あなたはアメリカ利上げの直後に、割安になった国債を購入しようと思っていませんか?実は、FRB会合の前にすでに買い時が到来しています。
利上げ後ではもしかすると遅いかもしれません。
現在の利上げ幅は、FRB会合で0.25~0.5%とエコノミストが予測していますが、国債の値動きチャートから金利を分析すると、8月から1%以上の金利上昇となっています。
私が2016年6月に購入した米国債の当時の金利は1.80%でした。
今購入すると、およそ2.5%の金利の国債を購入できることになり、利上げ幅予想を上回るディスカウント価格で米国債を購入することが出来るのです。
あなたもこの記事を読むことで現在の国債が割安であることを判断して、私が購入したよりも有利な条件で米国債を購入しませんか?
国債の直近4ヵ月の価格推移
12月14日にFRB会合が行われて、アメリカの金利が利上される予定です。
ところが、国債価格の推移をチェックすると、すでに国債価格は利上げ前に利上げを織り込んでいるのです。
私が保有している26年満期の米国債の値動きチャートに対して、8月から1ヵ月ごとにその当時の価格を整理してみました。いずれも満期日の15日に合わせて、月ごとの15日前後に揃えています。
- 8月 国債価格 85.660
- 9月 国債価格 84.661
- 10月 国債価格 83.818
- 11月 国債価格 80.235
- 12月 国債価格 78.401
国債価格は、11月の次期アメリカ大統領選直後に一気に価格が下落しました。
額面が1,000ドルになっていて最終価格が決まっているので、1,000ドルのリターンを得る商品を安く買えば安く買うほど、金利計算に換算すると高い金利で購入できるということが分かります。
国債は満期に1000ドルで償還されることが決まっている
国債価格は上記のおよそ5ヶ月の間でも78.401~85.660と、価格変動があります。
今回扱っている2016年8月15日満期の国債は、満期になると必ず1000ドルで償還されることが決まっています。アメリカが借金した分の借用証書なので、アメリカが責任を持って借りたお金を返してくれるのです。
グラフにすると、このように右肩上がりに価格が変動します。
実際に満期が残り1年未満となった国債価格を見てみると、限りなく100に近くなっていることが分かります。下記が満期2017年8月15日の国債の価格です。99.49678という値段が付いています。
この国債価格が100で償還されるということは、国債の発行の時点で決まっています。この国債に対して、市場で取引している価格が現在の価格となっています。
つまり、冒頭の価格推移は、長い目で見ると変動幅は限りなく小さいということが分かります。
残り9.6年あり、1000ドルまで価格が上昇していく途中で、額面は834ドルだったものが12月に784ドルに下落しています。しかし年数が経てば必ず額面の1000ドルで償還されるのです。
STRIPS債
今回の事例で挙げているのはSTRIPS債と言われる、金利による配当を生まないゼロクーポン債になります。
金利が発生しない代わりに本体価格を割安で購入できるようにしています。
だからチャートのように右肩上がりのグラフが描かれるのです。
通常のクーポン付債権は半年に1回ずつ金利を受け取りますが、その分を割り引いているので、およそ10年後に満期を迎えて額面の1,000ドルを受け取れるSTRIPS債が、現在の価格で784ドルとなっているのです。
金利の計算
この場合の金利計算をすると、わずか数か月でも利率の変動が読み取れます。
本来はSTRIPS債は複利にて再運用できる商品ですが、ここでは計算をしやすく単利にて計算してみます。
利率の計算は
利率=利益額÷残存年数÷購入価格
で計算されます。(ここでは計算を簡略化し相対比較できるように単利で計算します)
これを8月から当てはめてみると
- 8月の利率 1.559%
- 9月の利率 1.692%
- 10月の利率 1.810%
- 11月の利率 2.281%
- 12月の利率 2.545%
となっています。満期までプロットすると、下記のようなグラフになります。
現在は金利が上下に変動していても、満期直前になるとほとんど利益を得ることが出来ない程度にまで金利が減っていきます。
満期までは市況金利がどのように変動するか分かりません。
今回FRBが利上げした後に、数か月後にすぐ利上げするかもしれません。
バブルの兆候があれば、リーマンショック直前のように金利を短期間で引き揚げていく可能性もあります。
逆に、今回利上げに踏み切った後に景気が落ち込むと、再び利上げを行うために相当程度の期間を要するかもしれません。
このように、金利動向はアメリカ経済によって決まるので、予測することが困難です。
しかし、米国債は額面の1000ドルで必ず償還されることが決まっています。数少ない右肩上がりの金融商品と言えるでしょう。
買い時の基準は投資家自身の評価
では、いつが買い時なのでしょうか。
もし今回の利上げ後に景気が減速することなく利上げを繰り返していくようであれば、米国債価格は低下するでしょう。
しかし、利上げ後に足踏みするようであれば、米国債価格は予定通り10年後の満期償還に向けて少しずつ価格が上がっていきます。
このタイミングは将来の株価の予測と同じで、当たるかどうかわかりません。エコノミストが一生懸命予測していますが、当たる場合もあれば当たらない場合もあります。
また、エコノミストが予測したところで、不測の事態(9.11テロなど)が起きると市況はパニックになり経済の推移とは関係なく価格が変動することもあります。
つまり経済の予測は難しいのです。
また、利上げ幅についても0.25%なのか0.5%なのか、エコノミストの評価は割れています。
何が正解なのかは、FRBの会合の後に決まります。もしかすると、現在の国債価格である784ドルが、割安すぎるかもしれません。
市場予測は実は1%の利上げを予測していて、オーバーシュートして割安になりすぎただけなのかもしれません。
10年国債の価格からの金利計算をして分かるように、8月から1%近くも国債金利が上昇していることから考えると、もしかしたらFRBの会合で利上げ幅が決定した後に、オーバーシュートに気付いた市場参加者たちが国債価格を調整するかもしれません。
そうであれば、今購入することがベストの選択になります。
自分の評価を基準に置く
であれば、今の国債の価格が高いのか安いのかは、数か月前に判断した自分自身の評価と照らし合わせてみるべきなのです。
私の場合は、6月に国債価格が834ドルの時に国債を購入しています。その時点から比べると、現在の価格はずいぶんディスカウントされているのです。
つまり私にとって、6月当時に決断した投資条件よりよくなっているので、多少金利動向が今後ぶれたとしても、割安であることは変わらないのです。
購入すれば、10年間保有し続けます。
利上げが繰り返された場合、時間が経つことで国債価格が上昇するスピードよりも速く利上げが起きると含み損になるかもしれませんが、国債価格が下落したとしても10年後まで何もする必要はありません。
10年後には額面の1,000ドルで償還されます。
この時の利益になる利率は、計算したように現在国債を購入し満期まで保有すれば2.8%となります。
日本の銀行や日本国債よりは利率が高いことが分かるでしょう。
もし途中で景気減速により現在の金利よりももっと低い金利になることがあれば、途中で国債を売却することもできます。
現在アメリカ経済が上向いているところなので、景気減速は数年後になるものと思われます。
それまでに時間が経つことで、額面1,000ドルに向けて徐々に国債価格が上昇していきますので、今と金利が全く変わらなくても利益が出ます。
このように、投資した時点で利率が決まっている投資商品が国債です。
だから今が数か月前に安いと思えば、今、買い時なのです。
まとめ
国債価格はアメリカ大統領選後に一気に急落しました。
今の価格がオーバーシュートしているのか、それとも適正な値付けとなっているのか、この10年満期の国債価格のみでは判断できないので、以前の自身の判断と比較するのが良いでしょう。
8月当時と同じ銘柄に投資した場合に、利率で1%の差があるので、もし利上げ幅が0.5%程度とあなたが予測していたのなら、今購入したほうがお得であるといえます。
金利が0.5%上がると、30年米国債価格は8.41下落することが計算から求まりますので、利上げ報道前に今購入したほうが良いかどうか、金利上昇と国際価格の下落率から判断しましょう。