VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年1月11日(水)の米国市場の様子を分析しています。
【目次】
1. 米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
2. VIX指数とVIX先物の位置関係
(先物プレミアムか先物ディスカウントか)
3. VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー
(コンタンゴかバックワーデーションか)
4. VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
(VIXを視覚的に捉えるチャート)
5. VIXと日経225先物
(夜間の日経225先物トレードに生かすヒント)
6. VIX/VIX3M(VXX売りの指標)
7. VVIX/VIX(市場の不穏な気配を感じるチャート)
8. MOVE指数(債券のVIX)
9.SKEW指数(ブラックスワン指数)
10.米国債金利
【まとめ】
VIX21.09(△)
VIX指数<先物(〇)
先物プレミアム
VIX指数タームストラクチャー(△)
9Dバックワーデーション
VIX先物タームストラクチャー(〇)
コンタンゴ
短期先物指数コンタンゴ率=4.75% 中期先物指数コンタンゴ率(1ヶ月換算)=1.65%
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート (▲)
不安定な形状
VIX/VIX3Mレシオ=0.93↗(△)
VVIX/VIX=3.74↗(▲)GC
MOVE指数=115.17↘(▲)落ち着きを取り戻しつつある
SKEW/VIX(5.46)↘+SMA20(5.21)↗(△)GC(高い位置でのGCなので注意)
米国債金利 1年→ 2年→ 中期↘ 長期↘ 超長期↘
(1年>2年>20年>30年>5年>10年=3.543% 逆イールド)
1. 米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
日本時間2023年1月11日~1月12日朝の概況
12月CPI(米消費者物価指数)発表前ではありますが、インフレ減速期待から先回り的に買われたようです。長期金利の低下も相まって、ハイテク、景気敏感株が買われました。引き続きディフェンシブに売りが出ています。
VIX系指標では、VIXがまだ高く、タームストラクチャースクイーズチャートもまだ不安定な様子。VIX/VIX3Mも0.93と少し上昇したのは不安材料。一方でVVIX/VIXやSKEW/VIXの指標は良くなってきています。
さてSPYオプションのスマイルカーブ(デルタ基準)ですが、ここ数日は、SPYのプット側の30日平均IVが52週平均よりも低い状態(スキューが寝ている状態)が続いています。実際オプションのフローとしてもプット売りがオプション全体のデルタをロングにしています。marketchameleonより
NYダウ 33,973.02ドル +268.91(+0.80%)
S&P500 3,969.60pt +50.34(+1.28%)
NASDAQ総合指数 10,931.67pt +189.04(+1.76%)
2. VIX指数とVIX先物の位置関係
VIX指数(30D)=21.09(△)
指数<先物 先物プレミアム(〇)
短期先物指数コンタンゴ率=4.75% 中期先物指数コンタンゴ率(1ヶ月換算)=1.65%
3. VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー(コンタンゴかバックワーデーションか)
VIX指数:9Dバックワーデーション(△)
VIX先物:コンタンゴ(〇)
4. VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
不安定な状態(▲)
【比較】ちなみに、これがコロナショックのときのVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートです↓
<TradingView提供のチャート>
2020年2月21日から24日のところで一気に形が変わっている部分の拡大
<TradingView提供のチャート>
5. VIXと夜間日経225先物
赤ラインは日経225先物(12月限)、薄い青ラインがS&P500(E-mini)、黄青のロウソク足がVIX30D、赤緑のロウソク足がVIX9Dです。原資産の動きが先でVIXは後から動きます。VIXは先行指標にはなりません。ただ、VIXは市場参加者が原資産の変動に対してどう判断し、どう反応したかがわかります。
6. VIX/VIX3Mレシオ
VXXショート戦略のリスク指標の一つです。
VIX30D/VIX3M=0.93↗(△)
7. VVIX/VIXレシオ
VVIX/VIX=3.74↗(▲)GC
VVIX=VIXのインプライドボラティリテイ(IV)
これは先行指標になるのでしょうか?
VVIXもVIXと同じような動きをしているようにみえますが、動き方の比率に微妙にずれが出るため、VVIX/VIXの値が変化します。市場の不穏な雰囲気が、S&P500のプットオプションの買い(VIX)とVIXのコールオプションの買い(VVIX)の微妙な差を生み、その結果じわじわとVVIXとVIXの変動率の違いを生み出していく…。基本的に先に原資産であるS&P500のプットオプションが買われVIXが上がり始めます。そうするとVVIX/VIXレシオが下がり始めます。S&P500のプットオプションの買われ方を単独で見るのではなく、そのプットオプションの買われ方がVIXコールオプションの買われ方に対してどうか、という視点でみることで、相場の不穏な雰囲気を察知できるかもしれないということです。
【一応の基準】
6以上を維持◎(平穏 リスクオン) ※高すぎる値は警戒
5~6○(平穏へ)
~5×(5を割り込むような原資産の下落はちょっと長引く可能性)
8. MOVE指数
115.17(▲)↘ 落ち着きを取り戻しつつある
MOVE指数=いわゆるVIXの米国債版です(赤)。VIXは青、S&P500先物(ES)が黒のチャートです。米国債市場の不穏な動きを未然に察知するために使えるかもしれません。
9. SKEW
115.10↗
SKEW/VIXレシオ・移動平均クロス(△)GC
SKEW/VIX(5.46)↘ MA20(5.21)↗
10. 米国債金利