【米国市況概況】8月3日振り返るとVVIX_VIXレシオの悪い兆候が当てはまっていたようです

  • VIX
投稿者名:守屋 史章  金森 雅人

VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年8月3日(木)の米国市場の様子を分析しています。

 

米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)

NYダウ、S&P500、NASDAQとも下落しました。

長期金利が上がったことと雇用統計を見据えて値動きが小かったように見受けられます。

NYダウ

<TradingView提供のチャート>

S&P500

<TradingView提供のチャート>

NASDAQ総合指数

<TradingView提供のチャート>

VIX指数とVIX先物の関係

独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ

青が最新日を示しています。

9DAY、VIXとも若干下がりました。
1DAYは雇用統計を警戒して買われたものだと思われます。

指数と先物の位置関係を示すグラフ

 

<vixcentral提供のチャート>

VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅

第1限月と第2限月の差は6%台と身構えているようです。

<vixcentral提供のチャート>

コンタンゴチャート

<TradingView提供のチャート>

VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート

独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。

スクイーズ状態は若干解消されました。

<TradingView提供のチャート>

VIX/VIX3Mレシオ

VX/VIX3Mレシオのグラフです。

0.9ポイントと変わらずです。

<TradingView提供のチャート>

VVIX/VIXレシオ

VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。

VVIX/VIXレシオの移動平均は下を向いており、構成要素のVVIXもVIXも上向いている状態から考えれば昨日の時点で悪い下げだったと言えるでしょう。
悪い下げになるかどうかわからない7月25日に、VVIX/VIXレシオが下向いている状態を確認したのちに手仕舞いを考えても良かったもしれません。

<TradingView提供のチャート>

SKEW指数

SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。

SKEWはSKEW/VIXレシオが移動平均を割り込んでいてバランスが悪い状態です。

<TradingView提供のチャート>

債券のボラティリティを示すMOVE指数

 

<TradingView提供のチャート>

独自に作成した米国債イールドカーブ

時系列に整理しました。青が最新日です。

SPYのオーダーフロー

SPYのオーダーフローを分析します。

+420万枚を超える買い圧力がオプションにあったと示しています。
プラスになっている要因を分析すると、プット売りとコール買いが寄与したものと思われます。
通常と異なるのはプット買いが上位に来ている点です。
4日満期のオプションが取引されていますので、これは雇用統計のヘッジと考えられます。

また、ブルプットスプレッド(クレジットプットスプレッド)が取引の上位に来ているのも特筆すべき点です。
このポジションは機関投資家だと思われますが、単純に上昇方向を狙うブルプットか、ブルプットに原資産でデルタヘッジを入れたポジションの可能性があります。

 

<Marchet Cameleon提供>

まとめ

VIXの単純な数値からは悪い状況が分かりませんが、VVIXとの関係やSKEWとの関係は崩れているのが分かります。
今日の雇用統計待ちと言ったところでしょうか。

 

 

 

 

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守屋 史章(もりや ふみあき)株式会社M&F ASSET ARCHITECT 代表取締役
【著者情報】
守屋 史章(もりや ふみあき)
株式会社M&F Asset Architect 代表取締役
オプショントレード普及協会 主宰
宮崎県出身。
慶應義塾大学法学部法律学科卒、同法学研究科修士課程修了

個人投資家として企業数社に投資し、ビジネスオーナーを務める傍ら、証券などへの投資をも手掛ける。投資におけるオプション取引を普及させることを目的に、金森雅人氏と共同でオプショントレード普及協会を設立。短期トレーディングから長期運用まで幅広い投資ニーズをかなえる資産運用を研究している。
「オプションについて話せる仲間が見つからない」という孤独になりがちな投資の研究と意見交換を行える会員制のメンバーシップを中心に、個人投資家目線だからこその目からウロコの独創的アイデアと分かりやすい解説で、「わかる」「できる」をサポート。
資産運用を始めたい方へのバックアップや資産運用教育セミナー等を定期的に開催し、手厚いサポートと実直さで幅広い層から支持を得ている。
JPX(日本取引所グループ)主催のセミナー講師として登壇多数。日本におけるオプション取引の草分け的存在。
 

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