VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2022年12月13日(火)の米国市場の様子を分析しています。
【目次】
1. 米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
2. VIX指数とVIX先物の位置関係
(先物プレミアムか先物ディスカウントか)
3. VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー
(コンタンゴかバックワーデーションか)
4. VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
(VIXを視覚的に捉えるチャート)
5. VIXと日経225先物
(夜間の日経225先物トレードに生かすヒント)
6. VIX/VIX3M(VXX売りの指標)
7. VVIX/VIX(市場の不穏な気配を感じるチャート)
8. MOVE指数(債券のVIX)
9.SKEW指数(ブラックスワン指数)
10.米国債金利
【まとめ】
VIX22.55↓(△)
VIX指数>第1限月先物(△)
第1限月先物ディスカウント
VIX指数タームストラクチャー(△)
9D30Dバックワーデーション
VIX先物タームストラクチャー(〇)
コンタンゴ
短期先物指数コンタンゴ率=10.37%↑ 中期先物指数コンタンゴ率(1ヶ月換算)=1.23%↗
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート (△)
不安定な形状
VIX/VIX3Mレシオ=0.93↓(△)
VVIX/VIX=3.94↗(✖)
MOVE指数=135.08↘(✖)
SKEW/VIX(5.44)↗+SMA20(5.26)↗(〇)GC
米国債金利 1年↘ 2年↘ 中期↘ 長期↘ 超長期↘
(1年>2年>20年>5年>30年>10年=3.501% 逆イールド)
1. 米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
日本時間2022年12月13日~12月14日朝の概況
11月CPI(米消費者物価指数)、は市場予想の7.3%を下回り、前年同月比7.1%の上昇でした。上昇率は10月(7.7%)から大幅に縮小しています。FRBの利上げ長期化への警戒が和らぎ、金利も低下、株式市場は一時大きく上昇しました。しかし、昨日すでに先回りの買いが入っていたこととFOMC前ということもあり、上値では利益確定の売りに押される展開。
CPI通過でVIXは一気に下落しました(22.55pt)。VIX/VIX3Mも一気に0.93ptへ下落。VIX9Dはいまだ30Dに対して高い状態にありますがだいぶ落ち着いてきています。SKEW/VIXレシオと20移動平均は再度GCしました。
NYダウ 34,108.65ドル +103.61(+0.30%)
S&P500 4,019.64pt +29.07(+0.73%)
NASDAQ総合指数 11,256.81pt +113.08(+1.01%)
2. VIX指数とVIX先物の位置関係
VIX指数(30D)=22.55↓(△)
指数>第1限月先物 第1限月先物ディスカウント (△)
短期先物指数コンタンゴ率=10.37%↑ 中期先物指数コンタンゴ率(1ヶ月換算)=1.23%↗
3. VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー(コンタンゴかバックワーデーションか)
VIX指数:9D30Dバックワーデーション(△)
VIX先物:コンタンゴ(〇)
4. VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
不安定な形状(△)
【比較】ちなみに、これがコロナショックのときのVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートです↓
<TradingView提供のチャート>
2020年2月21日から24日のところで一気に形が変わっている部分の拡大
<TradingView提供のチャート>
5. VIXと夜間日経225先物
赤ラインは日経225先物(12月限)、薄い青ラインがS&P500(E-mini)、黄青のロウソク足がVIX30D、赤緑のロウソク足がVIX9Dです。原資産の動きが先でVIXは後から動きます。VIXは先行指標にはなりません。ただ、VIXは市場参加者が原資産の変動に対してどう判断し、どう反応したかがわかります。
6. VIX/VIX3Mレシオ
VXXショート戦略のリスク指標の一つです。
VIX30D/VIX3M=0.93↘(△)
7. VVIX/VIXレシオ
VVIX/VIX=3.94↗(✖)
VVIX=VIXのインプライドボラティリテイ(IV)
これは先行指標になるのでしょうか?
VVIXもVIXと同じような動きをしているようにみえますが、動き方の比率に微妙にずれが出るため、VVIX/VIXの値が変化します。市場の不穏な雰囲気が、S&P500のプットオプションの買い(VIX)とVIXのコールオプションの買い(VVIX)の微妙な差を生み、その結果じわじわとVVIXとVIXの変動率の違いを生み出していく…。基本的に先に原資産であるS&P500のプットオプションが買われVIXが上がり始めます。そうするとVVIX/VIXレシオが下がり始めます。S&P500のプットオプションの買われ方を単独で見るのではなく、そのプットオプションの買われ方がVIXコールオプションの買われ方に対してどうか、という視点でみることで、相場の不穏な雰囲気を察知できるかもしれないということです。
【一応の基準】
6以上を維持◎(平穏 リスクオン) ※高すぎる値は警戒
5~6○(平穏へ)
~5×(5を割り込むような原資産の下落はちょっと長引く可能性)
8. MOVE指数
135.08(✖)↘
MOVE指数=いわゆるVIXの米国債版です(赤)。VIXは青、S&P500先物(ES)が黒のチャートです。米国債市場の不穏な動きを未然に察知するために使えるかもしれません。
9. SKEW
122.73↗
SKEW/VIXレシオ・移動平均クロス(〇)GC
SKEW/VIX(5.44)↗ MA20(5.26)↗
10. 米国債金利