銀投資の入り口として銀オプションを使った投資法がありますが、銀価格は「銀ドル」なので円で取引する日本人には為替の影響があります。
ですがここでは為替については考慮しなくても影響は軽微です。
理由は銀オプションによる利益に比べると為替の影響はとても小さく保有できるリスクだからです。
その理由を理解するだけで、円高になっても不安に思うこと無く投資ができるようになります。
為替の影響について
まず銀現物を得る前に、プットを売るのが銀オプション投資の手法です。その時に今後の為替の変動を予測して、これから円高になるのだればもう少し売るのを待ち、円安になりそうなときに売りたくなります。
しかし、方向性を予測しない投資法、つまり保険料を稼ぐというプレミアムゲインを狙う場合には、為替の方向を当てに行く行為では従来の投資法と変わりがなくなってしまいます。
為替については、どっちにいくかわからないので、そこを変動パラメータとして考慮しないほうが精神的にも投資スタンスとしても合理的です。
為替の影響とROIの収益率の比較
仮に現在10万円の資金で投資をしているとします。
投資のリターンとして投下資金に対する回収率であるROIが18%程度を見込めるとしたときに、10万円持っていてROIが18%の場合は18,000円の利益を得られる計算です。
10万円が11万8000円になるということです。
為替が110円のままだと11万8000円になりますが、その期間中に為替が108円に変動していたら2%少ない11万5,460円の資金に目減りします。
為替の変動で110円が108円になった場合は約2%弱の変動でしかありません。
差額は118,000円-115,460円=2,360円です。
ドル円が2円変わって、差額は2,360円。
一方ROI18%の投資からのリターンは18,000円(差額を引いて11.5460円)
この時の為替変動額は、利益に対する変動ではなくて保有資金全体に対する変動になります。
為替の変動を恐れて投資をしないという選択より、ROI18%を取りに行くために投資をしたほうが良いと思えるのではないでしょうか。
仮に円高が進行した場合
ただ、110円が100円まで下げたら、およそ10%です。
ROI18%の投資が、為替の影響で8%まで低下してしまいます。
自己資金に対する為替の影響なので、リターンが8%まで下がるのではなくもっと影響があります。
でも、ROIは8%あります。
もし為替が90円まで円高になる確信があれば、投資による利益より為替差損が大きくなる懸念があるのでやめたほうが良いという判断になると思います。
この予測が当たるのであれば、わざわざ銀に投資するのではなく、FXでドル円を売買したほうが合理的です。
ご自身の今後の為替の相場観に合わせて、考えてみると良いのですが、当たらない(予測をしない)で良いのが銀オプション投資の考え方です。
ドル円の相場観なんて当たらないのであれば、プレミアムゲインという今利益が出る見込がある対象に投資したほうが優れている場合もあります。
円安になった場合
円安になったらその分為替差益が発生します。
つまり1ドル110円で買ったドルベースの商品を1ドル120円で売ることができれば、10円分の値上がりと同じ効果があるため、利益になります。
ただし、円高になるか円安になるかはわかりません。
相場がわからないというのは、テクニカル分析ができないというスキルの問題以上に、政治的な側面や政策・金融対策により過去のデータから予測はできないからです。
予測ができないというのはリスクが高いということを意味します。
リスクが高いものをそのまま引き受けてドル円の行方に委ねるよりは、その為替変動よりも利益になりやすい対象なりROIのものに投資をして、為替変動はリスクとして引き受けてしまえばよいのです。
リスクマネジメントとしての為替変動
リスクマネジメントの基本で、リスクは存在することが前提で、
- 回避する
- 転嫁する
- 低減する
- 保有する
という4つに分かれます。
リスクは全て保有するというのがこの銀オプションで扱っている内容です。
銀の価格変動についても、オプションの権利行使されるリスクも引き受けていて、為替変動も引き受けます。
もしこの為替変動が損益に与える影響が大きいと判断すれば、リスクを回避する(やらない)だけです。
リスクをどうコントロールするか考えてみるとROIに対しての為替変動は利益を出すための保有すべきリスクとして充分小さいという判断ができます。
保有するリスクの額が最大10万円でROIを18%狙いにいけるのだったら、他の投資に比べてもだいぶリスクが低いと感じるのではないでしょうか。
高いリスクは回避したり低減すればいい。
保有できるくらいリスクを下げたら、そのリスクを取ってリターンに変えればいいのです。
まとめ
銀オプション投資における為替変動はリスクが小さい。
小さい、保有できるリスクはそのまま引き受けるのがリスクマネジメントの考え。
銀オプション投資の考え方は、LEAPS取引で7ヶ月利回り31.7%を得た具体的手順でも登場します。