VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2022年9月27日(火)の米国市場の様子を分析しています。
【目次】
1. 米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
2. VIX指数とVIX先物の位置関係
(先物プレミアムか先物ディスカウントか)
3. VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー
(コンタンゴかバックワーデーションか)
4. VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
(VIXを視覚的に捉えるチャート)
5. VIXと日経225先物
(夜間の日経225先物トレードに生かすヒント)
6. VIX/VIX3M(VXX売りの指標)
7. VVIX/VIX(市場の不穏な気配を感じるチャート)
8. MOVE指数(債券のVIX)
9.SKEW指数(ブラックスワン指数)
10.米国債金利
【まとめ】
VIX32.60↗(✖)
VIX指数>先物(✖)
先物ディスカウント
VIX指数タームストラクチャー(✖)
バックワーデーション
VIX先物タームストラクチャー(✖)
バックワーデーション
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート (✖)
スパイク
VIX/VIX3Mレシオ=1.01↘(✖)
VVIX/VIX=3.49↗(▲)
MOVE指数 158.12↗(✖)
SKEW/VIX(3.69)↘+SMA20(4.52)↘(✖)DC
米国債金利 短期↘ 中期→ 長期↗ 超長期↗
(2年>5年>1年>20年>10年>30年=3.830% 逆イールド)
1. 米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
2022年9月27日~9月28日朝の概況
S&P500が本日も年初来安値を更新しました。10年債利回りがさらに上がって3.949%。VIXもさらに上昇(32.60pt)。VIX指数、VIX先物ともバックワーデーション継続。スクイーズチャートもスパイク。VIX/VIX3Mレシオも危険ライン1.0を超えています。このようなVIXの状態は、逆張りのタイミングになるという意見もありましたが、ここから下落相場がさらに長引くこともあります(ストラクチャースクイーズチャート参照)。VIX指数は6月13日の水準(34.03pt)までは上がってきておらず、またVIX先物のタームストラクチャーを6月13日(青)と比べると、6月13日の方が全般的に高く、まだ下値余地があるようにも見えます。
なお、最もオプションが取引されているSPYの手口を見ると、プロ、大口の機関投資家のプット買いがプット売りを上回っており、またコール買いもコール売りを上回ってきています。最近の下げの場面では、大口はプットを売っていましたが(デルタニュートラルをプット売りで実現していた可能性)、昨日は、プット買いが上回りました。
この数日以内に満期を迎える短期の建玉をみると、ATM付近はコールもプットも買われており、プットの権利行使価格350ドル以下で売りが目立ちます。
高いボラにもかかわらず買いオプションでヘッジしている可能性があること、プットの350ドル以下の権利行使価格では売られている状況等から、もう一発の大きな下げ又は急上昇というボラタイルな展開が予想されているということ、S&P500は3,500ptあたりが底になる可能性が示唆されます。
NYダウ 29,135.00ドル -125.82(-0.43%)
<TradingView提供のチャート>
S&P500 3,647.28pt -7.77(-0.21%)
<TradingView提供のチャート>
NASDAQ総合指数 10,829.50pt +26.58(+0.25%)
<TradingView提供のチャート>
2. VIX指数とVIX先物の位置関係
VIX指数(30D)=32.60↗(✖) 先物<指数 (✖)
<vixcentral提供のチャート>
3. VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー(コンタンゴかバックワーデーションか)
VIX指数:バックワーデーション(✖)
VIX先物:バックワーデーション (✖)
<vixcentral提供のチャート>
【比較】本日の先物タームストラクチャー(黒)と6月13日の先物タームストラクチャー(青)を比較してみます。
【比較】ちなみに、これがコロナショックのときのVIX先物タームストラクチャーです↓先物までバックワーデーションになると大きなショックの可能性が。
<vixcentral提供のチャート>
4. VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
スパイク(✖)
<TradingView提供のチャート>
【比較】ちなみに、これがコロナショックのときのVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートです↓
<TradingView提供のチャート>
2020年2月21日から24日のところで一気に形が変わっている部分の拡大
<TradingView提供のチャート>
5. VIXと夜間日経225先物
白黒ロウソクは日経225先物(12月限)、薄い青がS&P500(E-mini)、黄青のロウソク足がVIX30D、赤緑のロウソク足がVIX9Dです。原資産の動きが先でVIXは後から動きます。VIXは先行指標にはなりません。ただ、VIXは市場参加者が原資産の変動に対してどう判断し、どう反応したかがわかります。
<TradingView提供のチャート>
6. VIX/VIX3Mレシオ
VXXショート戦略のリスク指標の一つです。
VIX30D/VIX3M=1.01↘(✖)
<TradingView提供のチャート>
7. VVIX/VIXレシオ
VVIX/VIX=3.49↗(▲)
<TradingView提供のチャート>
VVIX=VIXのインプライドボラティリテイ(IV)
これは先行指標になるのでしょうか?
VVIXもVIXと同じような動きをしているようにみえますが、動き方の比率に微妙にずれが出るため、VVIX/VIXの値が変化します。市場の不穏な雰囲気が、S&P500のプットオプションの買い(VIX)とVIXのコールオプションの買い(VVIX)の微妙な差を生み、その結果じわじわとVVIXとVIXの変動率の違いを生み出していく…。基本的に先に原資産であるS&P500のプットオプションが買われVIXが上がり始めます。そうするとVVIX/VIXレシオが下がり始めます。S&P500のプットオプションの買われ方を単独で見るのではなく、そのプットオプションの買われ方がVIXコールオプションの買われ方に対してどうか、という視点でみることで、相場の不穏な雰囲気を察知できるかもしれないということです。
【一応の基準】
6以上を維持◎(平穏 リスクオン) ※高すぎる値は警戒
5~6○(平穏へ)
~5×(5を割り込むような原資産の下落はちょっと長引く可能性)
【長期チャート】
最低値=2.05(2020年3月12日) 最高値=10.51(2018年1月3日)
<TradingView提供のチャート>
コロナショックの場面(2020年3月12日 最低値=2.05)
<TradingView提供のチャート>
2018年クリスマスショック前後
<TradingView提供のチャート>
2018年VIXショック前後(10ポイントを超えていた 最高値2018年1月3日=10.51)
<TradingView提供のチャート>
8. MOVE指数
MOVE指数=いわゆるVIXの米国債版です(赤)。VIXは青、S&P500先物(ES)が黒のチャートです。米国債市場の不穏な動きを未然に察知するために使えるかもしれません。
158.12↗(✖)
<TradingView提供のチャート>
9. SKEW
120.39(逆行中)=原資産下落+SKEW上昇
SKEW/VIXレシオ・移動平均クロス(✖)DC
SKEW/VIX(3.69)↘ MA20(4.52)↘
<TradingView提供のチャート>
10. 米国債金利
<TradingView提供のチャート>