米国債は「リスクフリー資産」と呼ばれ、リスクの極めて少ない投資と言われています。
日本国内の証券会社ではほとんど扱っていないゼロクーポン債であるSTRIPS債をインタラクティブブローカーズ証券(IB証券)で購入することができます。
この記事ではIB証券の取引ツール「TWS」を利用したSTRIPS債を購入する方法について解説します。
米国債とは
アメリカ合衆国財務省証券(United States Treasury security)は、アメリカ合衆国財務省が発行する公債で、一般的に米国債と呼ばています。
米国債の額面
米国債は額面が1,000ドルです。
満期日に1,000ドルで償還される金額に対して、実際の取引価格から利回りを計算します。
STRIPS債の基本的な仕組み
特殊なゼロクーポン債で、元々は利付債であった債券を、元本部分と利札部分(利息部分)を分離(ストリップ)し、それぞれ別々に取引できるようにしたものです。
・元本部分:元々の利付債の元本の償還日を満期とする割引債
・利息部分:各利札について利息の支払期日を満期とする割引債
STRIPS(ストリップス)債は、「元本利子分離債」とも呼ばれています。
米国財務省によって開発された、利付債の元本部分と利札部分(クーポン部分)が分離され、それぞれの部分が「ゼロクーポンの割引債」として販売されるものです。
一般に通常の金利が設定されている商品への投資には、満期までに受け取る利息の再運用金利が確定していないものですが、STRIPSの場合にはすでに金利が明確になっているため、再投資リスクがありません。
米国債購入手順
まず、TWSのブックトレーダーを開き米国債のティッカーコードを打ち込み債券を表示させます。
銘柄選択
下図のような画面が銘柄選択画面です。
左側に
- 取引所
- 種類
- 満期日
- 発行日
- クーポン
- 取引可能
という表示が見えます。こちらから取引したい銘柄を選択します。
右側の欄は対象となる銘柄を一覧で表示しています。ご覧のとおり、非常に多くの銘柄の国債を取引することが出来ます。
ここでは残存期間が10年のものを選択してみます。
各行の商品が全てSTIRPS債を示していますので、かなり細かく期間が設定されていることが分かります。
ここではおおよそ10年の期間が残っているSTRIPS債を選択しました。
画面の下にある「追加」ボタンを押すと、TWSのブックトレーダーの画面に対象の銘柄が追加されました。
下図の、買い気配と売り気配の価格差に注目してください。
この価格差(スプレッド)が小さいほどこの商品に流動性があることを示しています。
表記を見ると
- 買い気配:83.7
- 売り気配:84.1
であり、このスプレッドが小さいほど、現在価格に近い価格で取引ができることになります。
10年ものの国債の利回りは1.89%
購入する場合は1,000ドルに対して84.1%の価格で購入すれば、841ドルで買うことが出来ます。
841ドルが10年かかって1,000ドルになりますので、単純に計算すると10年で159ドルのリターンを得られます。
この159ドルのリターンを得るのに841ドルの元手で10年運用として計算をすると、単利計算で1.89%となります。
発注する
ここで気配価格をクリックすると、下図のようにオーダー画面が出ます。スプレッドが小さい場合は売り気配値で買うと、発注直後に約定することとなります。
(下記は買い気配値をクリックした場合。国債を購入する場合は売り気配をクリックして買い注文を出します)
注文を出すと約定し国債への投資が完了します。
まとめと米国債を買うメリット
10年満期のbondを取引すると、現在は複利運用で1.89%の国債を購入することができます。
よって、現在検討している投資と比較して米国債が優れているものと判断できる銘柄を選ぶようにしましょう。
今回は米国債の買い方をお伝えしました。
最後に、ここまで米国債に注目が集まるのには、単純利回り以外にも理由があります。
米国債を投資に組み込むことについてのメリットはほとんど語られていませんが、インタラクティブブローカーズ証券で米国債を取引する大きなメリットがあります。