VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2022年1月24日(月)の米国市場の様子を分析しています。
【目次】
1. 米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
2. VIX指数とVIX先物の位置関係(先物プレミアムか先物ディスカウントか)
3. VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー(コンタンゴかバックワーデーションか)
4. VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート(VIXを視覚的に捉えるチャート)
5. VIXと夜間日経225先物(夜間の日経225先物トレードに生かすヒント)
6. VIX/VIX3M(VXX売りの指標)
7. VVIX/VIX(市場の不穏な気配を感じるチャート)
8. MOVE指数(債券のVIX)
9. 米国債金利
【結論】
VIX指数(30D )>先物(期近) 先物ディスカウント(▲) VIX29.90(▲)
VIX指数タームストラクチャー バックワーデーション(✖)
VIX先物タームストラクチャー バックワーデーション(▲)
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート (✖スパイク 短期が上抜け 但しセリングクライマックス?買い場?)
VIX/VIX3Mレシオ=0.97(△)
VVIX/VIX=5.16(△)
MOVE指数 83.77(△)
1. 米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
2022年1月24日~1月25日朝の概況
ダウは+99.13ドル の34,364.50ドル、S&P500は+12.19の4,410.13ポイント、ナスダック総合指数は+86.21 ポイントの13,855.13 ポイントでした。FRBによる金融正常化への道筋、ウクライナ情勢が警戒され長期投資家は様子見でしょうかか。短期筋の売買で相場は乱高下、ダウの下げ幅は一時前日比1,100ドルマイナスに。ただ、さすがに売られすぎとの声も聞かれ、押し目買いのタイミングとみた投資家が動き、なんとか前日比プラス圏にて着地。もっともVIX指数(30D)は一時30ptを超え、VIX指数、VIX先物とも市況の悪化を示すバックワーデーションとなっています。
2. VIX指数とVIX先物の位置関係
VIX指数(30D)=29.90(▲) 先物ディスカウント(▲)。
<vixcentral提供のチャート>
3. VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー(コンタンゴかバックワーデーションか)
VIX指数:VIX9D>VIX30D バックワーデーション(✖)
VIX先物:期近>期先 バックワーデーション(▲)
<TradingView提供のチャート>
【比較】ちなみに、これがコロナショックのときのVIX先物タームストラクチャーです↓先物までバックワーデーションになると大きなショックの可能性が。
<vixcentral提供のチャート>
4. VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
スクイーズ 上抜けスパイク(▲)。
<TradingView提供のチャート>
【比較】ちなみに、これがコロナショックのときのVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートです↓
<TradingView提供のチャート>
2020年2月21日から24日のところで一気に形が変わっている部分の拡大
<TradingView提供のチャート>
5. VIXと夜間日経225先物
白黒ロウソクは日経225先物(12月限)、薄い青がS&P500(E-mini)、黄青のロウソク足がVIX30D、赤緑のロウソク足がVIX9Dです。原資産の大きな下げでVIXも大きく上昇。午後は切り返してきましたがVIXは以前危険水域にあります。<TradingView提供のチャート>
6. VIX/VIX3Mレシオ
VXXショート戦略のリスク指標の一つです。
VIX30D/VIX3M=0.97(△) VXXショートの比率を下げる水準です(なお平常モードは0.9未満)一時、VXXのロング積み増し水準である1.1ptに到達。
<TradingView提供のチャート>
7. VVIX/VIXレシオ
VVIX/VIX=5.16(△) なんとか一時5ptを割りましたが、なんとか5ptを守って着地しました。
一般にVIXが先に反応しますので、株価の下落でこのVVIX/VIXレシオの値も下がります。株価が高値圏にある中、この値が天井をつけて下がり始めたら危険信号かもしれません。
<TradingView提供のチャート>
VVIX=VIXのインプライドボラティリテイ(IV)
これは先行指標になるのでしょうか?
VVIXもVIXと同じような動きをしているようにみえますが、動き方の比率に微妙にずれが出るため、VVIX/VIXの値が変化します。市場の不穏な雰囲気が、S&P500のプットオプションの買い(VIX)とVIXのコールオプションの買い(VVIX)の微妙な差を生み、その結果じわじわとVVIXとVIXの変動率の違いを生み出していく…。基本的に先に原資産であるS&P500のプットオプションが買われVIXが上がり始めます。そうするとVVIX/VIXレシオが下がり始めます。S&P500のプットオプションの買われ方を単独で見るのではなく、そのプットオプションの買われ方がVIXコールオプションの買われ方に対してどうか、という視点でみることで、相場の不穏な雰囲気を察知できるかもしれないということです。
【一応の基準】
6以上を維持◎(平穏 リスクオン) ※高すぎる値は警戒
5~6○(平穏へ)
~5×(5を割り込むような原資産の下落はちょっと長引く可能性)
【長期チャート】
最低値=2.05(2020年3月12日) 最高値=10.51(2018年1月3日)
<TradingView提供のチャート>
コロナショックの場面(2020年3月12日 最低値=2.05)
<TradingView提供のチャート>
2018年クリスマスショック前後
<TradingView提供のチャート>
2018年VIXショック前後(10ポイントを超えていた 最高値2018年1月3日=10.51)
<TradingView提供のチャート>
8. MOVE指数
83.77 債券市場のボラティリティは高止まり。
MOVE指数=いわゆるVIXの米国債版です(赤)。VIXは青、S&P500先物(ES)が黒のチャートです。米国債市場の不穏な動きを未然に察知するために使えるかもしれません。
<TradingView提供のチャート>
【長期】リーマンショックのすさまじさをみると、コロナショックが小さいスパイクに見えます。
<TradingView提供のチャート>
9. 米国債金利
<TradingView提供のチャート>