VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年6月1日(木)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
NYダウ、S&P500、NASDAQとも上昇しました。
債務上限問題が解決する道筋が見えたことで安心感が広がりました。
景気動向についてはまちまちであり、ADP雇用調査では失業者の数が減り金融引き締めが長引く方向の話ですが、製造業景況感指数が50を割り、金融引き締めの緩和の方向ということで、株式の上げ方は強くありませんでした。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフです。青が最新日を示しています。
株価はさほど上がっていませんがVIXが急激に下げました。
債務上限問題が落ち着いたからでしょうか。
指数と先物の位置関係を示すグラフです。
指数と先物の関係は先物プレミアムで変わりがありません。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
第1限月と第2限月の差は広がってきました。
コンタンゴチャート
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
スクイーズチャートも一気に広がりました。
VIX/VIX3Mレシオ
VX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.83と基準の0.9から一気に下げました。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIXが急降下しVIXも急降下しました。VVIXの移動平均も下げてきました。
VIXは数日後に移動平均が下がると思われ、VVIX/VIXレシオが上向きになるのも近いかもしれません。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
SKEWはVIXが下がったため急上昇しました。
SKEW/VIXレシオは9.72と高めの数値を示しています。
10ポイントあたりまで進むと気を付けないといけないサインかもしれません。
MOVE指数
債券のボラティリティを示すMOVE指数です。
独自に作成した米国債イールドカーブを時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローを分析します。
+457万枚相当のロングポジションでした。
内容についてはコール売りとプット売りが多く、コール買いはコール売りの買戻しであると想像できます。
相場が上昇しているときにコール売りが来ているのは綺麗な形だと思われます。
コール売りの買い戻しがあるのは上値が強い可能性があります。
昨日SPYのボリュームが赤が多くなった(SPYショートポジションが多い日)は転換点になり方向が逆転する節目ではないかと考えられます。
今回も転換点となりましたので、引き続き市場の声として何かヒントになるかウォッチングしていきたいと思います。
まとめ
VIXに関連しては相当下げましたので、VIXの姿や短期中期を比較する分析方法ではリスクオンを示しています。
VVIX/VIXレシオも反転する兆しが見えてきたようです。
SKEW/VIXレシオは上昇しましたが9.72ポイントは2021年のピークに近づくので気を付けたいところです。