【米国市況概況】8月2日VIXの下落が顕著に出ました

  • VIX
投稿者名:守屋 史章  金森 雅人

VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年8月2日(水)の米国市場の様子を分析しています。

 

米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)

NYダウ、S&P500、NASDAQとも下げました。
米国債の格下げにより、債券売りで金利上昇したためハイテクがメインで売られました。

NYダウ

<TradingView提供のチャート>

S&P500

<TradingView提供のチャート>

NASDAQ総合指数

<TradingView提供のチャート>

VIX指数とVIX先物の関係

独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ

青が最新日を示しています。

全体的に浮き上がっています。
短期が中期・長期よりは低いのでコンタンゴは維持しています。
20以下で推移しているためそれほどインパクトは感じられません。

指数と先物の位置関係を示すグラフ

 

<vixcentral提供のチャート>

VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅

第1限月と第2限月の差は6%台と狭まってきています。

<vixcentral提供のチャート>

コンタンゴチャート

<TradingView提供のチャート>

VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート

独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。

一気にスクイーズになる兆候でしょうか。
幅が狭まってきています。

<TradingView提供のチャート>

VIX/VIX3Mレシオ

VX/VIX3Mレシオのグラフです。

0.9と基準に到達しましたので注意が必要です。

<TradingView提供のチャート>

VVIX/VIXレシオ

VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。

VVIXは今日の情報を織り込めていないので横ばいですが、VIXは上向いてきています。
今回の格下げの件は予想できなかったと考えるとVVIX/VIXレシオが下向いたときにクローズすべきだったかもしれません。

<TradingView提供のチャート>

SKEW指数

SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。

SKEWとVIXの値は移動平均を下回りバランスが崩れてきています。

<TradingView提供のチャート>

債券のボラティリティを示すMOVE指数

 

<TradingView提供のチャート>

独自に作成した米国債イールドカーブ

時系列に整理しました。青が最新日です。

SPYのオーダーフロー

SPYのオーダーフローを分析します。

オプションでは-10万枚の売り圧力がかかっていました。
金額ベースではSPYを構成している銘柄のオプションで22億ドルの売り圧力がありました。

プット売りとコール売りが上位に来ているときはそれほど波乱がないときの特徴です。
プット売りを逆張り的に入ってきて、下げてきたら買戻しをしてさらに下のプットを売っている様子がうかがえます。

普段と異なり10%下が赤(マイナス)となり、10%上が緑(プラス)となっている点が通常と異なっています。
OTMプット買いが実需として取引されているように見え、10%上のコール買いとプット売りを反発狙いで仕込んでいる可能性もあります。
短期的なプット買いで下落を抑えた取引がボラティリティ上昇の原因であり、、高い権利行使価格でコール買いとプット売りが反発狙いで入っているようです。

 

<Marchet Cameleon提供>

まとめ

まだ大変なことになっているほどではありませんが、VIX/VIX3Mが0.9に到達した点、VVIX/VIXレシオの下げが良くない下げになりつある点、SKEWとVIXのバランスが崩れているので不安定な状態だといえるのではないでしょうか。
一気に悪くなったわけではありませんが、少し不安定になったととらえればよいかと思います。

 

 

 

 

※当ブログは筆者の個人的な見解を示すものにすぎません。掲載しているデータの収集とその分析についても、筆者の個人的な視点に基づく分析であり、その有効性を保証するものではありません。解説においては、筆者の独自の視点で学習目的のために事例を簡略化している場合があるため、資料の中で紹介される事例は実際の相場とは異なる場合があります。取引事例についても、完全に再現しているものではなく、かつ、その有効性を担保するものではありません。また、本資料に含まれる記述や情報については十分精査しておりますが、その内容に関して筆者は一切責任を負いません。

※当ブログは過去の市場分析と戦略案を検討するものでありますが、取り上げている投資戦略についてはシミュレーション上のものであり、確実にそのような結果が出ることを示すものではありません。また、相場状況によっては損失が出ていた可能性も十分にあり得ます。当該シミュレーション結果が解説の中で説明した戦略の優位性や利益を保証するものではありません。よって、その内容を将来に当てはめて利益が出ることを保証するものではありません。投資手法の有効性などにつきましては、読者の皆様において十分に内容をご精査いただき、商品の特性、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分にご理解いただいたうえで、ご自身の投資判断と責任でお取引いただくようお願いします。

※株式取引(米国株式)、オプション取引(米国株オプション取引)においては、株式相場、為替相場の変動等によって損失が生じるおそれがあります。お取引に際しては、あらかじめお取引先の金融商品取引業者等より交付される契約締結前交付書面等を十分にお読みいただき、商品の性質、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分に御理解いただいたうえで、御自身の判断と責任でお取引いただきますようお願い申し上げます。
守屋 史章(もりや ふみあき)株式会社M&F ASSET ARCHITECT 代表取締役
【著者情報】
守屋 史章(もりや ふみあき)
株式会社M&F Asset Architect 代表取締役
オプショントレード普及協会 主宰
宮崎県出身。
慶應義塾大学法学部法律学科卒、同法学研究科修士課程修了

個人投資家として企業数社に投資し、ビジネスオーナーを務める傍ら、証券などへの投資をも手掛ける。投資におけるオプション取引を普及させることを目的に、金森雅人氏と共同でオプショントレード普及協会を設立。短期トレーディングから長期運用まで幅広い投資ニーズをかなえる資産運用を研究している。
「オプションについて話せる仲間が見つからない」という孤独になりがちな投資の研究と意見交換を行える会員制のメンバーシップを中心に、個人投資家目線だからこその目からウロコの独創的アイデアと分かりやすい解説で、「わかる」「できる」をサポート。
資産運用を始めたい方へのバックアップや資産運用教育セミナー等を定期的に開催し、手厚いサポートと実直さで幅広い層から支持を得ている。
JPX(日本取引所グループ)主催のセミナー講師として登壇多数。日本におけるオプション取引の草分け的存在。
 

関連記事

   オプション取引に関する無料メルマガを購読できます    登録はこちら
TOP
TOP