー講師として登壇多数。日本におけるオプション取引の草分け的存在。
 

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