VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2022年12月5日(月)の米国市場の様子を分析しています。
【目次】
1. 米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
2. VIX指数とVIX先物の位置関係
(先物プレミアムか先物ディスカウントか)
3. VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー
(コンタンゴかバックワーデーションか)
4. VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
(VIXを視覚的に捉えるチャート)
5. VIXと日経225先物
(夜間の日経225先物トレードに生かすヒント)
6. VIX/VIX3M(VXX売りの指標)
7. VVIX/VIX(市場の不穏な気配を感じるチャート)
8. MOVE指数(債券のVIX)
9.SKEW指数(ブラックスワン指数)
10.米国債金利
【まとめ】
VIX20.75↗(△)
VIX指数<先物(〇)
先物プレミアム
VIX指数タームストラクチャー(△)
9D30Dバックワーデーション
VIX先物タームストラクチャー(〇)
コンタンゴ
短期先物指数コンタンゴ率=12.13%↘ 中期先物指数コンタンゴ率(1ヶ月換算)=0.80%↘
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート (△)
9Dが反応 底を打った可能性も
VIX/VIX3Mレシオ=0.87↗(〇)
VVIX/VIX=4.08↘(✖)但し、目先としてはよい形(〇)
MOVE指数=126.50↗(✖)但し、落ち着いてきている
SKEW/VIX(5.67)↘+SMA20(5.06)↗(◎)GC
米国債金利 1年↗ 2年↗ 中期↗ 長期↗ 超長期↗
(1年>2年>20年>5年>30年>10年=3.586% 逆イールド)
1. 米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
日本時間2022年12月5日~12月6日朝の概況
ISM(米サプライマネジメント協会)非製造業景況感指数が市場予想を上回りました。先週末の雇用統計も労働市場の賃金インフレの傾向を示すものであり、FRBの金融引き締めの長期化が懸念されるとともに、その結果として企業業績の悪化への警戒も強まってきたようです。株価は下落しました。
VIXは上昇し20ptを超えました(20.75pt)。また、9Dが強く反応しています(バックワーデーション)。その結果、タームストラクチャースクイーズチャートは目先底をうった形に。前回のスパイクから約2ヶ月ですので、このあたりで反転する可能性もあります。なお、その他各指標はまだ反応していません。。
NYダウ 33,947.11ドル -482.78(-1.40%)
<TradingView提供のチャート>
S&P500 3,998.83pt -72.88(-1.79%)
<TradingView提供のチャート>
NASDAQ総合指数 11,239.94pt -221.56(-1.93%)
<TradingView提供のチャート>
2. VIX指数とVIX先物の位置関係
VIX指数(30D)=20.75↗(△)
指数<先物 先物プレミアム (〇)
短期先物指数コンタンゴ率=12.13%↘ 中期先物指数コンタンゴ率(1ヶ月換算)=0.80%↘
<vixcentral提供のチャート>
3. VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー(コンタンゴかバックワーデーションか)
VIX指数:9D30Dバックワーデーション(△)
VIX先物:コンタンゴ(〇)
<vixcentral提供のチャート>
4. VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
9Dが反応 底を打った可能性も(△)
<TradingView提供のチャート>
【比較】ちなみに、これがコロナショックのときのVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートです↓
<TradingView提供のチャート>
2020年2月21日から24日のところで一気に形が変わっている部分の拡大
<TradingView提供のチャート>
5. VIXと夜間日経225先物
赤ラインは日経225先物(12月限)、薄い青ラインがS&P500(E-mini)、黄青のロウソク足がVIX30D、赤緑のロウソク足がVIX9Dです。原資産の動きが先でVIXは後から動きます。VIXは先行指標にはなりません。ただ、VIXは市場参加者が原資産の変動に対してどう判断し、どう反応したかがわかります。
<TradingView提供のチャート>
6. VIX/VIX3Mレシオ
VXXショート戦略のリスク指標の一つです。
VIX30D/VIX3M=0.87↗(〇)
<TradingView提供のチャート>
7. VVIX/VIXレシオ
VVIX/VIX=4.08↘(△)但し、短期的にはよい形
<TradingView提供のチャート>
VVIX=VIXのインプライドボラティリテイ(IV)
これは先行指標になるのでしょうか?
VVIXもVIXと同じような動きをしているようにみえますが、動き方の比率に微妙にずれが出るため、VVIX/VIXの値が変化します。市場の不穏な雰囲気が、S&P500のプットオプションの買い(VIX)とVIXのコールオプションの買い(VVIX)の微妙な差を生み、その結果じわじわとVVIXとVIXの変動率の違いを生み出していく…。基本的に先に原資産であるS&P500のプットオプションが買われVIXが上がり始めます。そうするとVVIX/VIXレシオが下がり始めます。S&P500のプットオプションの買われ方を単独で見るのではなく、そのプットオプションの買われ方がVIXコールオプションの買われ方に対してどうか、という視点でみることで、相場の不穏な雰囲気を察知できるかもしれないということです。
【一応の基準】
6以上を維持◎(平穏 リスクオン) ※高すぎる値は警戒
5~6○(平穏へ)
~5×(5を割り込むような原資産の下落はちょっと長引く可能性)
8. MOVE指数
126.50(✖)↗ 落ち着きつつある
MOVE指数=いわゆるVIXの米国債版です(赤)。VIXは青、S&P500先物(ES)が黒のチャートです。米国債市場の不穏な動きを未然に察知するために使えるかもしれません。
<TradingView提供のチャート>
9. SKEW
117.75↘
SKEW/VIXレシオ・移動平均クロス(◎)GC
SKEW/VIX(5.67)↘ MA20(5.06)↗
<TradingView提供のチャート>
10. 米国債金利
<TradingView提供のチャート>