あなたは下落相場で訪れるダブルボトムの2番底を狙うのに、損失限定で戦えたらいいなと思ったことはありませんか?
このような戦略はプットオプションを買うと実現します。
2016年の2月にP16375を買って、わずか9日で111万円もの利益をあげることができた事例を紹介します。
この投資スタイルを身に付ければ、1度目の下落から回復してきた天井を狙い撃ちすることが出来ます。
ダブルボトムが明確になる前に先回りして投資が出来るということは、予想通りにダブルボトムを形成した際には大きな利益を得ることが出来るうえに、損失限定のため、予測が外れたとしても最大損失が限られているため安心感があります。
この記事では実際の日経平均相場を事例に、プットオプションをどのように扱ったら100万円を超す利益を出せるか解説していますので、記事を読み終わったころには明日から早速実践してみたくなるでしょう。
ダブルボトムの2番底狙いを実現するプット買い
今回登場する個人投資家の事例として、Yさんは証券投資に回せる資金量が200万円ほどです。
株式経験は長いのでテクニカル分析や、上昇下落の相場観は多少あります。
彼の相場観として、2016年2月3日に「一度目の下落相場に乗り遅れたので、ダブルボトムの2番底を狙いたい。一旦下げ止まり、再度上げてきたが、その上げを帳消しにしたタイミングでショートだ!」と考えていました。
ダブルボトムとは
ダブルボトムとは、テクニカル分析の基本的なローソク足の形を示しています。Wの字のように、2回底値をつけるという形から名称が付けられています。
ダブルボトムを形成する理由は、一度底値をつけて反転し上昇してきたが、上昇圧力が弱く、戻り売りが待ち構えて上昇しきれずに2番底を形成しやすいと考えられます。
ダブルボトムの最初の下落を利益にするのが一番利益が大きく取れます。
しかし逆張りの戦い方となるために、損失も大きくなるハイリスクハイリターンの取引となるので、なかなか上昇相場で逆張りをしにくいという状況があります。
Yさんは最初の下落相場に乗っておきたかったけど、一般の投資家の例に漏れず逆張りを出来なかったという後悔がありました。
そしてテクニカル分析を勉強した中で、ダブルボトムを形成するタイミングに差し掛かっているという分析結果を出しました。
今回の事例では、戻り売りを跳ね返すほど強い上昇であればそのまま上昇していくことになるので、現時点がちょうど戻り売りが強いのか上昇圧力が強いのか判断が難しいポイントでもあります。
ダブルボトムであると判断できるためには下落が必要
テクニカル分析の問題点は、Wの字になって初めてダブルボトムであると判断できるという点にあります。
つまり過去を振り返ればダブルボトムであると確認できるものの、ダブルボトムの最中にダブルボトムであることを区別できないので、もしダブルボトムを形成するのであればここから下落するはずだと予測するしかないのです。
もしダブルボトムを確認した後に投資を開始する場合には、2パターンしかありません。
1.今から下落するのを確認してからエントリーを開始する
2.Wの2番底をつけたあとの買いポジションを取る
もし下落するのを確認してからエントリーを開始するとそれだけ安全性は高まりますが収益額は小さくなります。
また、2番底をつけたあとの買いポジションでは、2番底を形成するまでの下落場面を利益に変えられず収益機会を1回逃すことになるのと共に、2番底を確認できないうちに日経平均がずるずると下落して2番底が訪れない可能性もあります。
ですので本来はテクニカル分析で分かりやすいサインが出そうな場面で、先回り予測して収益機会を逃さずに投資をしたほうが投資効率は良くなります。
ですが先回りで予測すると予測が外れたときの損失コントロールが非常に重要になります。
だからオプションを買うことで損失を限定にしたのです。
プット買いの投資判断は損失限定によるメリットの享受
Yさんはこの場面で「このチャートの形はダブルボトムを形成するはずだ」と考えて、現在は1番目の下落から回復した戻りの天井であり、また次に下落が待っていると予想しました。
しかし戻り売りの絶好のタイミングであろうと思うものの、あまりテクニカル分析にも自信が無いため予想が当たらないことも充分ありえます。
そこで損切りラインはしっかりと決めておく必要があるのですが、先物をショートしても読みが外れたらそのまま上がって行くかもしれないため、単純にショートするのは怖い。
そして一番の希望は、相場の逆行に一喜一憂したくないという思いがありましたので、損失は限定にして日経平均の下落を利益に変えるポジションをいかに実現するかということを考えていました。
そこでプットオプションを買えたわけです。
プット買いは購入金額のだけが最大損失なので、損失限定です。それでいて下落方向は利益に変わるので、Yさんの相場観を反映するには最適の商品となっています。
相場観と投資額(支払額)のバランスをはかる
2016年2月3日の日経平均は17,170円程度でした。
そこでプットオプションの価格表を見るとこのようになっています。
この中から候補になる権利行使価格として抽出したのが下記の3つの選択肢です。
この表を見て分かることは、基準ライン(権利行使価格)よりも下で、着地する確率が高いものは値段も高いということが分かります。
現在17,170円であり、P17000まではわずか170円下落すれば到達します。
一方P16750までは420円の幅があります。P16375に至っては795円もの幅があります。
その距離に比例するように購入金額がそれぞれ付けられており、もしP17000を購入した場合には25.5万円の購入金額となります。基準ラインをP16750に引き下げると、17.5万円の購入金額となり、P16375は10万円となります。
現在の日経平均に基準ラインが近ければ近いほど、購入金額が高いということが分かります。
基準ラインが高い場合は、例えプットオプション買いが損失限定であっても、もし相場の方向が当たらなければ失う金額も大きくなるということを意味します。
Yさんの希望としては最大損失は10万円程度の銘柄が理想であり、出来るだけその範囲内で抑えたい。
そのように考えて価格表を見ると、02月限 P16375あたりなら10万円程度で買えそうだということがわかります。
そこでYさんの投資判断を再度振り返ってみると、ダブルボトムの2番底への下落を狙う予想をしていましたので、下落の量は、正確に予測するのは困難ですが、もしかしたら16,000円あたりまでは下げるのではないかと考えていました。
そして10万円程度までの損失はOKであることから、 02月限P16375あたりを購入しておけばいいのではないかという結論になりました。
Yさんの最終結論は2月限のプット16375を10万円で買うという決断です。
Yさんのもくろみとしては2月上旬に16,000円あたりで着地すれば、プット買いは375,000円の受取が見込めます。
損益予想としては、受取額は(基準ライン-SQ値)円×1000倍で計算されますので、(16,375-16,000)円×1000倍 =375,000円となります。
このように日経平均が16,000円まで下落したならば、オプションからは37.5万円の受取があることが分かります。
実際の利益を算出するにはこの37.5万円からオプションの購入金額を引くことになります。
オプションをいくらで購入したのかを加味するとと、実利益=受取額-購入時支払額=SQ決済時の受取額(375,000円)-
プットオプション代金(100,000円)=275,000円
よって27万円の利益を見込めるのではないか、と考えました。
実際の損益の結果は利益が100万円超に
2月上旬に16,000円あたりで着地すれば175,000円利益が見込めて、しかも負けても100,000円の損失限定ですみます。
この投資の結果は、2月12日にかけて予想通以上に15,000円近くまで下落しました。
結局2/12のSQ時点では15,159円となりました。
Yさんのトレードの成績を計算すると、(16,375(基準ライン)-15,156(SQ値))円=1,219円の受取額となります。
実際の受取額は1000倍しますので、1,219円×1,000倍=1,219,000円となります。
受取額から購入時支払額(100,000円)を引けば実利益が出ますので、最終的な実利益としては1,219,000円-100,000円=1,119,000円です。
よって1,119,000円の利益という結果になりました。
結果は予想していた27.5万円の想定利益を大幅に超えて、充分な利益を得ることが出来ました。
Yさんは相場観がぴったりと当てはまり大きな利益を手に出来ました。
仮に相場観が外れて株価が上昇したとしても、当初のオプション購入代金の10万円の損失を被るだけで済んだことになります。
つまり10万円の最大損失リスクを取ることで100万円を超えるリターンを得ることが出来たのです。
このように大きく利益を出せたのはダブルボトム予測がぴったりと当てはまったからですが、下落量までは正確に予測できません。
Yさんの予測では16,000円程度まで下落するのではないかと予測を立てていましたが、実際には15,159円まで下落したために結果が上ブレしました。
この上ブレを利益に変えられたのは、損失限定で利益が無限大であるオプション買いの特徴を利用したからです。
プット買いは先物をショートした時と同じような損益推移を見せますので、日経平均が下落すればするほど利益が出ます。
今回のように予測株価の16,000円よりも下落すればするほど利益が大きくなりますので、このような暴落相場になる場合にはプット買い戦略はとても良いパフォーマンスを出すことができます。
損失限定の安心感からSQまで放置できたから利益を取れる
また、このように大きく利益を伸ばせた要因としては、SQまでオプションを保有し続けたことも大きな要因です。
オプションはSQ前に途中決済することも可能なので、利益が乗っている時に反対売買をして決済しても利益確定することが出来ます。
ですが今回はYさんの相場観はダブルボトムで底は予測できないし、何より損失限定という安心感からトレンドフォロー的に利益が出るところまで引っ張ってみようと考えていました。
Yさんのトレードスタンスにあるように相場に一喜一憂したくないという思いから、はじめからSQ通過を狙う覚悟で投資をしていたのが勝因であると考えられます。
このようにSQまで引っ張れるのは損失限定のオプションによる安心感があるからに他なりません。
もし先物をショートしていた場合には、逆行してしまったらロスカットを入れることになり、相場に一喜一憂しながらこのような100万円を超す利益は取れなかったかもしれません。
損失限定の安心感に加えて、利益を伸ばす際の安定剤としてもオプションを活用できたということです。
まとめ
Yさんの手掛けた2番底狙いのプットオプション買いとして、相場観は
「 戻り売りのタイミングだ」
「Wボトム2番底16,000円あたりまで見に行くはず」
「今回の投下資金は10万円前後まで」
これより02月限P16375@100を1枚買いを行い、100,000円を投資しました。
結果はオプションからの受取額1,219,000円であり、オプション購入金額が100,000円であったTめ、実利益は1,119,000円を稼げることが出来ました。
このように大相場となって充分な利益を上げられた理由は、少しの利益で利食いしてしまわずにSQまでポジションを持ち続けられる心理絵的余裕があったためでした。
このようにオプションを使えば損失限定出ていて利益を大きく伸ばせる戦い方を実現できます。
以上の内容は下記の動画から引用しました。
記事には書いていない注意点がありますので、動画で確認してください。