VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年8月16日(水)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
NYダウ、S&P500、NASDAQとも下落しました。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
VIXはほとんど反応していません。
この程度の下落ではVIXの数値は反応していないことがわかります。
VIXの数値自体は低位にあるため、複合の視点が必要なことが分かります。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
第1限月と第2限月の差は限月交代してコンタンゴ率がリセットされましたが、3%台は低い値で第1限月が買われている傾向にあります。
コンタンゴチャート
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
スクイーズ状態は少し狭まってきましたが、まだセリングクライマックスまでには狭まっていません。
VIX/VIX3Mレシオ
VX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.88と基準の0.9に近いですが、この数値から判断はできないでしょう。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIX/VIXレシオは下を向いていて、VVIXとVIXが両方上を向いているので状況は悪いと思われます。
VVIXとVIXが両方とも下を向いているときにVVIX/VIXレシオが上向きになれば底入れのタイミングですがまだそのような状態になるのは時間がかかりそうです。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
SKEW/VIXレシオにすると移動平均を下回って悪い状況だと言えます。下落トレンド中であることを意味しています。
SKEW/VIXレシオが移動平均を上回っていると底入れのタイミングではないかと考えられます。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローを分析します。
-100万枚の売り圧力がありました。
中身を見るとプット売りとコール売りが上位に来ています。
チャートを見ると高値で寄り付いて下落したので、寄付き時にコール売りとプット売りが出て、その後プットの買い戻しがあったためデルタ換算でマイナスとなったと思われます。
5DAY以内の短期取引が中心であったためオプションのフローから特別な動きがあったかというのは感じ取られません。
まとめ
VIX単体の数値だけではなく周辺の複合指標で今の状況を見ていく必要があると言え、その結果VVIXとSKEWで悪い状態であることが分かります。