VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2024年12月19日(木)の米国市場の様子を分析しています。(各画像はクリックすると拡大します)
VIX分析の各指標の見方と判断方法はこの記事の一番下の動画で解説しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
昨日はNYダウは上昇し、S&P500とNASDAQは下落しました。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
昨日の株価は値動きが少ないですがVIXはスパイク状態からは元に戻りつつあります。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
スパイクで上昇した指標は下落しました。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
指数が先物よりも高い位置にいる先物ディスカウント状態です。
先物がコンタンゴからバックワーデーションに変わりました。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
青が本日のVIX先物、黒が前日のVIX先物の値です。
指数は落ち着いてきましたが先物が反応し始めて前日より高くなりバックワーデーション化している。
VIX/VIX3Mレシオ
VIX/VIX3Mレシオのグラフです。
1.0と基準の0.9を上回り警戒ラインであるの1.0にいるため引き続き警戒が必要です。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VIXが下げたためVVIX/VIXは回復しましたが、VVIXが高くなった点が注意すべきポイントです。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
VIXは下落しSKEWも下落しています。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローです。
+697万枚を超える株式の買い圧力がオプション側にありました。
特筆すべきは機関投資家のボリュームが通常に比べてかなり増えた点です。
これは原資産を売却したため不要になったカバードコール売りを買い戻したと考えられます。
また、昨日増加していたプット売りが買い戻されて増加しています。
まとめ
株価はとどまったためVIX指数のスパイクが解消されましたが、先物の期近が反応しバックワーデーションに変わった点と、VIXオプションが買われた様子を示すVVIXが高くなった点により、まだ安心できる状態ではありません。
【参考動画】
VIX分析の各指標の見方と判断方法の解説(2024年11月27日収録分)
VIX分析の補完【VIXタームストラクチャーとVVIX】