VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年5月16日(火)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
日本時間2023年5月16日~5月17日朝の概況
昨日はNYダウ、S&P500、NASDAQともに下落しました。
ホームデポの決算が発表され、消費関連株や景気敏感株が下げました。
その資金がハイテク系の株に向かったようでNASDAQは若干下げる程度で収まりました。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の位置関係
青が最新日であり、9DAYとVIXが少し反応した程度でした。
コンタンゴチャートです。
VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー
先物の姿を見るとコンタンゴの先物プレミアムであり問題が無いように見えます。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
W型になり下落のピークを付けたように見えます。
充分に幅が広がったところから戻し始めましたので、スパイクしないか注視する必要があります。
もしスパイクするようでしたら絶好の買い場になります。
VIX/VIX3Mレシオ
数値は0.86とまだ0.9以下で安泰ですが、VIXが反応しにくくなっていると言われています。
同系列の商品を比べるだけで良いのかという問題提起を私たちは行っています。
VVIX/VIXレシオ
VVIXが上昇し始めた4/20からS&P500は上昇が止まり、もみあい相場になっています。
VVIXは上昇中、VIXも上昇し始めましたので両方とも上向いており、手だし無用な相場のように見えます。
SKEW指数
SKEWとVIXも関連がある商品なので、VIXが下がればSKEWが上がり、VIXが上がればSKEWが下がるという位置関係にありますので、同じ商品を異なる視点で見ているという感じです。
今はバランスが崩れていているように見えます。
MOVE指数
SPYのオーダーフロー
昨日のフローはデルタ換算で157万枚のロングポジションとなりました。
最近のボリュームを見ると少しずつプラスに変わってきたようです。
ただしオプションではプラスですが原資産をショートしている可能性もありますので、方向性についてはブルだから上昇するわけではありません。
昨日はプット売りが先頭に来ました。
逆張り的に相場が下げてボラティリティが上昇したためプットを売っているように見えます。
P412が売られていて1千万枚相当の買いポジションですが、積極的に売っているのでプットの買戻しではないようです。
プット売りとコール売りが先頭に来るのは通常期の証拠だと考えられます。
まとめ
VIXの伝統的の値だけ見る(タームストラクチャーやVIX/VIX3Mの分析)であれば問題ないように見えますが、VIXオプションのプレーヤーとS&P500オプションのプレーヤーは異なる目的で取引していますので、VVIXが上がる状態というのは相場変動のサインとして身構える必要があります。