VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年5月3日(水)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
日本時間2023年5月3日~5月4日朝の概況
NYダウ、S&P500、NASDAQは3指標とも下落しました。
FOMCの結果0.25%の利上げは織り込み済みでしたが、パウエル議長のコメントに好感できる内容が無かったため下落したようです。
天井になりつつあったことはVIX指標から分析でしました。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の位置関係
コンタンゴチャートです。
コンタンゴ率が若干下がってきました。
10pt程度がピークと考えていたので、戻しているように見えます。
先物で期近買い期先売りをしている方は安心感がある形を維持していると言えるのではないでしょうか。
VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー
先物と指数の位置関係については、コンタンゴで先物プレミアムの状態に変化はありません。
最新が青のチャートで戻していますが、前日(5/2時点)の赤の時点でヘッジを掛けておくのは有効だったと考えられます。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
昨日のVIXは0.54ポイント上がっています。
9Dと1Yは下げて、3Mや6Mは上昇しましたが、それほど大きなインパクトは無いようです。
VIX/VIX3Mレシオ
0.9を割り込んだままで異変はありません。
VVIX/VIXレシオ
天井は予想されていて、VVIXが上がってVIXが上がってきていないという状況でした。
今後VIXが上がり始めてVVIX/VIXレシオが下落したのち、VVIXとVIXが低下する局面が再度ロングする局面と考えれます。
SKEW指数
SKEWとVIXの位置関係が悪化しています。
VVIX/VIXレシオの移動平均を割り込んでいるのが分かります。
ただし相場が動いからであって、未来を示唆するものではありません。
MOVE指数
SPYのオーダーフロー
579万枚のロングポジション相当のポジションでした。
1番大きいのはプット売りで変わらずですが、次にコール買いとプット買いが来ています。
ロングストラングル的な大きな変動を予想した動きかもしれません。
特筆すべきは5月19日のプット買いがある点が気になるところです。
いずれにしても買い玉が増えてきた点が変化のポイントであり、明日以降オーダーフローの定点観測でチェックしたいところです。
まとめ
VIX自体の数字は悪くありませんが、VIX9Dの位置関係が5/2から上向いていますが少し緩和されつつあります。
ただしVVIX/VIXレシオは悪い状態であり、SKEW/VIXレシオも悪いバランスとなりました。
従来のVIX指数やVIX3Mとの比較では判断が難しいですが、VVIXやSKEWの複合的な指標を分析することでこのような異変が分かるのではないかと思います。