【米国市況概況】1月25日 S&P500が上昇したにもかかわらずVIXが反応しています

  • VIX
投稿者名:金森 雅人

VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2024年1月25日(木)の米国市場の様子を分析しています。

米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)

昨日はNYダウ、S&P500、NASDAQとも上昇しました。

発表された2023年10〜12月期の米実質国内総生産(GDP)速報値が市場予想を上回り好感されたようです。

NYダウ

<TradingView提供のチャート>

S&P500

<TradingView提供のチャート>

NASDAQ総合指数

<TradingView提供のチャート>

VIX指数とVIX先物の関係

独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ

青が最新日を示しています。

昨日の株価は上昇しましたがVIXタームストラクチャーは前日と比較して全体的に若干上がっています。

9DAYは来週のFOMCの発表に備えて買われているようです。

VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート

独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。

S&P500が上昇しましたがVIXも上昇している様子が分かります。

<TradingView提供のチャート>

指数と先物の位置関係を示すグラフ

コンタンゴ状態で、かつ先物プレミアムを維持しているので安定と言えますが、9DAYがVIXより高い状態が続いています。

<vixcentral提供のチャート>

VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅

先物第1限月と第2限月の差はほぼ変わらずです。

<vixcentral提供のチャート>

VIX/VIX3Mレシオ

VIX/VIX3Mレシオのグラフです。

0.89と基準の0.9に迫ってきています。

<TradingView提供のチャート>

VVIX/VIXレシオ

VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。

昨日VVIXもVIXも上昇し、移動平均がまだ上を向いているのでVVIX/VIXレシオが改善するのはまだ先のようです。

直近の相場ではS&P500とVVIX/VIXレシオは逆相関です。

<TradingView提供のチャート>

SKEW指数

SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。

VIXが上昇し、SKEWも上昇しました。バランスとしてはあまり良くない形であり注意が必要かもしれません。

<TradingView提供のチャート>

債券のボラティリティを示すMOVE指数

 

<TradingView提供のチャート>

独自に作成した米国債イールドカーブ

時系列に整理しました。青が最新日です。

SPYのオーダーフロー

SPYのオーダーフローです。

+610万枚を超える株式の買い圧力がオプション側にありました。

最近はコール売りが上位に来ていましたが、今回はプット売りが強くなりました。

相場が安定しているときはこのようなプット売りが上位に来るパターンが多いので、平常期の形と言えます。

ATMから-5%のデルタロングが強いのはOTMのプット売りで通常の状態ですが、ATMから+5%のデルタロングは相場上昇によるコールの買い戻しと考えられます。

<Marchet Cameleon提供>

まとめ

S&P500が上昇したにもかかわらず、VIX指数は反応して高くなりました。

 

 

 

 

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守屋 史章(もりや ふみあき)株式会社M&F ASSET ARCHITECT 代表取締役
【著者情報】
守屋 史章(もりや ふみあき)
株式会社M&F Asset Architect 代表取締役
オプショントレード普及協会 主宰
宮崎県出身。
慶應義塾大学法学部法律学科卒、同法学研究科修士課程修了

個人投資家として企業数社に投資し、ビジネスオーナーを務める傍ら、証券などへの投資をも手掛ける。投資におけるオプション取引を普及させることを目的に、金森雅人氏と共同でオプショントレード普及協会を設立。短期トレーディングから長期運用まで幅広い投資ニーズをかなえる資産運用を研究している。
「オプションについて話せる仲間が見つからない」という孤独になりがちな投資の研究と意見交換を行える会員制のメンバーシップを中心に、個人投資家目線だからこその目からウロコの独創的アイデアと分かりやすい解説で、「わかる」「できる」をサポート。
資産運用を始めたい方へのバックアップや資産運用教育セミナー等を定期的に開催し、手厚いサポートと実直さで幅広い層から支持を得ている。
JPX(日本取引所グループ)主催のセミナー講師として登壇多数。日本におけるオプション取引の草分け的存在。
 

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